「キャリアアップしたい」「もっと評価される会社で働きたい」など、様々な理由で転職を検討される方は少なくないはず。しかし、一方で「転職先の会社でうまくいかなかったらどうしよう」「今の会社以上に自分に合う会社なんてあるのか」といったように、不安を感じている人や、実際に転職活動をしてみたけれど、なかなか自分の思った通りにはいかなかったという人もいるのでは?

そこで今回、3名の転職経験者に集まっていただき、座談会を開催! 実体験をもとに、転職活動にまつわる“あるある”について話を伺いました。

<今回参加してくれた方々はこちら!>

 Sさん(20代)
中小の広告系代理店の広報→IT会社の広報に転職
年収:約1,000万円


 Yさん(30代)
デジタルメディア企業の営業→広告会社の営業に転職
年収:約1,000万円


 Tさん(30代)
戦略コンサルファームのコンサルタント→IT会社の事業責任者に転職
年収:約800万円


  • 左からSさん、Yさん、Tさん

ハイクラス層の転職のきっかけと転職までの流れって?

――まずは皆さんが転職をしようと思ったきっかけについて教えてください。

私は中小規模の広告系代理店でクライアントのPR業務を担当していたのですが、もともとどこかのタイミングで事業会社に転職したいと考えていたんです。新卒で代理店に入って3年くらい経験を積んで、その後規模の大きい事業会社の広報としてキャリアアップするという道筋を描いていました。

私は戦略系のコンサルファームでコンサルタントをしていました。コンサルタントという仕事はプロジェクト単位でクライアントに関わるため、事業を最後まで見届けられないんですね。そうした仕事をしているうちに、ビジネスの結果に責任を持てる仕事がしたいと思うようになり、事業会社への転職を決意しました。

私は以前、デジタルメディアを運営する企業で営業を務めており、営業という仕事自体はとても好きなんです。そのため、外の世界に飛び出して営業としてのスキルを高めたい、もっとチャレンジしたいという思いがありました。また、私にはどうしても関わりたい仕事があり、そのためには転職が必要だったことも大きな動機でしたね。

――皆さん、転職のきっかけは三者三様のようです。実際の転職活動では、どんなことを軸として活動されたのでしょうか。

「自分が成長できること」ですね。その思いもあって、転職先は前職より規模の大きな会社を選びました。

私もSさんに近いです。「自分のやれることを拡張する」ということを軸に転職活動をしました。もうひとつは「転職先の会社に対して、自分が有益なものを提供できること」です。私自身はこれまで営業としてスキルを磨いてきたので、その能力を生かして貢献できる会社にこだわりました。

私が軸としたのは「裁量が持てること」です。先ほどお話しした通り、最終事業成果まで見届けたいという思いがあったので、経営や事業責任者の仕事に魅力を感じていました。ですが、年齢的に大企業の経営や事業責任者になるのはまだ難しいと考えて、エージェントが提案してくれたITベンチャーを選択。現在は希望通り、事業責任者をやらせてもらっています。

――なるほど。皆さん転職の軸を明確にぶらさずに活動されたことで、きちんと希望通りのキャリアをつまれていることが分かります。実際の転職活動はどのようなスケジュールで行いましたか。また、どのような流れで進められたのでしょうか。

活動を始めたのは、大体転職を決める3~4ヵ月前からでしょうか。まずは転職エージェントに登録して、転職先を検討しました。ただ、最終的に決まった会社は、実は前職でお付き合いのある会社で……。会社の雰囲気や魅力も知っていたので、迷いはなかったです。結局、エージェントは通さずにダイレクトで応募して入社したのですが、面接のアドバイスなどエージェントからいただいた情報はとても役立ちました。

私も転職活動期間は3ヵ月ほど。とりあえず転職エージェントに登録したのもSさんと同じです。私の場合は、コンサル出身の転職に特化したエージェントがいて、いろいろ相談したり求人のリストをもらったりしました。そのリストから興味がある会社をピックアップしていって、今の会社を見つけてから1ヵ月くらいで決まりましたよ。

私の場合は、けっこう前から転職を考えて活動はしていたので、転職活動期間は数年単位になりますね。その間に社内異動などでチャレンジできる環境がもらえたこともあって、ずっと転職できていなかったのですが、「もういい加減やらないとな」と思い、転職エージェントに登録したり、先に転職していた先輩の紹介でリファラルを検討したりしました。

――働きながらの転職活動ですが、効率的にやるためにやはりエージェントに登録されることが多いようです。また、皆さんは転職の軸をしっかりされていたこともあり、よりスムーズに転職活動ができていたようにも感じました。

実際どう? 転職活動苦労話とよかった話

――皆さん、転職活動がスムーズに進んだ印象ですが、苦労したことなどはありましたか。

エージェントと会う時間を作るのが大変でした。会社にばれないように……(笑)。

あるあるですね!(笑)

私は営業だったので、それは大丈夫でした(笑)。大変だったのは、誰に相談していいかわからないことでしたね。

よくわかります。私も新卒で入った会社だったので、同期も転職していないし、話せる人が少ないんですよね。そこはエージェントがフォローしてくれて、企業や業界の情報をもらえました。

私の場合はとくに異業種でしたから、エージェントからの情報は助かりましたね。さらに、自分でも業界のビジネス構造を調べたり、PLを見たりと積極的に活動しました。元コンサルとしての職業病かもしれません(笑)。

私の場合は、先に転職していた先輩に話を聞けたのがよかったです。もともとはまったくの異業種を考えていたのですが、先輩から「近い業界でも仕事の幅を広げることはできる」というアドバイスを受けて、視野が広がりました。結果的に、アドバイス通り前職に近い業種の会社を選びました。

――皆さんが転職してよかったことを教えてください。

まずは年収が上がったことです。また、自分の裁量で決められることが多いのもやりがいがあってよかったと感じています。

同じく裁量が持てたことは大きいですね。コンサルのときは自分の仕事がどこまで相手の役に立てているのか実感がわきにくかったのですが、今はBtoCの事業責任者なので、ビジネスがお客さまの役に立っている実感があります。あと、コンサル時代は激務だったのですが、今は労働時間も短くなりワークライフバランスもよくなりました。

転職してよかったのは、まず視野が広がったこと。転職後の仕事は、転職前のときから見るとクライアントだったので、両方の視点で見ながら仕事ができるようになったのはよかったです。また、代理店のときは、当然ですがクライアントに提案することが仕事であり、最終決定まではできません。事業会社に入り最終決定できる側になれたことで、やりがいは増したと思います。

――ちなみに皆さんは、次の転職については検討されているのでしょうか。

そうですね……実は考えていたり。

同じく、転職は検討していますよ。

私もです。次のステップに踏み出したいと思っています。

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3人の転職から見えてきた成功のポイント。自分のキャリアを見失わないように転職の軸を考えたり、選択肢を広げるために誰か相談相手を見つけることも重要になります。今後の転職活動を失敗しないためにも、頼れる相談相手として自分に合った転職エージェントと出会うことも重要になってくるでしょう。 その点を踏まえて、転職活動のアドバイスをお伺いしていきます。

キャリアアドバイザーに聞く! 転職活動の秘訣とは

――ここからは転職支援のプロである転職エージェントのパソナ・金井さんから、再び転職を検討されているという皆さんに向けて、転職活動のアドバイスなどをいただきたいと思います。

松田孝さん
株式会社パソナ 人材紹介事業本部
リクルーティングコンサルタント
金井 篤也(かない あつや)氏

パソナ人材紹介事業本部では、コンシューマー業界を中心としつつ、メディカル業界、ものつくり・電子機器業界、IT業界など様々な業界を経験し、人材紹介事業におけるコンサルタント歴は約20年。これまで6,000名以上のカウンセリング経験を持ち、計600名以上の方の転職成功をサポート。PEファンド、総合商社、コンサルティングファーム、大手消費財メーカーや大手小売業におけるハイクラス求人の獲得及びコンシューマー領域におけるミドル~50代のエグゼクティブ層の方の転職サポートに強みを持つ。

座談会、とても興味深く聞かせていただきました。皆さん、本当にしっかりビジョンを持って転職を成功させていらっしゃいますね。

――今回、お集まりいただいた3名のようにハイクラスな人材が転職活動を行う際に準備すべきことは何でしょうか。

ハイクラスの転職では、ポテンシャルは重視されません。そのため、自分の能力や市場価値を正しく分析しておくことが重要です。転職エージェントなどを活用して、第三者に自身の市場価値を評価してもらうといいでしょう。また、皆さんのように、転職の「軸」を明確化し、自身の今後のビジョンや経歴、強み、弱み、実績も整理しておくのもポイントです。

――転職スケジュールについて注意することはありますか。

現職は続けたまま転職活動を行うことをおすすめします。ハイクラス転職の場合、求人選定や選考プロセスに時間がかかることも少なくありません。条件交渉や退職準備まで考えると、転職活動期間が長期化することもあります。退職してから転職活動を始めると、経済面で不安を感じてしまい、焦って転職先を決めて失敗する可能性もあるので注意しましょう。

POINT1 転職活動を始める際に準備すべきこと

1.転職の目的の明確化とキャリアの棚卸し
2. スケジュールの作成

――ハイクラスの転職活動で重要なことは何でしょうか。

まず、求人情報は募集背景を深く理解することですね。同じ管理職の求人であっても、企業の現状によってハイクラス人材に求める能力が大きく異なりますから。求人の募集背景を深く読み込み、必要とされているスキルや実績をアピールしましょう。

また、非公開求人を活用することも重要です。ハイクラス人材の採用は競合他社に知られないよう「非公開求人」として扱われることがほとんど。非公開求人の情報は転職エージェントを活用することで得られます。

最後に、今の企業で十分な実績を積んでおくことも大切です。ハイクラス転職は、大勢の優秀な人材と競合します。現職で十分な実績を積み、ほかの人材に負けない強みを蓄積することがハイクラス転職成功の鍵となります。

POINT2 ハイクラスの転職活動において重要なこと

1.求人情報の募集背景を深く理解する
2.非公開求人を活用する
3.今の企業で十分な実績を積んでおく

――パソナのサービスや、キャリアアドバイザーとしての金井様のこだわりについて教えてください。

パソナの人材紹介事業部は、ハイクラス転職に強みを持った転職エージェントです。ハイクラス求人の転職に特化した専任のコンサルタントが転職活動のサポートを行い、各ポジションに求められる役割や募集背景、組織構成など重要な情報を豊富に提供します。

また、当社の強みのひとつが「パソナプラチナオファー」です。求人企業を熟知した弊社企業担当がご経歴やスキルを拝見し、とくにマッチ度の高い求人をご案内します。日頃の情報収集では得るのが難しい非公開求人のご紹介も可能です。

私自身は、「信頼」をベースとして、その方のキャリア構築に中長期的に関わっていきたいと考えています。ハイクラス人材のたくさんの成功事例を見てきましたが、逆に失敗も見てきました。私は「転職希望者の方に幸せな人生を送っていただきたい」という強い想いをベースに仕事をしています。ですから、転職で失敗させるわけにはいかないのです。

そのためには私たち転職エージェント自身が、「木を見て森を見ず」という言葉の様に、世のなかに対して視野が狭ければ、幸せな人生につながる正しい転職へ導く事はできないと思っています。常にグローバル(世界経済のファンダメンタルズ)を理解しつつ、国内経済及び各イダストリーや各企業に対するリサーチや勉強に日々努めています。

――これから転職活動を始める方に向けてメッセージをお願いします。

直近の世界経済の急激な変化や、日本国内では明治維新や戦後と並ぶ大きな変革期(脱炭素・DX・少子高齢化)を迎えています。もはや大企業に所属して安心という時代ではなく、各個人が自立できるスキルやキャリア、そしてパーパスやビジョンを持って生き抜いていかなければなりません。

こうした時代背景から、転職エージェントの社会的使命も強くなっていると感じています。転職希望者の方が幸せな人生につながる転職ができるよう、一緒に伴走していければと考えております。みなさまがご相談にいらっしゃるのをお待ちしております。

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心強いキャリアアドバイザーがカウンセリングしてくれる、ハイキャリア転職エージェントのパソナ。あなたの転職活動にも、真摯に寄り添ってくれるはずです。今後のあなたの人生の転機になるであろう転職について、ハイキャリア転職エージェントのパソナに相談してみてはいかがでしょうか?

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