このたび白鴎大学経営学部と連携し、学校向けクレジット教育用視聴覚教材『風の惑星GALE』を制作しました。高等学校や中学校等から多数の申込みをいただき先生方からも好評をいただいています。

 当協会の広報・啓発部会、消費者部会の部会長をお務めいただいている同大学大学院経営学研究科長の市川千秋教授に、教育現場で学生に接している立場から、若年者への消費者教育の重要性についてお話を伺いました。

市川 千秋(いちかわ・ちあき) 昭和24年9月13日生
 昭和48年 3月 早稲田大学商学部卒業
 昭和50年 3月 早稲田大学大学院商学研究科修士課程修了
 昭和54年 3月 早稲田大学大学院商学研究科博士課程修了
 昭和56年 9月 白鴎女子短期大学講師
 昭和62年 4月 白鴎大学経営学部講師
 平成2年 4月 白鴎大学経営学部助教授
 平成2年 4月 白鴎大学経営学部助教授
 平成8年 4月 白鴎大学経営学部教授
 平成8年 4月 白鴎大学経営学部教授
 平成22年 4月 白鴎大学大学院経営学研究科長
           (現在に至る)

【公職】
 平成4年4月~平成13年3月
 経済産業省 割賦販売審議会 委員
 平成24年4月~28年6月
 日本クレジットカウンセリング協会 評議員
【日本クレジット産業協会】(日本クレジット協会の前身)
 クレジット白書編纂室 委員
 クレジット研究所 特別研究員
【日本クレジット協会】
 平成21年4月~平成21年9月
 消費者・広報部会 部会長
 平成21年10月~ 広報・啓発部会 部会長
 平成21年10月~ 消費者部会 部会長                     などを歴任

野口 香織(のぐち・かおり)
 北海道出身。小樽商科大学商学部商業教員養成課程卒業。NHK帯広放送局、NHK札幌放送局の契約アナウンサーを経て、その後フリーアナウンサーとなる。NHK総合「土曜スタジオパーク」「おはよう日本」などに出演。そのほかラジオ、WEB、CM、ナレーションと幅広い媒体でもキャスター・リポーターを務めている。趣味は着物を着ること、おいしい珈琲を入れること。

情報化社会の中で学生の契約意識が育まれている

野口:日頃、大学生や大学院生に接することが多い先生から見て、最近の大学生の消費意識や契約意識等についてどのようにお感じになっていますか?

市川:最近の大学生、現在20歳前後の人たちは、子供の頃から家にパソコンはあるし、親も携帯やスマートフォンを持っていて、年少期から情報機器に接触し、ネットの中で、見えない第三者、他者の存在を早くから感知しています。
 また、情報機器に関しての保護者や小中学校での指導、自らも「LINE」等のスマートフォンアプリを利用することなどからの経験の蓄積や自己学習もあって、「人に迷惑をかけてはいけない」「人を騙してはいけない」など、最低限のルールは自然と身につけているのではないかと思います。少し前の世代の学生に比べて、情報化社会の中で「約束の大切さ」「契約の重さ」についての理解・認識が育ってきていると思っています。
 消費意識については、私の大学は北関東の地方都市(栃木県小山市)で堅実な土地柄にあることから、大都市ほどは消費社会からの刺激が強くはなく、地味な学生が多いようです。アルバイトをしている学生も多く、時給は以前よりは増えていると思いますが、派手にお金を使っているようにも見えません。

また、自動車なども以前ほどは欲しがらず、地味目に暮らしているようです。男女とも希望する就職先は大都市ではなく、地元か近隣の県を望む学生がほとんどです。
 学生たちの自己表現は消費を通じてではなく、ゼミや少人数クラスでの発表(最近ではアクティブラーニングや参加型の授業が多くあります)、LINEでのやりとり、インスタ映えのする写真、気の置けない友人たちとの飲み会等、日常生活で友人からの賛同・共感、なにげない繋がりで満足を得ようとしているようにみえます。今、学生達にとって、消費は自己表現の手段ではなくなってきているように感じます。ただし、将来へ漠然とした不安は以前の学生よりも強くなっているようです。