今春から『千鳥の鬼レンチャン』(フジテレビ系、毎週日曜19:00~)が毎週2時間のレギュラー放送化されてから約2か月が過ぎ、おおよその傾向が見えてきた。
これまでフジの19~21時は『千鳥の鬼レンチャン』と『千鳥のクセスゴ!』のどちらかが2時間特番として放送されていただけに、好調の前者一本に絞ったことは一目瞭然。しかし、歓迎ムードばかりではなく、「毎週2時間で大丈夫?」「飽きられないか?」などと不安視する声があがっていた。
1日の放送では新企画の「ボウリングサドンデス」を放送。番組の代名詞である「サビだけカラオケ」、さらに「400m(女性は300m)サバイバルレンチャン」に続く、第3の定番コーナーになれるのか。
フジテレビの日曜夜は『だれかtoなかい』が終了し、情報番組『Mr.サンデー』を枠拡大したことによってバラエティは『千鳥の鬼レンチャン』が一手に背負うことになった。ここでは今春の放送と今回の新企画によってあらわになった醍醐味とリスクについて、テレビ解説者の木村隆志が掘り下げていく。
事前想定を上回る「失敗」の連続
まず新企画の「ボウリングサドンデス」を振り返ると出演者は、なにわ男子・高橋恭平(ベスト255)、フタリシズカ・加賀谷秀明(同268)、ダンディ坂野(同240)、おばたのお兄さん(同268)、キングコング・梶原雄太(同293)、Kis-My-Ft2・横尾渉(同216)、ガダルカナル・タカ(同299)、黒田アーサー(同279)の8人。
「全員ベストスコア200超え」と紹介され、だからこそ「わずかな失敗が命取りになる」という“サドンデス”を売りにした様子がうかがえた。しかし、第1・第2試合はわずか1フレームで加賀谷とおばたのお兄さんが失敗して終了。第3試合に至っては梶原も横尾もミスして2フレームに突入する体たらくだった。
第4試合は1フレームで両者が成功したが、2フレームでガダルカナル・タカが失敗して終了。勝ち抜いた4人による決勝でも、1フレームで1人、3フレームで1人、4フレームで2人とも失敗して仕切り直しになり、5フレームで決着がついた。
これを見た千鳥、かまいたちの4人は、「サドンデスの見どころが出てない」「“外したほうサドンデス”は見たくない」「ヘッドピンには当てて」などのボヤキを連発。プレッシャーというよりフォームや球筋に未熟さが表れていたことで、「4人はいつもの毒を生かした笑いにつなげられなかった」という感がある。
また、それを象徴していたのが濱家隆一のコメント。ストレートボールのみの横尾に「おかんのボウリングみたい」とツッコミを入れて笑いを誘ったが、その後、「足の引っ張り合いが面白いかも」とレベルの低さをフォローしたことが苦しさを物語っている。その横尾は締めのコメントでもノブが「あんなシンプルな投球、テレビに耐えれるレベルじゃない」とイジリ、山内健司から「今回、本物の横尾が間に合わなかったんでテカリ気味の“縦尾”が来た」とフォローされていた。
まだ横尾は準優勝したためイジる余地があったが、優勝した高橋を除く6人は毒を吐くレベルにもなかった」ということだろう。これほどコメントにノっていない千鳥とかまいたちは珍しく、スタッフの編集によるサポートにも限界があるだけに、このボウリングとトークのレベルで2時間引きつけるのは難しかったのではないか。