新宿でラーメンを食べるなら「焼きあご塩らー麺たかはし」は絶対に外せない。 2015年、歌舞伎町にオープンした。「焼きあごブーム」の火付け役と言われているお店で、創業から7年経った今でもピークタイムには行列ができるほどの人気店だ。

東京を中心に埼玉、神奈川と9店舗展開しているので、特段のラーメンマニアでない方でも看板を見たことがある人は少なくないはず。

一番の売りはなんといっても「焼きあご塩らー麺」(税込880円)。※2022年10月現在

運ばれてきた瞬間からふんわりと焼きあごの香ばしさが食欲を刺激する。豚と鶏のチャーシューに極太のメンマ、水菜、白髪ねぎがのっていて、食べる前からおいしさが感じられる。

注目のスープは塩ラーメンなのに透き通る茶褐色。 焼きあごや煮干し、昆布から丁寧にうま味を抽出したスープと豚骨や鶏ガラから炊きだしたスープを合わせているのだとか。極めつけは香味油やカエシの塩だれも、焼きあごから抽出しているという。とことん素材にこだわった仕上がりだ。

ひと口飲んでみると、焼きあごの香ばしさが来たあとに、ふんわりと甘みが感じられる。 苦みや塩味ではなく甘みが強いのには驚いた。焼きあごと聞くとさっぱりとした印象を持つ人も多いとは思うが、たかはしは濃厚系。焼きあごブームをけん引しているのも納得の美味しさだ。

麺は京都の名門製麺所「麺屋棣鄂(めんやていがく)」と共同開発したオリジナル麺。 やや太めの麺はもっちりぷりぷりの食感で、食べ応えしっかり。適度にちぢれがあるおかげで、スープとの絡みが最高にいい。 存在感のあるスープだからこそ、同じく存在感のある麺が合うのかも。

〆は新潟産こしひかりをスープに落として作る「あごだし茶漬け」。卓上のあられ、わさびをのせて仕上げる。 焼きあごに加え具材のうま味が溶け込んだお茶漬けは、口当たりが柔らかく満足度120%。食べ応えのある麺を食べた後でも、不思議とさらりと入ってしまう。

焼きあご文化をけん引する「たかはし」の創業者に話を聞いてみた!

株式会社ヒカリッチアソシエイツ 代表取締役 髙橋夕佳氏


新潟県出身。2011年に28歳で起業。
2012年に東京・茗荷谷でラーメン店を開業したのち、2015年に「焼きあご塩らー麺たかはし」を新宿にオープン。焼きあごブームの先駆者となる。
現在ではラーメンの枠を超え、焼きあごという食材や文化の持続的な活用のための活動も行っている。3人の子を持つ母でもある。

――本日はよろしくお願いします。ラーメンめちゃくちゃ美味しかったです。最初に「焼きあご塩らー麺たかはし」を始めた経緯を教えていただけたらと思います。

髙橋:私は新潟出身で学生の頃に、焼きあごを作っている方々と出会って、とても感動したんですよ。それからしばらくして、焼きあごという食材がまだ全国的には知られていないことに気づいて……。もっといろんな人に焼きあごのよさを知っていただければ、喜んでもらえるだろうと思いましてお店をはじめました

――どうして、焼きあごを広めるためにラーメン屋を選んだんですか?

髙橋:当時は一部の感度の高い主婦だったら焼きあごを知っていたかもしれませんが、世間的にはまだまだで。学生やサラリーマンの人たちでもラーメンだったら敷居が低く接点を持つことができるだろうと思って、ラーメン屋にしました。

――とても面白いですね。ラーメン店の多くがラーメンを軸にだしを探していくのにも関わらず、だしをメインとしてお店を開いたというのは、珍しいですね。ちなみにどこかで修行をしたんですか?

髙橋:いいえ、アルバイトもしたことがなく、1から独学でお店を開きました。ただ、それだけ衝動的になるほど、焼きあごに魅力を感じていたんですよ。

――ラーメンを作るにあたって、相当苦労したんじゃないですか?

髙橋:先ほどお伝えした通り、独学でラーメンを作って来たので、焼きあごの使い方をネットや料理本などでいろいろと調べるんですけど、そういう教科書的な抽出の仕方だと焼きあごの魅力の半分くらいしか活かせなかったんです。

髙橋:あと一番大変だったのは高級な焼きあごをラーメンという庶民的な価格の中で活かさなければならなかったんです。そのバランスがとても難しかったですね。

――なるほど。どうやって解決していったんですか?

髙橋:試行錯誤していく中でわかったことなんですけど、うま味の抽出の仕方も一辺倒ではないんです。水、アルコール、脂それぞれに溶けるうま味があるんですよ。それらを組み合わせてくことで、効率的にうま味を抽出できて、庶民的な価格でもしっかりと焼きあごの風味を主張できる一杯を作り出せました。

――大変ですね。結構時間がかかったんじゃないですか?

髙橋:だいたい一年半くらいかかりました。

――結構時間かかりましたね。最近、焼きあごって値段が上がっているじゃないですか? 影響はないんですか?

髙橋:そうですね。実はそこが私たちが今、取り組んでいることでして、2016年あたりに焼きあごが一大ブームになってから、焼きあご自体の供給がひっ迫したんですね。

その時に供給という面を解決すれば、もっと焼きあごという食品の市場が育っていくと思ったんですよ。でも、これまでの伝統的な製法だと量が少ないし、高価な食材にますますなってしまうという課題があったんです。

――その課題を解決するためにどんなことをされているんですか?

髙橋:焼きあごって子どものトビウオを使って作られるんですが、大人になると香りが薄くなって利用されなくなるんです。子どものトビウオだと数が少ないので、資源のために圧倒的に数多く漁獲されている大人のトビウオを使って焼きあごを作る研究を東京大学と一緒に進めていて、現在特許申請中なんです。

――そこまで焼きあごのことを考えて活動しているんですね。

髙橋:焼きあごブームの先駆者として今後も同じように、焼きあごという文化の質が落ちないように持続可能にしていく責任があると思うんですよ。

――ありがとうございます。あと今後「焼きあご塩らー麺たかはし」の展開としてどのような活動をしていく予定ですか?

髙橋:これまではラーメンを軸とした事業を進めてきたんですが、これからは焼きあごをベースとした家庭でも使えるような商品を作っていきたいですね。

――とても貴重なお話をありがとうございました。焼きあごに対する並々ならぬ熱意が伝わってきて、私まで胸が熱くなりました。最後に読者に対して一言お願いいたします。

髙橋:いろいろ、お話させていただきましたが、是非とも「焼きあご塩らー麺たかはし」で焼あごを味わって欲しいです。

* * *

髙橋社長の熱い焼きあごへの思いが伝わってくる「焼きあご塩らー麺」。歌舞伎町という利用しやすい場所にあり、ランチでの利用から飲み会の〆に食べても大満足間違いなし。是非とも新宿に行った際には、食べてみて欲しい。

「焼きあご塩らー麺たかはし」
についてもっと詳しく

 

店舗情報


焼きあご塩らー麺たかはし 新宿本店
住所:東京都新宿区歌舞伎町1-27-3 KKビル1階
アクセス:「西武新宿駅」徒歩1分/JR「新宿駅」東口 徒歩5分
営業時間:平日11:00~翌4:30(LO4:30)
     土日祝10:00~翌4:30(LO4:30)
定休日: 無休(年末年始を除く)
TEL:03-6457-3328

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