――ファンの間では、「ファーストガンダム」といわれている『機動戦士ガンダム』が初めてTVに登場したのは、1979年のこと。放送終了後、ガンプラが発売されて、人気が爆発。繰り返し再放送されるたびに、大勢のファンを獲得し、社会現象にまでなりました。当時、小学生だった40歳代のおふたりから、ガンダムの魅力と思い出をたっぷり語っていただこうと思います。
Aさん:40歳代、男性、メーカー勤務。ガンダムとの初めての出会いは小学5年生の時。野球とアニメしか娯楽のない北海道の田舎町で育つ。子供をジオン派に育てようと画策中 |
Hさん:40歳代、男性、IT企業勤務。筑波出身。ガンプラと出会った小学3年生の頃からのガンダムファン。趣味は、ガンダム仲間と飲みながら、名シーンについて語り合うこと |
――ガンダムに初めて出会ったときの衝撃は、どのようなものでしたか?
Aさん:正直言うと、衝撃ってのはなかったんですよ。だって、「ガンダムやるぞ!」って始まったわけじゃなかったから。土曜日の夕方にやってたのを、なんとなく見てて、見てるうちに、他のアニメとはなんだか違うぞ…って、のめりこんでいったんですよ。
Hさん:ぼくが本格的にガンダムにハマったのは、ガンプラが出てから。再放送で必死で見てました。最初の放送も見てたんだけど、まだ小学2年生だったから、そんなによくわかってなかったかな。でも、話題になってたから、みんな見てたなあ。
Aさん:田舎だから他に話題もなくて、いつもガンダムの話をしてた気がしますね。月曜日に学校に行ったら、「ガンダム見た?」が挨拶代わりでしたね。
「小学生の頃は、いつも学校でガンダムの話をしてました。月曜日に学校に行ったら、ガンダム見た?が挨拶代わりでしたね」
――当時はまだ家庭用ビデオデッキもありませんでしたから、放送されている時に見なければいけなかったんですね?
Hさん:土曜日の夕方になると、「ごめん、ガンダムあるから帰る」って感じでしたね(笑)
Aさん:ぼくはいつも録音してましたね、カセットテープで。録音ですよ、録画じゃなくて(笑)。今も実家の押入れにいっぱいあります。録音する時に、妹がジャマして、キャハハハとかわざと笑ったりするんですよ。それをぼくが怒って泣かせたりしてるのまで録音されてますよ。
Hさん:知恵がついてくると、ケーブルでつなげばいいって気付くんですよね。
Aさん:そうそう。子供だからそんなこと知らなくて、「録音中は静かにして!」って家族にお願いしてましたね。
――特別に思いいれのあるキャラはいますか?
Aさん:アムロやシャアはもちろん好きですけど、ぼくはね、カイ・シデンが一番好きなんですよ。不良っぽくて、皮肉屋で、スネたところがあるんですが、成長していくんですよ。軽薄キャラがマジになっていくところにすごく共感できた。
Hさん:第2話で、セイラさんに平手打ちされますよね。「それでも男ですか!軟弱者!」 「そんな不良みたいな口の利き方、おやめなさい」って。
Aさん:セイラさんにぶたれるのもうらやましかった(笑)
Hさん:ぼくはあんまり好きなキャラクターってないんですよ。強いていうなら、全員好きなんですよ。みんな個性があって、なんらかの物語を背負っている。家族のことだったり、片思いだったり、闘うのが怖いとか、いろいろ。それでガンダムの物語全体が分厚くなってるんですよね。
Aさん:小学生の頃には気付かなかったけど、それこそガンダムが30年以上も愛され続けている理由なんですよね。
Hさん:見直せば、見直すたびに、新しい発見がありますね。歳を取ったからわかるっていうか、自分自身の成熟のバロメーターみたいな感じがします。
――年齢に合わせてわかってくるものがある、その深みがガンダムの魅力なわけですね。それでは、お好きなシーンをうかがいたいのですが、大人だからこそわかる名シーンを教えてください。
Aさん:すごく地味な場面なんですけど… サイド7から地球に向かう途中で民間人を乗せるんですね。アムロはパイロットなので、食事もいいものをもらってるんです。その描写だけでもリアルだなあって思うんですけど。避難民とかみんなお腹を空かせていて、おじいちゃんが隣の子供のパンをこっそり盗って食べるんです。子供のパンをですよ。衝撃を受けましたね。人間のリアルを描くってこういうことなんだって。
Hさん:そういうことなら、ぼくが一番衝撃を受けたのは、アムロが父親と再会する場面ですね。父親のテム・レイは第1話でスペースコロニーから宇宙に吸い出されてしまうんです。その時に酸素欠乏症になりまして、脳がやられてしまってるんですね。せっかく父親と再会したのに、言ってることがおかしくって、しっちゃかめっちゃかなんですよ。「父親ってこうあってほしいよね」ってイメージが完全に崩されるわけです。怖くて、トラウマになりましたね(笑)。
Aさん:そんなアムロにとって、目指す存在というか、精神的に父親代わりになるのが ランバ・ラルですね。ランバ・ラルの自爆シーンも印象に残ってますね。
Hさん:「君たちは立派に戦ってきた・・・・・・だが、兵士のさだめがどういうものかよく見ておくのだな! 」ですね。ホワイトベースを乗っ取ろうとして失敗、手榴弾で自決するんですよね。
Aさん:壮絶な最後でしたね。
――機動戦士ガンダムといえばモビルスーツ戦が魅力のひとつですが、子供心に「カッコイイ!」と思った戦闘シーンはありますか?
Aさん:いっぱいありますよ。特に好きなのは、セイラさんがGアーマーでリック・ドムを倒すシーン。Gアーマーってガンダムを戦闘機形態にしたものなんですけど、機体をこう、ぐぐっと縦にして、リック・ドムの攻撃をかわしながら撃つんですよ。このシーンの無重力感はまったく新しいものでしたね。
Hさん:ぼくは、なんといっても、ラストシューティング。最後の最後ですよ。シャアの乗るジオングとガンダムの一騎打ち。アムロは脱出するんですけど、ガンダムはオートパイロットでジオングの頭に激突! 首と左腕がもげたガンダムが地面を踏みしめて、空に向かってビームライフルを放ちます。このポーズをラストシューティングって呼ぶんですけど、本当にかっこいい! 掃除の時間とかに、いつもホウキで真似してましたよ。
――8月28日に、豪華特典満載の『機動戦士ガンダム Bluray メモリアルボックス』がついに発売されるのですが、期待のほどはいかがですか?
Aさん:これは楽しみですよ~。特典がたっぷりすぎて、どこから手をつけていいのやら…。いい画質で子供に見せてあげられるのもうれしいですね。うちの子は小学4年生なんですけど、クラスメイトも親がガンダム好きな世代なので、だいたい見てるんですよ。友達ともよくガンダムの話をするらしいですよ。
30年以上も前に社会現象になったその頃の雰囲気から、大人になって初めてわかる魅力まで、あらためた機動戦士ガンダムのおもしろさを教えていただきました。ちなみにおふたりは、すっかり意気投合し、「続きを話しましょうよ」と、飲みに行きました。初対面の大人が仲良くなれる、それもまたガンダムの力なのではないでしょうか。
(マイナビニュース広告企画)
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