「旨くて、安いラーメンが食べたい」。1杯1,000円を超える高級ラーメンも多いが、手軽で・旨くて・さらに安くラーメンが食べられるのなら最高だ。全国47都道府県のラーメンを食べ歩くラーメンライター・井手隊長が、旨くて安いアンダー700円のラーメンを紹介する。
今回は、広島県尾道市の「朱華園」だ。
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広島県尾道市の「朱華園」
尾道ラーメン。
広島県東部の尾道市から福山市で広がるご当地ラーメン。鶏ガラ中心の醤油スープに、大粒の背脂が浮かぶのが特徴。瀬戸内産のいりこを使っているお店も多い。
名前は全国的に知られているが、実は現地には20～30軒しかない珍しいご当地ラーメンだ。
一番の有名店は尾道市の「朱華園」。
1947年に屋台から始まったお店で、全国からお客の集まる行列店だったが、2019年6月に惜しまれつつも閉店。ラーメン業界的には大きなニュースになった。
「朱華園」は閉店してしまったものの、そのDNAを受け継ぐお店がいくつかある。今回ご紹介するのは、そんな「朱華園」の流れを汲む「朱華楼」。福山市内で3店舗を展開しているが、東深津店が代表として語られることが多い。
時代を感じさせる外観と古びた暖簾がなんともノスタルジック。メニューは「中華そば」と「いなり寿司」のみ。中華そばは600円だ。
見たことないぐらい古そうな真っ黒な寸胴で麺を茹でて、ネギを乗せてスープを注ぐ。その後で、鍋で一緒に煮た醤油と背脂をドバッと入れて完成。レードルなどはなく、すべては店主の目分量で作られる。
スープは見た目以上に醤油辛く、インパクトバッチリ。そこに平打ちのピロピロした麺が絡む。メンマがコリコリとした食感でアクセントになっている。スープに浮かぶ背脂は一回揚げてあり、カリカリとした食感でスープに溶けていかないのが良い。
オールドスタイルの極みのようなお店だが、尾道ラーメンのルーツを確実に感じることのできる貴重なお店。ぜひお試しあれ。
朱華楼 東深津店
広島県福山市東深津町1丁目9−63
084-921-6079
