魅力的な観光都市、北京

ソウル以来、20 年ぶりのアジアでの夏季五輪。北京五輪をテレビ観戦で楽しむ人も、国家体育場、通称「鳥の巣」、国家水泳センター、通称「水立方」など、北京五輪の舞台を一目見たいという人は多いだろう。「鳥の巣」や「水立方」はこれからも、北京観光でははずせない有名観光スポットであり続けるだろう。

北京は万里の長城や故宮博物院、天壇公園など世界遺産が6つもある世界的な観光都市でもある。世界遺産に加え、本場の中華料理を味わうこともでき、さらに五輪の舞台となった「鳥の巣」や「水立方」をはじめとするスポーツ施設も加われば、観光都市としての魅力はさらにアップするのではないだろうか。それに、なんといっても北京は近い。フライト時間は東京(成田)、大阪(関空)からどちらも約3時間半。時差は−1時間(日本時間より1時間遅れ)と日本とあまり変わらない。週末をはさんで2泊3日くらいで行くのにぴったりだ。

この機会に北京の旅を目指して、お金を貯めるのもいいけれども、お金の代りにマイルを貯め、マイレージプログラムの特典航空券を使って無料(一部の航空会社をのぞいて燃油特別付加運賃や空港使用料、税金などは要負担)で行くのはいかがだろうか?

進化し続けるマイレージプログラム

マイレージプログラムは飛行機に搭乗したときなどに飛行距離に応じて付与されるマイルを貯めてさまざまな特典を受けられる一種のポイントサービス。世界のおもな航空会社のほとんどがこのマイレージプログラムを提供している。マイレージプログラムのここ数年の進化は目覚ましく、少し前よりもマイルは格段に貯めやすくなっている。日本ではANAの「ANAマイレージクラブ」、JALの「JALマイレージバンク」で貯めている人が多いが、どちらも甲乙つけがたいほど、使い勝手が向上している。

また世界のおもな航空会社は3大航空会社連合の各陣営に分かれて、互いに提携しているが、ANAはスターアライアンス、JALはワンワールドに加盟し、その陣営に属する航空会社の飛行機に搭乗したときでもそれぞれのマイレージプログラムのマイルを貯めることができる。

それぞれの陣営以外でも独自に提携している航空会社もある。たとえば格安航空券やパックツアーで、会員になっているマイレージプログラムの航空会社以外の飛行機を利用しても、提携航空会社なら自分が会員になっているマイレージのマイルに加算できる。JALは2007年4月にワンワールドに正式加盟、提携航空会社が拡大、ANAも2008年7月からエジプト航空と提携するなど、増えている。このように格安航空券やパックツアーでANAやJAL以外の航空会社を使うときでも、マイルが貯めやすくなっている。もちろん、マイルを貯めるときだけでなく、貯めたマイルを使うときも提携航空会社の特典航空券を利用できるというメリットもある。

貯めたマイルは特典航空券と交換するほか、アップグレード特典でエコノミークラスからビジネスに移行する、また貯まったマイルをほかのクレジットカードのポイントに移行することも可能。電子マネーのチャージに利用することもできる。

本気で貯めるならクレジットカード機能付き

ANA三井住友VISAカード

本気でマイルを貯めようという人はクレジットカード機能付きの会員カードがオススメだ。いずれも年会費の必要な有料カードだが、マイルは格段に貯まりやすくなる。初年度年会費無料などキャンペーン期間中に入会すれば、おトクだ。

たとえばANAカード一般カードの場合、VISA、マスター、JCBが選択でき、年会費はいずれも2,100円(税込み、2009年3月31日まで初年度年会費無料)、入会、継続時に1,000マイル加算され、搭乗ごとに区間マイル数の10%が加算される。

クレジットカード機能で毎日のスーパーの買い物から公共料金や携帯電話の支払いまで、カードで支払えばカードのポイントがどんどん貯まるが、そのポイントはマイルに移行できる。移行換算率はANA VISAとANAマスターは10マイルコースの場合、利用金額1,000円につき1ポイント(1ポイント=10マイル)、5マイルコースの場合、利用金額1,000円につき1ポイント(1ポイント=5マイル)。ただし、10マイルコースは年度ごとに移行手数料6,300円が必要となる。

たとえば買い物と公共料金、携帯電話の支払いで毎月10万円、年間120万円利用した場合、JCB ANAカードでは1万2,000マイル貯めることができる。これだけで、国内線の東京~大阪往復などや、ローシーズンの東京~ソウル間往復の特典航空券に交換できるので、年会費や移行手数料のモトを十分とれることになる。

出張などでフライトマイル(飛行機搭乗で付与されるマイル)があれば、北京行き(東京発レギュラーシーズン2万マイル)も無理なく貯められだろう。

JALカードはJAL・VISAカード / JALマスターカード/ JAL ・JCBカード/ JALカードOPクレジット(小田急電鉄) / JALカードTOP&ClubQ(東急電鉄) / JALカードSuica(JR東日本)などのラインナップがそろっている。JALカードには家族のマイルを合算して貯めるプログラムがあるので、家族そろって旅行や帰省でJALや提携航空会社を利用する人は、ぐんと貯めやすくなる。

電子マネー機能でさらにおトクに!

最近のマイレージはICチップを搭載した会員カードを発行し、電子マネー機能を強化している。ANAのEdy機能付きのANAマイレージEdyカード(年会費無料、カード発行手数料500円、2009年3月31日まで無料)ではEdyの利用200円ごとに1マイルが貯まる。

Edyはコンビニのファミリーマートやam./pmなどで使える。毎月1万円をこれらのコンビニで使えば、毎月50マイル、年間600マイルが貯まる。コンビニのam/pmなら2008年5月1日から「Edyマイルプラス」で200円ごとに2マイル貯まるキャンペーンを実施中なので、2倍貯めることができる。ANAカードは全カード、Edy機能がついている。

JALでは電子マネー機能を備えたJMB WAONカードがあり、ジャスコやコンビニのミニストップなど加盟店での買い物で200円ごとに1マイルが貯まる。すでにJALカードを持っている人も共通のお得意様番号でWAONカードとJALカードの併用でマイルを貯めることができる。WAONカードと一体となったJMB WAONカードなら、1枚でショッピングとWAONの両方でマイルを貯めることができる。

会員カードはICカードタイプで、電子マネー機能のほか、飛行機を利用するときもチケットレスで搭乗できたり、モバイルからチェックインができたり、たいへん便利。携帯電話各社のおサイフケータイにも対応している。

北京五輪の次は2010年のバンクーバー冬季五輪、2012年のロンドン夏季五輪と続く。次のオリンピックまでにマイレージはどこまで進化しているのだろうか?

丸田潔(マルタキヨシ)

1952年東京都生まれ。76年早稲田大学文学部卒業。編集プロダクション勤務を経て90年フリーに。マネーライターとして生活情報誌、主婦向け雑誌、マネー誌などで活躍中。金融商品や保険に関する記事のほか、家計や節約の実例記事を数多く手がけ、今までに取材した貯蓄・節約体験の実例は1,000例を超える。近著に『お金がたまる人たまらない人ーなぜあの人はお金がたまるのか』(主婦の友社)