夏の風物詩としてなじみの深い渦巻型の蚊取り線香。それを開発したのが「金鳥」ブランドでおなじみの大日本除虫菊株式会社です。実は、その創業者がご祭神として祀られている神社が、広島県尾道市にあります。

  • 向島

毎年5月になると例祭が行われる本神社。どういった経緯で「金鳥」の創業者が祀られることになったのでしょうか。

本記事では「金鳥」創業者が祀られている神社や、蚊取り線香開発にまつわる知られざるストーリーについてご紹介します。

蚊取り線香を開発した「金鳥」創業者が祀られている「除虫菊神社」とは

「金鳥」創業者の上山英一郎氏が祀られている神社は、広島県尾道市の瀬戸内海に浮かぶ島「向島」の亀森八幡宮境内にあります。その名も「除虫菊神社」です。

  • 除虫菊神社

    亀森八幡宮境内にある除虫菊神社。亀森八幡宮では、除虫菊神社の御朱印をいただくことができる。

明治時代、上山英一郎氏は瀬戸内海の島々で、除虫菊の栽培を奨励。以来、除虫菊を根づかせ、産業として大きく発展させました。当時は5月頃になると、瀬戸内海の島々の段々畑に除虫菊の花が咲き誇り、まるで真っ白いじゅうたんを敷き詰めたような美しい光景が広がっていたそうです。除虫菊は蚊取り線香やノミ取り粉といった殺虫剤の原料に用いられ、農家に多大な収入をもたらしました。

  • 除虫菊

    除虫菊。和名をシロバナムシヨケギクといい、殺虫成分を含む。

除虫菊の花が見ごろを迎える毎年5月8日には、上山英一郎氏の功績をたたえる例祭が行われています。

  • 金鳥関係者と例祭

蚊取り線香の生みの親である上山英一郎氏の生涯

神社のご祭神として祀られるまでに至った上山英一郎氏とは、どのような人物だったのでしょうか。

  • 上山英一郎氏

上山英一郎氏は、現在の和歌山県有田市出身。みかん農家の四男として生を受けました。慶應義塾に入塾し、福沢諭吉氏から教えを請います。「これからの日本は世界と渡り合わねばならない。商売も外国が相手だ」。福沢諭吉氏の言葉に触発された上山英一郎氏は、みかんの輸出を目指して明治18年に上山商店を創業しました。

その年の2月、福沢諭吉氏の紹介により、上山英一郎氏は運命的ともいえる出会いを果たします。その相手が、アメリカの植物会社社長、H・E・アモア氏。みかんの苗をプレゼントした上山英一郎氏は、その御礼にアモア氏から除虫菊の種を譲り受けたのです。これがきっかけとなり、貧しい農家を救い、貿易産業として国が豊かになることを目指して、除虫菊栽培を広める活動をスタートしました。

  • 栽培の手引書

    除虫菊を広める際に用いた「栽培の手引書」。

英一郎は「除虫菊栽培書」を発行するとともに栽培奨励のために全国を行脚。地道な努力の甲斐もあり、除虫菊を栽培する農家は徐々に増え始めたました。 続いて英一郎は除虫菊の実用化に着手、除虫菊を乾燥させて粉末化したものをまずはノミ取り粉として製品化。 続いて周囲からの要望を受け、仏壇線香に除虫菊粉を混ぜ込むことを発案し蚊取り線香を開発しました。

世界初の棒状蚊取り線香が完成したのは明治23年のこと。この後棒状の欠点を克服するべく改良を模索し、現在の姿に近い渦巻型の蚊取り線香を開発しました。

  • 棒状蚊取り線香

    世界初の棒状蚊取り線香「金鳥香」。

その後上山英一郎氏は、アメリカやヨーロッパへの販路を開拓。国外の凶作や疫病の流行など、様々な影響を受けながらも除虫菊の需要は右肩上がりとなり、いち早く除虫菊の栽培を始めた瀬戸内の農家は大いに潤いました。

紆余曲折ありながらも、上山英一郎氏はその後も除虫菊農家の救済と発展に力を尽くします。すると、その功績に感謝する瀬戸内の除虫菊農家が除虫菊神社を建立し、上山英一郎氏を神として祀ろうと発案しました。何度も断ったそうですが、除虫菊農家の熱意に打たれて承諾。昭和5年、除虫菊神社が建立され、上山英一郎氏は生きながらにして祀られたのでした。

令和の時代も愛される、創業者・上山英一郎氏が作った「金鳥の渦巻」

明治35年に発売した「金鳥の渦巻」は、その手軽さと効果が長きにわたって支持され、令和になった現代でも多くの人に愛されています。ここで改めて「金鳥の渦巻」について、その特徴を見ていきましょう。

1世紀以上の歴史を誇る、日本製品質
  • kincho_金鳥の渦巻

誕生から130年を超えた今も、製造から品質管理まで国内の自社工場で徹底して行い、高い品質を維持。除虫菊成分など厳選した天然原料を用い、確かな効き目と深みのある心地良い香りを提供しています。

「金鳥の渦巻」の詳細はこちら

自宅はもちろん、お庭いじりやキャンプでも活躍

家での使い方

玄関の入り口付近やテラスの風上に置けば、効き目が隅々まで広がります。約7時間にわたって効果が持続するため、蚊がよく出る季節も快適です。また、自宅はもちろん、お庭いじりや最近流行りのキャンプでも大活躍。吊り下げ式線香皿に入れて身に付ければ、移動しても蚊から守ってくれます。

お庭いじりでの使い方

ご自宅やお庭いじりでの使い方はこちら

サイズや香りなどのバリエーションが豊富
  • 製品ラインナップ 

12時間使える「大型サイズ」や、広範囲に効き目が広がる「太巻」、天然ローズオイルをプラスした「ローズの香り」など、シチュエーションや好みによって選べるバリエーションが豊富に揃っています。

製品ラインナップはこちら

普段、何気なく使っている蚊取り線香ですが、誕生の背景には開発した上山英一郎氏の並々ならぬ社会奉仕精神がありました。

この夏、「金鳥の渦巻」を焚いて、その歴史に思いを馳せてみませんか?

  • 金鳥の夏、日本の夏。

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