読書家のための「ポケット本棚」を実現

Readerは、ほぼ文庫サイズといえる5型の「Reader Pocket Edition(リーダーポケットエディション) PRS-350」(予想実勢価格2万円前後)と6型の「Reader Touch Edition(リーダータッチエディション) PRS-650」(予想実勢価格2万5千円前後)が発売される。それぞれ内蔵メモリ(2GB)に約1,400冊の本を保存できることが「もっとも大きなセールスポイント」(同)で、毎月3冊購入していくとすると38年分の本になる。「まさに読書家が夢見るポケットに本棚を実現していきたい」(同)。

実際に、5型Readerはほぼ文庫サイズと十分な携帯性を確保し、長時間スタミナも実現している。1回の充電で300ページの本30冊相当となるページ数を表示でき、典型的な読書パターンであれば2週間の電池寿命があるという。

左が5型の「Reader Pocket Edition」、右が6型の「Reader Touch Edition」

一般的な文庫本との比較。5型Readerならほぼ同サイズ

重さも文庫本相当

6型の場合、新書相当の重さ

スタミナ性能も高い

電子ペーパーで「読みやすさ」を実現

たくさんの本を持ち歩ける、蔵書が場所をとらない……そんな電子書籍に対する期待がある一方、抵抗感を示す声も聞かれるという。「読み心地」(同)にかかわる懸念が目立ち、「文字を読むのが疲れる」「紙で読む習慣が付いている」といった回答が多かったそうだ。

電子書籍への抵抗感は、紙の本と同等の読み心地を求めていることの裏返し

Readerは、「ナノレベルの白黒顔料により、高コントラスト」(同)を実現。紙と同じ光の反射で表示をしてバックライトを使わない電子ペーパーはメリットが大きく、目に優しく、明るい屋外でも見やすい。逆に、暗い場所では紙の本と同じく読めなくなるので、ブックライトなどが必要になってくる。

電子ペーパーを採用したことで、高コントラストで目に優しい

本体のデザインにも配慮し、持つ喜びを実感できるようにした

タッチパネルを採用したことで、実際の本と同様に指で触れてページをめくることができる。通常のタッチパネルはディスプレイにタッチ層を追加しているため、ディスプレイの画質に多少の影響があるが、それを避けるためにReaderでは、画面の側面にセンサーを設置した光学式を採用している。

Readerでデジタル読書の流れをチェック

Readerに保存した書籍は、画面上のアイコンから選択し、後は画面をタッチしていくことで読み進められる。本体右上にはスタイラスペンが搭載されており、これを使って本の気になった場所にメモを書き込むこともできる。辞書機能も内蔵しており、分からない単語を検索するといったことも可能だ。

本の一覧から選択すると、読み途中のページから読み進められる

紙と同じ見栄えで目が疲れない電子ペーパー。ページ送りなどのたびに画面が書き換えられ、独特の動作をするが、ページ送りの速度はそれほど違和感がなく、すぐに書き換えられる

文字サイズを最小サイズにしたところ

こちらは最大サイズ

写真や音楽(6型のタッチエディションのみ)もサポートしており、手書きメモを書くこともできる

「Reader Pocket Edition」は、PCと接続するマイクロUSB端子のみを備える

「Reader Touch Edition」はメモリースティック PRO デュオ、SDカードスロットも備える

「Reader Touch Edition」の上部。ボリュームキーやイヤホンジャックを搭載

設定画面。画面の回転方向やユーザー辞書、ページめくりの動作などが設定できる

アクセサリーも用意する

「Reader Pocket Edition」用のブックカバー型ケース

タッチエディション用のブックカバー型ケース

両モデル対応のケース

ライト付きのブックカバーも用意される。電子ペーパーはバックライトがないため、暗所では紙と同様に読むことができない。そのため、ライトを付けて暗所でも読書できるようにしたカバー


米Sony Electronicsのシニアシニア・バイス・プレジデント野口不二夫氏は、Readerの強みとして、「電子書籍端末を利用する時間の96%は本を読む時間なので、いかに本を読みやすくするか、そのUIを良くするか」に注力した点を挙げる。コンテンツ配信に関しては、「さまざまなレコメンド機能や魅力的なコンテンツの提供で、お客様に楽しんでもらえるようなサービスを展開していきたい」と考えだ。

「本を読むことの楽しみをいっそう広げていくために、本気で電子書籍ビジネスに取り組んでいく」と栗田社長は意気込んでいる。