• 株式会社ニューアート・シーマ 代表取締役社長 白石哲也と株式会社マイナビ 取締役 常務執行役員 経営企画本部 本部長 西 達矢

◆プロフィール

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株式会社ニューアート・シーマ
代表取締役社長
白石哲也

1970年大阪生まれ。東京育ち。
1994年、株式会社ダイヤモンドシライシ(現:株式会社ニューアート・シーマ)創業。
1996年同社取締役に就任し、1999年から営業統括と上場担当役員を兼務する取締役副社長に就任し、上場に向けて営業強化に取り組む。2000年3月上場。
2005年に退任し、株式会社ホワイトストーン 代表取締役社長
2014年には赤字体制脱却のため株式会社ニューアート・シーマの相談役として復帰。2015年に取締役副社長に本格的に戻り、黒字体質に変化。
2016年に代表取締役社長就任し、国内外20店舗以上出店、現在に至る。

銀座ダイヤモンドシライシ(マイナビウエディング)

エクセルコ ダイヤモンド(マイナビウエディング)

◆プロフィール

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株式会社マイナビ
取締役 常務執行役員
経営企画本部 本部長
西 達矢

1970年生まれ。京都府出身。
1993年、株式会社毎日コミュニケーションズ(現:株式会社マイナビ)入社。就職情報事業本部の大阪営業部に配属になり、採用コンサルタントとして新卒採用に携わる。2003年、社会人情報事業部へ異動し、ビジネスパーソン向け情報メディアの編集課長に着任。2004年に事業部長代行(2005年に事業部長)へ。
2012年には『マイナビウエディング』をはじめとする新規メディア事業を立ち上げ、マイナビブランドの拡充を進める。2021年12月より現職。

「結婚からはじまる! ふたりSTORY応援プロジェクト」立ち上げの理由

———結婚を考えているすべてのカップルに向けた「結婚からはじまる! ふたりSTORY応援プロジェクト」。この企画は、株式会社ニューアート・シーマがコロナ禍で打撃を受けたブライダル業界に対して、何かできることはないかと思案されていたところにマイナビニュース、マイナビウエディングが賛同し始まりました。改めて、本企画を立ち上げた経緯や背景をお願いいたします。

株式会社ニューアート・シーマ 代表取締役社長 白石哲也(以下白石):日本では2020年1月以降になりますが、いわゆる〝コロナ禍〟において変化したことについて考えると、やはり人間関係だと思っています。

会うことができないという距離的な要素だけでなく、人とのつながりや気持ちにも大きな距離感が生まれて、人間関係が希薄になってしまったという声を聞きます。ブライダル業界で見ると「結婚式を諦めました」という残念な声も多く聞くようになりました。

私は結婚式はもちろん、子供の成人式などの家族の絆を感じられる節目のイベントを大事にしてきました。私自身の考えで言えば、それこそが長く夫婦としての関係を持続できている秘訣だと思っています。長い結婚生活の中ではもちろん喧嘩もするし、互いへの不満が募ることもある。でも、結婚式をしっかり挙げたということが絆として心の中には存在しているんです。

今の時代だからこそ、このプロジェクトを通じて、新郎新婦だけでなく親御さんやゲストの方に、結婚式の大切さを考えてほしい。ブライダル業界が元気でいることは、人とのつながりや、古き良き風習を守ることでもあると考えています。

  • 白石哲也の画像

株式会社マイナビ 取締役 西達矢(以下西):コロナ禍でカップルもブライダル業界も大きな影響を受けていることに対し、メディアとして、何かできることはないかと常に考えていました。白石代表の想いを伺い、ご一緒にできることがあるのではないかと。

今回のプロジェクトは、マイナビニュースとマイナビウエディングの合同企画。マイナビウエディングのようなウエディング情報メディアは、結婚式を考えている人が検索してたどり着くものですが、そうでない人たちにも何か情報を届けたいとなった時、マイナビが持つさまざまなメディアでの情報発信が重要だと考えました。

日常で触れていただくニュースメディアの中でウエディングの多様性や新しい結婚式のカタチを掲載していくことで、カップルだけではなく、ゲストの方にも結婚式を身近に、そして結婚式の本質的な魅力を感じていただけるのではと思っています。

  • 西 達矢の画像

データから見るブライダル業界の変化

———厚生労働省のデータからも見てとれますが、2019年は令和元年で「令和婚」と言われた節目の年ということもあり婚姻組数は伸びましたが、2020年はコロナ禍の影響で婚姻組数は下がっています。結婚を延期したカップルもいましたし、外出自粛により婚活もままならない社会情勢でした。

  • 年間婚姻組数・婚姻率のデータ

白石:ブライダル業界は20年以上前から少子化の影響を受けやすいと言われた業界だったので、少子化については生き残りをかけて、事業として取り組みを続けてきていました。しかしながら、コロナ禍のような急激な変化には対応が難しい面があると感じています。

一過性のものかもしれないので見極めが難しいですが、結婚式を挙げることができないから結婚自体を延期するケースも見られますし、出会いがないという話もよく耳にします。

コロナの感染状況などが落ち着いてきたら、婚姻組数や結婚式の実施も増えてくるかもしれませんが、一時的に出会いが少なくなり結婚が遠のく可能性も踏まえると、コロナを境に1~3年程度は減少する可能性も否めません。これはブライダルジュエリーへの影響も大きいと考えており、結婚式場の存続にも影響を与えかねないと思います。人とのつながりや古き良き風習を繋いでいくためにも結婚式の大切さを伝えていきたいと思っています。

西:矢野経済研究所のデータから、2020年、2021年のブライダルジュエリー領域の推移を見ると、結婚式場領域より打撃は少なく、結婚式や新婚旅行が実施出来ない分を記念に残せるモノに回したのではという見方ができます。

  • ブライダルジュエリー小売市場規模の推移

一方で、2020年の結婚式領域では、コロナ禍で大人数での実施が難しいなか、少人数での挙式やフォトウエディングの増加など、ウエディングの多様化がより一層進んでいる状況です。 しかし、2020年―2021年比では、感染症の特性が判明していったこと、 ワクチン接種が進んだことなどから、結婚式領域も想定より早く復調傾向が見てとれます。 また、マイナビウエディングで取得したデータをみても、中人数規模の披露宴の復活と共に、今後の実施率も回復していくと予想しています。

  • 挙式披露宴披露パーティ市場規模推移

ブライダル業界のコロナ禍、withコロナでの取り組み

西:ようやく復調傾向にある結婚式場領域ですが、この2年間で感染症対策などのガイドラインを設けたり、キャンセルポリシーの再整備をおこなったりと、業界をあげてユーザーフォローの取り組みを強化する動きがありました。 2020年4月に発出された1回目の緊急事態宣言後からコロナ禍の2年間を経て、ジュエリー業界はどうでしょうか? 白石代表が企業として取り組まれたこと、現場の社員の方々の変化などを教えてください。

白石:2020年4月の緊急事態宣言時には発出前にご注文いただいた商品をお客様にお渡しするという義務があったため、悩みに悩んだ結果、宣言発出中もお店を開けるという決断にいたりました。

百貨店の中にあるショップ等は、その方針に従い休業せざるを得なかったのですが、路面店はすべてお店を開けました。というのも、婚約指輪や結婚指輪は受注生産のため、緊急事態宣言の発出前に受注したものは、だいたいゴールデンウィーク前後が受け渡しの期間になるんです。

そのゴールデンウィーク前後に銀座本店だけでも約1500件の受け渡しがありました。すべてのお客様に対し、早々に郵送に切り替えることは現実的に難しかったですし、納品を楽しみにしてくれているお客様からのご希望もあったことから、店舗での受け取りのみの営業を行いました。営業活動の広告は止めて、新型コロナウイルス感染防止のために惜しみなく予算をかけて、人数制限などできうる限りの対策をしての受け渡しでした。

実際、店舗を開けるという決断をしたことで、お客様から感謝の声をたくさんいただきました。具体的には、「自粛期間中は婚約者とも会うことができなかったけれど、受け渡しの日だけは会うことができた」「世の中が暗い雰囲気に包まれているので、指輪を見て自粛生活を乗り切れそう」というようなお客様からのお話を、全国の店舗のスタッフから私に報告がありました。

  • 銀座ダイヤモンドシライシ銀座本店画像

    銀座ダイヤモンドシライシ銀座本店

西:全社員とやり取りがあるとお聞きしました。現場からの声を直接吸い上げているからこそ、リアルなお客様の声もキャッチアップできているんですね。

白石:それでも私自身、店を開ける判断をするには、本当に悩みました。そういう中でこのような声をお客様から頂いたのは大きかったですね。スタッフもお客様を想い、責任を持って指輪を届けたいと考えるものも多かった。そこで、出社するかどうかの判断を現場に委ねてみたところ、半数以上のスタッフが出社すると決めたため、営業が可能になりました。もちろん、休業したスタッフにも給与保証していましたが、出社の判断をしたスタッフがいたことは心強かったですね。

実際出社する際には通勤電車は空いているし、マスクは会社から支給される、空間除菌など感染対策もありました。そんな中スタッフとしては『お客様も不安だろうからしっかり対応したい』という気持ちだったようです。

緊急事態宣言発令中も受け渡しを通じてお客様と向き合った結果、緊急事態宣言が明けてからも早い段階での回復を見込めることができたのではないかと考えています。

店舗を開けていなかったら、お客様の想いに向き合うことができなかったと思います。我々のブライダルビジネスの必要性を実感する良い機会になりました。

コロナ禍で指輪を購入した、結婚式をあげたふたりに見られた変化

———withコロナ前後で指輪を購入したおふたりに、変化は見られましたか?

白石:結婚式を挙げられなかった分、多少はダイヤモンドのグレードアップなどの傾向もありましたが、コロナ禍で結婚式の日程が決まらず、指輪に日付刻印が入れられないというお客様もいらっしゃり、やはり胸が痛くなりました。

  • 指輪の画像

    銀座ダイヤモンドシライシ【Ever After エバーアフター】ハッピーエンドを経て、ふたりの物語が永遠に続くことを願って

———コロナ禍でなかなか日取りが決まらない、延期につぐ延期でモチベーションが落ちてしまったカップルも多くいらっしゃいました。 一方で、コロナ禍でも感染対策や様々な工夫をして、結婚式をあげるという決断をしたカップルも。結婚式にはどのような変化があったのでしょうか。

西:コロナ禍で結婚式を実施されたおふたりは、制限がある中でゲストに会えた喜びはひとしおだと思います。 「結婚式をしようと考える人は、 ゲストへのおもてなしを重要」と考えている傾向にあると。新郎新婦とその周囲の人々があたたかい気持ちになれる、満足度の高い結婚式。それこそ、結婚式そもそもの意味、原点回帰なのかもしれません。

マイナビウエディングが2021年に実施した調査でも、2020年7月~2021年6月に実施された結婚式に出席したゲストの8割が「結婚式に参加して良かった」と回答しているんです。結婚式を挙げる側も参列する側も大変だけれど、実際その場にいる人たちは幸福感を強く感じている。そこに結婚式の本質があるように感じます。

  • 結婚・結婚式の実態調査

白石:このような時代だからこそ、本質が見えてきた部分はありますよね。結婚式を挙げる意味や指輪であればプロポーズをする意味など、本質的に重要だと感じている部分はお金を投じてもしっかり啓蒙したいと考えています。 私個人の意見ですが、婚約指輪を贈ってプロポーズする、結婚式を挙げるといったことは夫婦としての絆も強固にしてくれると思っています。結婚にまつわるさまざまな慣習や儀式はきっとふたりの人生をより思い出深くしてくれる。このような節目節目のイベントをポジティブにとらえてもらえるよう、企業としてできることを考えています。

今後のブライダル業界のために必要なこととは

———今後のブライダル業界に必要なこと、求められることについて考えをお聞かせください。

白石:ブライダルに携わっている人間として思うのは、シンプルに「幸せな人を増やしたい」ということ。結婚という流れの中では、ただの「モノ」ではなく、「想い」を形にしているのがブライダルジュエリーです。

たとえば、夫婦生活を続けていく中で喧嘩をしても、指輪を見て、贈られた時の想いを思い出して仲直りしたり。

「プロポーズ」や「結婚式」といった人生の節目を大事にすることで、結果的にふたりのこれからの長い人生に大きな影響を与えていくでしょう。離婚率や少子化の低下にも繋がっていくかもしれない。そんな未来を意識して、これから結婚を考えられる方に「結婚式を挙げる意味」や「指輪を贈る意味」を伝えていくことが大事だと感じています。

ジュエリー、式場、ドレスなど個々の領域ではなく、ブライダル業界全体で流れをつくっていかなければならないと感じています。

  • 対談の様子

西:コロナをきっかけにした生活様式の変化などが顕著な今だからこそ、私達もメディアとしての役割を果たしたいですね。若い世代の価値観がコロナ禍で変化していることが、5年後、10年後どうなっていくのか……。それはまだわかりません。ただ、人との関わりや絆、エモーショナルな側面が抑制されているように感じます。 結婚や結婚式にまつわるさまざまなストーリーを多面的に伝えていく必要があると思っています。

  • 対談の様子

これから結婚を考えている、結婚が決まった方へのメッセージ

———最後にこれから結婚を考えている、あるいは結婚が決まった方へのメッセージをお願いいたします。

白石:コロナの感染対策については万全な策を取ることはもちろん重要。そのうえで、日常を取り戻していくことも必要だと思っています。結婚式というシーンにおいては、まず結婚するふたりが何をしたいのかを優先して考えてほしい。

コロナに対する考え方は人それぞれなのですが、結婚するふたりにとって特別な体験だからこそ、ふたりの希望をカタチにしてほしいと思っています。それが結果として先ほどの話にもありましたが、呼ばれる側のゲストの「参加して良かった」につながると思うので。決してコロナを軽視していませんが、ふたりの想いも大切にしてほしいです。

西:暗いニュースが多い今だからこそ、日本全体が明るく幸せ感を出していかないと、毎日が楽しくないし、希望が見えてこない。生きていくうえで、楽しかったり幸福を感じることのひとつが恋愛であり結婚であると思うので、本プロジェクトでも、ふたりの気持ちが明るくなる、ポジティブな情報を発信していきたいと考えています。

銀座ダイヤモンドシライシ(マイナビウエディング)

エクセルコ ダイヤモンド(マイナビウエディング)

結婚応援PJ

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