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7月1日以降、たばこ小売販売業の許可申請をする際、自動販売機については成人識別装置の装着が絶対条件になる。財務省は25日現在、成人識別装置においてICカード「taspo(タスポ)」による認証と、運転免許証による認証のふたつのみを認めている。しかし、路上には顔認証方式によるたばこ自販機も稼動中だ。
フジタカ製の顔認証方式によるたばこ自販機は、昨年11月より販売を開始。すでに全国で4,800台が稼動している。ちなみに、顔認証はユニバーサル・スタジオ・ジャパンの年間パスポートなど、既に多方面で利用されている技術である。
「目や口のまわりのしわや骨格などから、数秒で成人/未成年/グレーゾーンの3種類に分類する『こどもチェックシステム』により、成人識別を可能にしています。ここでグレーゾーンと判定された人は、さらに運転免許証を提示/確認することにより、成人であるかを確認できる仕組みになっています。」(フジタカ広報)
識別の確率について、フジタカは「顔認証と運転免許証を併用するので、100パーセント」としている。一部の報道で、顔写真で顔認証を通過したことが判明したことに対しては「すでにソフトウェアは対策を済ませている。順次、早急にバージョンアップを行うので問題ない」としている。
しかし、7月1日まで1週間を切った6月25日現在、財務省は未だにこの装置を成人識別装置とは認めていない。財務省理財局たばこ塩事業室は取材に対し、「現在、メーカーから資料やデータを取り寄せ、確実に成人識別ができるか否かを確認中です。たとえば、グレーゾーンと判別されて免許証による確認が行われるとき、細工を加えたとしてきちんと動作するかなど、厳しくチェックをしているところ」と回答している。
とはいえ、路上にはすでにフジタカ製のたばこ自販機は並んでいる。首都圏では、まだ普通の自販機だが、「7月1日0時にタイマーが作動し、顔認証による成人識別が稼動する」(フジタカ広報)そうだ。
今後、仮に財務省が7月1日までにこの顔認証方式を"成人認証装置"として認めなかった場合、全国に設置済みの4,800台のたばこ自販機はどうなるのだろうか。
「あくまでも7月1日以降に新たに申請する小売店に対しては、"許可の条件"として成人識別装置の設置を義務づけています。しかし、6月30日までに申請があったものは現在すでに販売されている場合については、7月1日の段階で調査し、設置を要請していくかたちになります。つまり、7月1日にすでに認められた2方式以外のたばこ自販機を稼動させていたとしても、すぐさま撤去を要請するということはありません。」(財務省)
タスポを発行する日本たばこ協会は、タスポの貸し借りについては従来どおり認めていない。身分証明の要らない対面販売をとるコンビニエンスストアへの顧客流出はとまらない。成人認証装置をめぐっての混乱はまだまだ続きそうだ。