目上の人と話せない、会話が空回りする、後輩に注意ができない……。 そんな若手社会人たちのお悩みを、マナー講師の三上ナナエさんが鮮やかに解決。学生のみなさん、人とのコミュニケーションがぐんと円滑になる「気遣い」や「会話スキル」、 社会人になる前に知っておきましょう!

【参加メンバー】写真右から、山本さん(22歳・制作)、三上さん(マナー講師)、鈴井さん(27歳・企画営業)、川野さん(25歳・WEB編集)、竹下さん(26歳・広告営業)

「受け止める」ことが第一歩!

「なるほど」は上から目線?

山本:この春に入社したのですが、仕事の会話でつい「なるほど」を連発してしまいます。話をよく理解していないのに「あーなるほど」と分かったふりをしてしまったり……。

三上:「なるほど」はもともと「相手を評価する」ニュアンスを含んだ言葉ですので、機械的に発するとどうしても「上から目線」な感じになってしまうんですよね。 竹下:僕もクライアントや上司に対して使ってしまい「失礼かな?」と思うことがよくあります。

三上:素直に相手の話が「凄い」と感嘆したときの「なるほど!」は良いと思います。ただどんな場合でも3回連続して同じ言葉を使うと、相手の「ほんとに聞いてるの?」スイッチが入ってしまうといわれるので、臨機応変に変えたいですね。

山本:なるほど~! あ、また使っちゃいました! 失礼にならない相づちはありますか……?

三上:(笑)。相づちに困ったら「○○で、○○なんですね?」と、相手の言葉をそのまま復唱するのがおすすめ。 会話ではまず「あなたの言葉を受け止めました」と表現するのがコミュニケーションとして大事ですから。また、新入社員であれば会話が一部理解できなくても恥ずかしいことはありません。むしろ会議などでは下の人が率先して「これは○○で間違いありませんよね?」と確認するのが、その場に最も貢献できることだと思います。

「同感」ではなく「共感」にする

川野:相づちといえば、最近先輩が私の好きな上司の愚痴を言うので反応に困っています。先輩の顔もつぶしたくないですし……。

三上:先輩を否定したくない場合「確かに」という言葉を返しがちですけど、それはNG。先輩への「迎合」は、上司の悪口を肯定することになってしまいますね。この場合は肯定も否定もせず、ただ先輩に「共感」して受け止めてあげるのが大事。「そうですね」という同意ではなく「そんなことがあったんですね」と、現象に対してだけ言葉にします。川野さんが「受け止めてくれる」と感じるだけで、先輩の感情は和らぐでしょう。

「あなた」より「私」を主語にすると伝わる!

恋愛にも最適?「Iメッセージ」とは

鈴井:私は後輩に「こうした方が良い」と思ってもなかなか言えないタイプ。相手の心を折らないように伝えるにはどうすればいいですか?

三上:「私(I)」が主語のものを「Iメッセージ」、「あなた(You)」が主語のものを「Youメッセージ」といいます。前者は「私はこう感じる」、後者は「あなたはこうだ」という言い方のことです。相手がより受け止めやすくインパクトもあるのは「Iメッセージ」なんです。たとえば「あなたは時間を守れない」「あなたはやる気がない」では後輩は反発したり、傷ついたりする。でも「遅刻は心配だから電話して」「私にはやる気がないように見えるよ」だと受け止めざるを得ないし、同時に愛情も伝わりますよね。

鈴井:それって絶対、恋愛にも使えます! ケンカしたときも相手を責めると意地になるけど、どんなに心配で、悲しいかを伝えれば素直に反省してくれそう(笑)。

「どう見えるか」でマナーを伝えよう

竹下:たとえば後輩が挨拶をおろそかにしたとか話を聞いてないという場合でも「それ俺に対して失礼じゃない?」と自分で言うのは抵抗ありますね。注意点を指摘はしたいのですが。

三上:マナーのように当たり前のことを苦言するのは難しいですね。でも本人は気づいていないだけで、悪気がないことも多いんです。
そのときもやはり「なぜしないのか」と問い詰めるのではなく、「何か悩んでる?」「元気がなく見えるよ?」など、外から見てどう感じるかを伝えるといいですね。そうすることで、自分の態度がおかしかったかもしれないと気付かせることができるはずです。

「答えやすい質問」が会話をスムーズに!

相手の情報を仕入て誠意を伝える

鈴井:初対面のクライアントが威圧的だったりするとすごく緊張します。アイスブレイクのコツってありますか?

三上:先方がどんな理念の会社か、どんな社会貢献をしているか、あるいはその会社の近所のお店のことでもいい。できるだけ情報を仕入れて臨むことです。「御社は○○をされたのですね?」「すぐ近くの○○のラーメンは人気なんですよね」など、相手が答えやすい会話を準備しましょう。「この人は自分たちのことを一生懸命考えてくれている」と誠意が伝われば、自ずとコミュニケーションも円滑になるはずです。

川野:人と自信を持って会話するためには、常に動いて情報をインプットすることが重要なんですね。

就活中の学生にも有効!

三上:社会人はもちろん、これから就活をする学生にも、常に意識して興味のあることにアンテナを立てておくことをおすすめしたいです。周囲で起きた出来事に対して自分なりに考察し、次はこうしようと考える癖をつけること。そうすれば面接の会話でも、自分の引き出しから「生きた言葉」を取り出せますよ。面接官に「この人は常に自分の頭で考えているな」と思わせることができるでしょう。

竹下:最後に会話のコミュニケーションで悩んでいるすべての人にエールをお願いします。

三上:人と円滑に付き合うには、怖がらずに一歩を踏み出すことが何より大事。相手の反応が悪かったら、角度を変えてまたアプローチすればいいのです。どんなに「思い」があっても伝えなければ、それはないのと同じこと。小さな勇気とちょっとしたノウハウで、誰でも魅力的な会話のできる人になれます。がんばってください!


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INFORMATION

株式会社すばる舎は、「常に挑戦する出版社」を理念として、脳みそに汗して考え、突き進む集団でありたいと考えている出版社です。ビジネス書・語学書・資格書・自己啓発書・一般書など年間約100点を出版しています。

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