日本最大級のお出かけ情報量を誇る、親子向けWebサイト『いこーよ』を運営するアクトインディ株式会社。他にも子供向けに様々なサービスを展開しています。 今回は、これらの取組内容や今後の展望などについて、アクトインディ株式会社 いこーよ 子どもの未来と生きる力研究所 所長 鎭目 美代子しずめ みよこさんにお話を伺いました。

  • アクトインディ株式会社 いこーよ 子どもの未来と生きる力研究所 所長 鎭目美代子さん

行動指針に賛同して参画へ 他企業・団体との交流を機に新しい取組も

――こどもスマイルムーブメントに参画されたきっかけを教えてください。

アクトインディ株式会社 いこーよ 子どもの未来と生きる力研究所 所長 鎭目美代子さん(以下、鎭目):弊社は、「次世代に価値をのこす」ことを理念として子供たちに向けた事業を展開しています。この理念が、こどもスマイルムーブメントの行動指針『全てのこどもが今と将来への希望を持って、伸び伸びと健やかに成長できるよう、全力でサポートする』、『こどもが社会の一員として様々な場面で参画できる機会の創出に努め、こどもの目線に立った取組を推進する』と方向性が同じだと思い、参画を決めました。

また、『社会全体で「こどもを大切にする」気運を醸成し、安心して働き、子育てができる環境づくりに取り組む』という指針についても、弊社はコロナ禍に入る前からリモートワークを取り入れ育児と仕事の両立を推進しており、そういった働き方を社会に浸透させることに貢献したいという思いもありました。

――参画してから変化はありましたか?

鎭目:はい。子供向けの事業を展開されている異業種の企業・団体と繋がる機会が格段に増えました。特に交流会に参加した際は、様々な取組についてお話を聞くことができて、大変勉強になりましたね。また、交流会をきっかけに、他企業・団体とコラボレーションや事業連携するお話も出ていて、現在いくつかの企画を進めています。

――こどもスマイルムーブメントに期待することを教えてください。

鎭目:様々な業界が連携し、子供向けの取組を発展させていくきっかけになることを期待しています。セミナーやフォーラムなどで各企業・団体の取組を詳しく知る機会があるとより良いと思います。そして、お互いのことを深く知ることで、協力し合って新しい取組を進めていける環境ができていくと良いと思います。

子供たちに「価値をのこす」ことを目指し、子供の成長に関わる事業も展開

――現在実施している子供向けの取組について詳しく教えてください。

鎭目:一番 の柱となっているのが、子供とのお出かけ情報を紹介するWebサイト『いこーよ』です。0歳から9歳までの子を持つ世帯のうち約8割の方々にご利用いただいています。

  • 提供:アクトインディ株式会社

他にも、「10年先も思い出す体験」を提供することをコンセプトにした地域のお出かけ体験の情報サイト『いこーよとりっぷ』、子供の非認知能力を育むための情報を掲載している『未来へいこーよ』を運営しています。またWebメディアだけでなく、子供たちに体験の機会を提供するプログラム『いこーよスイッチ』、子供たちがコーチとの会話を通じて「自分で考えて行動し、納得できる人生を創る」手伝いをする子供向けのコーチングサービス 『いこーよ子どもコーチング』といった事業も展開しています。

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また、家族のニーズやお出かけ市場、子供時代の体験がその後の成長にどう関わっているかなどを調査・分析する「いこーよ 子どもの未来と生きる力研究所」、「いこーよ総研」などの調査研究事業や、自治体・学校と連携した活動なども行っています。

――多岐にわたる取組をされているのですね。子供向け事業を始めたきっかけは何だったのですか?

鎭目:弊社はもともと、代表の「次世代に価値をのこすための事業をしたい」という思いから創業した会社でしたので、そのミッションに基づき、子供たちの未来に貢献するような活動を行ってきました。これまではWebメディアを通じたおでかけ情報の発信がメインでしたが、より直接的に子供たちの成長に寄与したいとの思いがあり、近年はリアルに子供たちと関わる事業を始めています。こういった幅広い事業を展開することで、ようやく私たちが実現したかった姿に近付いてきているという状況です。

――実際に貴社のサービスを使った子供たちの様子はいかがでしょうか?

鎭目:『いこーよスイッチ』で提供しているイベントには、自然体験、社会体験、文化体験、スポーツなど、幅広い体験があるのですが、どの分野でも子供たちの成長や意欲的な姿を見ることができます。

例えば、海でニッパーボード(ライフセービングに使うサーフボードの一種) に乗る体験イベントでは、生まれて初めて海に入る子供たちの姿が印象的です。「海は危険」「クラゲに刺される」といったネガティブなイメージが強いようで、体験開始時は怖がったり嫌がったりしている子も多いのですが、実際に海に入って活動を始めると、それまでの態度が嘘のようにキラキラと目を輝かせて、生き生きとした表情に変わるのです。このような変化を見ると、一つ体験の機会があるだけで、子供たちの世界が一気に大きく広がることを実感できます。

様々なリアルな職業の場で職業体験ができるプログラムを実施しているのですが、その中の物流会社での職業体験では、実際に海外から船で商品が運ばれて来る場所で、子供たちがヘルメットをかぶって荷役現場の見学や品質管理・検査の体験をします。そこでは、子供たちが「すごーい!」と熱心に観察する様子が興味深いです。普通に生活していたら触れることがないかもしれない、生活を支える仕組みやその現場を見せていくことも、大人の役割の一つではないかと思っています。

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――保護者の反応で印象に残っているエピソードはありますか?

鎭目:はい。革細工の職人体験では、保護者の方から嬉しい感想をいただきました。実際の職人さんが使う本物の道具を使って職人として作品を作る体験なのですが、保護者の方には「お子さんの活動に口を出さない」ことをお願いしています。 そうすると、子供たちは本当に楽しそうに、のびのびと制作するんです。大人から見ると、「どうしてそんな風にするんだろう?」と思うような配色やパーツの組み合わせ方もたくさんありますが、完成すると、その子らしさが表現されていて、どれも非常に魅力的な作品に仕上がります。それを見た保護者の方から、「集中して真剣に取り組んでいて、やりたいことを好きなようにやらせることの大切さがわかった」「新たな一面を見た」などのお声をいただきました。 このように、家族のより良いコミュニケーションに貢献できることも嬉しく思っています。

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――たくさんの事業を展開されていますが、共通して大切にしていることはありますか?

鎭目:はい。私たちは、「子供たちがもともと持っている力を引き出したい」という思いを持って活動しています。人は誰もが、「知りたい」「やってみたい」という好奇心やその人ならではの興味を持っているので、それに蓋をせず、自由に実践できる機会や場所を提供したいと思っています。イベントでも、子供たちに決まったプログラムだけをやってもらうのではなく、大人は安全を確保するだけで、なるべく手助けをせず、子供たちの「こうしたい」という気持ちを尊重しながら進めることを大切にしています。

自分がやりたいように体験してみないと、「楽しい」「面白い」「好き」という気持ちになかなか気付くことができません。それに気付く機会を提供することが、私たちのミッションであると考えています。

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「好き」を見つけるための体験の機会をもっと作りたい

――今後の展望を教えてください。

鎭目:『いこーよ』では、お出かけ場所やイベントの情報を紹介するだけでなく、そこでの過ごし方を提案するコンテンツ作りやお出かけ先チケット販売を拡充しています。お出かけ先で、どう過ごすと学びに繋がるのか、好奇心を刺激できるのかなどを紹介することで、子供たちにとってより価値のある体験をしてもらいたいと考えています。子供たちがより楽しく充実した時を過ごし、明るい未来に繋げていけるような取組をもっと拡げていきたいと考えています。

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――他企業・団体とのコラボレーションのご意向がありましたら教えてください。

鎭目:私たちと同じ思いを持つ企業・団体様とたくさん繋がり、連携していきたいと思っています。何か協力できそうなことがありましたらお気軽にご連絡ください。子供たちの未来のために、ぜひ一緒に活動しましょう。

――最後に、子供たちへのメッセージをお願いいたします。

鎭目:自分らしく生きていくためには、自分の「好き」を見つけることがとても大切です。ぜひ様々な体験から、「楽しい」「面白い」「好き」という気持ちを見つけてほしいです。それを自覚することで、自分の世界が広まり、深まっていきますし、自分の軸ができることで多様な価値観を持つ他人や自然などをもより尊重できるようになると思っています。そうすることで、自分自身もより楽しく充実した人生を歩んでいけると思います。

私たちは、みなさんが自分の「好き」を見つけることを全力で応援したいです。

――ありがとうございました!

こどもスマイルムーブメントとは
こどもスマイルムーブメントとは、幅広い主体の連携により、子供を大切にする社会を創出する東京都の取組です。
企業、NPO、大学・学校等の主体が「子供の目線を大切にした取組」を推進し、子供を大切にする社会気運の広がりを目指します。
HP:https://kodomo-smile.metro.tokyo.lg.jp/

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