2022年4月22日、“データの民主化”をミッションに掲げるJasmy(ジャスミー)は、初めてとなる戦略説明会を開催し、”データの民主化”を実現するための戦略、サービス、テクノロジーを報告した。具体的にどのようなものだろうか。連携企業によるJasmyのサービス、テクノロジーを活用した取り組み事例を含めて戦略説明会の内容を紹介する。

“データの民主化”を目指すためのJasmyの戦略とは?

Jasmyは、独自の発想と最新のブロックチェーン(BC)技術により、IoTから送られるデータをセキュアに効率よくマネージできるIoTにWeb3のテクノロジーを融合させたプラットフォームを開発・提供している企業だ。

戦略説明会は、代表取締役社長佐藤一雅氏による「Jasmyが考えるデータが創る新たな世界とエコシステム」のプレゼンテーションより始まった。まず切り出したのは、”Web3”。つまり、データの中央集権化の問題提起から始まった。膨大な個人情報が1箇所に集中することに多くのユーザが不安を感じており、現時点で個人データを積極的に利用する風潮ではないという。

Jasmyはこの点に注目。自由闊達に自分のデータを安全に使える世の中にすべく、大きく3つの仕組みを構築してきている。その一つは、Personal Data Locker(PDL)だ。個人のデータを個人のものとして管理し、特定のソリューションに提供できる環境を実現することができる。2つ目はSecure PC・Secure Device。個人と企業にとって最も信頼できるデバイスの利用環境の実現だ。そして3つ目がJasmy Data Market Place。個人も企業も安心してデータを利用し、皆が幸せになる社会を目指すことが可能となる。

これによってどのようなエコシステムを形成することができるのだろうか。それは、プラチナデータ構想だ。プラチナデータとは、情報量が小さいが価値の高いデータである。これまでの中央集権的なデータ・マーケットプレイスではビッグデータを利用することでGAFAなどに利益が集中していた。しかし、Jasmyが考えるエコシステムは、大きなデータ・マーケットプレイスではなく、プラチナデータという小さなデータでも始められるもの。個人情報は匿名化されながらも、トレーサビリティーを保ったまま、収集、分析される。これにより地域や小規模な集団においても利益が還元できるという。

では、どのようなテクノロジーを使って実現するのだろう。それは、今回説明会で新たに登場したDD Token、DD Coin、NFTなどのTokenサービス、そして、DD TokenサービスとPDLの連携だ。ちなみに、DDとは、Data Democracyの略。JasmyのTokenサービスによって、個人と企業、コミュニティーによるデータによる経済活動が実現し、その際に必要不可欠となるチケット(DD Token)やポイント(DD Coin)から、デジタル証書(NFT)まで、簡単に発行、提供、循環できる仕組みを提供することができるのだ。そして、JasmyのTokenサービスとPDLとの連携によって、企業のサービスが向上したり、リワードにより個人データの価値が向上したりする未来となるだろう。

“ジャスミーエコシステムとは?

次は、CFO原田浩志氏から「ジャスミーエコシステムについて」というタイトルでプレゼンテーションが行われた。 ジャスミーエコシステムとは、Jasmyのゴールである”データの民主化”を実現し、データの価値を向上させるための仕組み・プラットフォームのこと。このプラットフォーム機能の拡充のために、DD Tokenのテクノロジーを導入。例えば、Jリーグチーム「サガン鳥栖」でも導入されているが、ファンの応援の熱量を資産にでき、NFTを活用したファン会員権、イーサリアム技術やDYNAMIC NFT技術を活用したNFT発行機能、NFTによるチケット発行機能、などのDD Tokenだ。

そして、注目すべきはDD Coin。Jasmyのプラットフォームでは、IoTデータの飛躍的な増加などで大きなトランザクション(コンピュータにおける一連の不可分な情報処理)が想定される。それに対応するために、新しいリワードのシステムDD CoinをJasmyは開発。円貨建のステーブルコインだ。目的は、データを提供する個人に対するリワードとして発行される。Jasmy Coinと換金できる点もメリットだ。法律的にはポイントと同種で、時価評価する必要がない。

しかしながら、DD Coinの従来のポイントシステムとの違いは何だろうか。従来のポイントは、特定の用途しか使われていなかったが、DD Coinは、プラットフォーム内の他のサービスでも利用可能である点だ。また、データの記録についてもデータは従来サーバーに記録されていたが、分散化によりBCに記録できる。企業にとってもサーバー構築・利用コストが不要になるメリットがある。そして、従来データは企業に分析・利用され、個人には帰属されていなかった。しかし、これにより企業がデータ利用する際は、個人にリワードとして還元される仕組みが構築できるのだ。

また、ユーザー数200万人、PDLユーザー数107百万人、DD Coin流通量100億円という3つのKPIも提示された。これを達成することによって、さらに次のステップへの飛躍を目指すという。

ジャスミーサービスについて

次に、取締役兼ソフトウェア開発統括の萩原崇氏から「ジャスミーサービスのご説明」というタイトルでデモを含めながらプレゼンテーションが行われた。まず、Jasmyの独自のコアサービスが紹介された。それは、大きく2つ。データを収集するIoTデバイスをBCに繋げてセキュアにデータを管理利用できる機能であるSG(Smart Guardian)。そして、個人情報をその本人が管理できるSKC(Secure Knowledge Communication)だ。

このSGについて、SGを応用したアプリのSecure PCが紹介された。PCを安心安全に利用できるためのソフトウェアである。3つの機能があり、1つ目は、PCの操作履歴を記録してPCそのものの動きを管理監視するドライブレコーダー。2つ目は、管理者のほうからユーザーの機器をコントロールできるリモートハンドリング。そして、最後が、ゴーストドライブだ。これはデータを守るための機能で、データやフォルダを特定の条件のみに出現させることができる機能である。

さらに、コアサービスのSKCにおけるPDLについて紹介された。PDLはBC技術を用いたオンラインストレージ型のプラットフォーム。データをどう利用するか、どう安全に利用するかがこのPDLだ。PDLはデモンステレーションにおいて詳細な説明が行われた。想定はJasmyコンサート。このコンサートへ入場する前に、PDLへ情報を登録し、NFTチケットを購入しておくというもの。ユーザーのスマートフォンの画面には、PDLに事前に登録したキーワードと2次元バーコードが表示される。後は、コンサート会場でスキャンするだけ。2次元バーコードが読み取られることで、PDLのデータが読み込まれ管理されるのだ。一方で、コンソール画面には、匿名化されたIDなどが表示、管理されている。

もう一つ、紹介されたのはAIエンジンのデモだ。個人の興味関心の情報、位置情報から個人にあったNFTチケットをリコメンデーションすることができる。

Jasmyの導入事例の紹介

ユーザーが旅行に求める真の価値を探求する実証実験

日本旅行の三好一弘氏から、Jasmyと連携による実証実験についてレポートがあった。アフターコロナでは、旅行のニーズや旅行の申し込み方法の変化など旅行産業が大きく変化することが想定される。そのために、旅行に関心のあるユーザー、旅行の情報を発信しているユーザーなどの情報からユーザーが今後の旅行に求める価値をよりマッチングさせたいとしている。

日本旅行が提供することができる価値とユーザーが求める価値が重なる部分をバリュー・プロボジションと定義し、JasmyのPDLやエッジAIを活用して、日本旅行が知り得なかった価値や提供できていなかった価値を新たに提供していくという。

次世代在宅コールセンターの構築

クライアントの「売上拡大」と「コスト最適化」を総合的かつグローバルに支援するアウトソーシングサービスを提供するトランス・コスモスの森紗介氏からは、Jasmyと連携について報告があった。トランス・コスモスは「Jasmy Secure PC forコンタクトセンター」と呼ばれる在宅コンタクトセンターの運用を包括的に解決するアプリケーションを活用している。オペレーターの稼働情報をBCを使った基盤で収集し、閲覧、管理することができるものだ。

今後、さらにリモート、在宅の機会が拡大し、デジタルが進化するほど、セキュリティー対策の面でも高い要求が求められることが予想される。そして、PDLのような概念をユーザーが使おうと持ったときに企業との接点が出てくるため、その接点をトランス・コスモスが牽引できる企業をJasmyとともに目指すという。

サガン・ドリームスとの取り組み

佐賀県鳥栖市をホームタウンとするJリーグチーム「サガン鳥栖」を運営するサガン・ドリームス内田弘氏からは、スポンサー契約金をJasmy Coinで受領したことや独自のファントークンの開発に言及されていた。このファントークンとは、Jasmy×サガン鳥栖のファントークンのことで、NFTを活用したファン会員権だ。選手、チームがファンとともに成長するコミュニティーを目指している。

Jasmy萩原崇氏から、外部のデータの蓄積でNFTを成長させるダイナミックNFTを活用した仕組みのデモも行われた。例えば、スタジアムの来場が5回になったら、ユーザーのステータスを示すコインがブロンズからシルバーへとランクアップするというもの。NFTの機能は変わらないが、表示は変化させることができるというものだ。

Jasmyが変える「未来」

将来の個人情報は、Jasmyのテクノロジーによって、消極的な”守り“の時代から、自由闊達に利活用できる”攻め”の時代に移行するのだろう。そして、この個人情報を起点に所望のリコメンデーションや個人へのリワードとして還元されるTokenによって、ユーザーが本当に欲しいものを効率的に見つけることができ、そして個人が新しい収入源を得ることができるだろう。

さらには、企業とユーザーとが共に協業し合うマーケティング市場になるに違いない。みなさんは、どんな未来を想像されただろうか。

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