いよいよ2015年も終わり。家庭における年末の一大イベントといえば、やっぱり大掃除! マイナビでは、水回りのお悩みについてマイナビニュース会員にアンケートを実施。中でも、一日のうちで最も使用頻度の高いキッチンは、水垢や油汚れなどなかなかの強敵ぞろいで、アンケートでも特に悩んでいる方が多い様子。そこで、キッチン周りの掃除で気をつけるポイントと実践法を、お掃除のプロであるマスターライフオーガナイザー 木村由依さんにお話をうかがった。
知っておきたい“お掃除の心得”
まず実践に入る前に、お掃除をする上での心得を木村さんに教えていただこう。
「お掃除には“準備”が必要です。汚れを前にすぐ洗剤をかけてしまう人もいるかもしれませんが、まずは、目の前の汚れを取るにはどういう段取りが必要かを考えましょう。
例えるならお掃除はゲームの闘いやスポーツの試合のようなもの。敵となる汚れの性質と弱点を知ることが大切なのです。その敵に対し、自分はどんなアイテムやメンバーで挑むべきか作戦を立てることも重要です。
その作戦が功を奏すれば、時短につながったり、労力の軽減にもなりますよね。作戦をしっかり組んでおけば、シミュレーションの段階でその闘いに勝ったも同然。ルールをしっかりと理解し、作戦を立てることがお掃除には必要不可欠なんです」と木村さんは語った。
さらに、アンケートでは「汚れがつかないようにするにはどうしたらいいか?」という質問が目立ったものの、「生活をする上では、その答えはないに等しいですね」と木村さん。ただし“キレイさを保つ状態”についてはこんなアドバイスが。「油分を残すことが、次の汚れを増やしていくことにつながります。つきたての汚れは取れやすいので、その日のうちにさっと落とし、拭いておきましょう。テーブルも水拭きだけだと、乾燥した時に水分だけ蒸発して、小さな油の粒子だけが残ります。すると、テーブルが曇ってしまい、次の汚れを呼びやすくなるんです。キレイさを維持しようと思ったら、拭いた後にカラ拭きして、水分も油分も取り除いておくのをオススメします」。
排水口の掃除には“洗剤の節約”を意識しよう
では早速、“試合”に挑みましょう! 今回はお掃除グッズを豊富に取り扱っている、東急ハンズで商品をいくつかピックアップ。水垢や油汚れに効果的な商品とは、どのようなものがあるのかも興味深いところだ。
まずは「日頃掃除していても、なかなかキレイにしづらいところはどこですか?」という質問で上位を占めた「排水口」、「ガス台、グリル」、「流し台、シンク」の3つを重点的にお掃除していきます。
アンケートのフリー回答でも「汚くて普段触りたくないから」(男性・28歳・電力・ガス・石油)、「奥まで手を突っ込まないといけないから」(女性・29歳・医薬品・化粧品)、「毎日やってもヌメヌメする」(女性・29歳・食品・飲料)など一番お悩みの多かった、排水口。
排水口の汚れは見た目がちょっとグロテスクなので、お掃除にひるんでしまう人も少なくないのでは?
「排水口対策は、決して難しくはありません。まずは、水を流しながらブラシでこすって汚れの種類を確かめます。汚れがベタベタなら油汚れ、固ければカルキ汚れ、と判断し、それぞれの汚れに合ったお掃除グッズを選びます」と木村さん。
なるほど、水とブラシだけである程度の汚れを落とすことができれば、洗剤の節約にもなりそうだ。そして排水口の先に潜むパイプ汚れを前に、ここでようやく洗剤の出番。今回準備した洗剤は「お願いだからほっといて!! 流し台・排水管用」と「排水管5連でスッキリ パイプ職人」の2点。「お願いだからほっといて!! 流し台・排水管用」は文字通り、排水口や三角コーナーに直接注いて置いておくだけで汚れが除去できる優れもの。「BN菌がヌメリや油汚れを分解してくれるので、放っておいてこそ、初めて効果が出るんです。だから忙しい人にはうれしいグッズかもしれませんね」。
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次にガス台やグリル。何と言っても大敵は油汚れで、アンケートでも「少し気を抜くとすぐ油でギトギトになる」(男性・28歳・情報・IT)、「焦げ付きが取れない」(女性・33歳・その他)といった意見が多数寄せられました。最初にグリルのフタを分解したら、お掃除スタート!
木村さんが使ったのは「瞬間油汚れ洗剤 なまはげ」と、「パルスイクロス」、お掃除用の“はけ”。しつこい油汚れには、ついつい固めのスポンジやタワシで力を入れてゴシゴシしたくなりがちだが……。
「油汚れを取るコツは、スプレーを汚れに吹きかけたら、はけを使って洗剤を塗り広げます。こうすればちょっとの洗剤の量で“つけ置き”ができます。お化粧のパックする感覚にも近いですね。次に、固めのブラシで汚れをほぐしていくと、私の手の力ではなく、洗剤の力で汚れがどんどん浮いていきますよ」。その後、洗剤と汚れをぬらしたパルスイクロスでサッと拭きとります。水分の残りが気になる様であればカラ拭きを。
簡単に汚れが落ち、ピカピカになる過程を目の当たりにした編集スタッフは、口をそろえて「家に帰って掃除がしたい!」と大興奮。「これが汚れのつきにくい仕組みづくり。お掃除は、汚れを取るのがゴールではなく、きちんと水分も拭取り、シンクや流し台を輝かせることがゴールなんです」と木村さん。
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