テレビ解説者の木村隆志が、先週注目した“贔屓”のテレビ番組を紹介する「週刊テレ贔屓(びいき)」。第255回は、18日に放送されたABCテレビ・テレビ朝日系バラエティ特番『M-1グランプリ2022』(18:34~)をピックアップする。

第18代王者を決める戦いに挑んだのは、真空ジェシカ、ダイヤモンド、ヨネダ2000、男性ブランコ、さや香、ウエストランド、キュウ、カベポスター、ロングコートダディに敗者復活枠を合わせた10組。

最終話を迎える『鎌倉殿の13人』(NHK)、大型報道特番『報道の日2022』(TBS系)、映像集特番『ワールドドキドキビデオ!』(日本テレビ系)、音楽バラエティ特番『これが定番!世代別ベストソング ミュージックジェネレーション』(フジテレビ系)と各ジャンルの番組がそろう中、どれだけの視聴率と話題を得られたのか。

  • 『M-1グランプリ2022』優勝のウエストランド

    『M-1グランプリ2022』優勝のウエストランド

■東京オリンピック風のオープニング

オープニングは、東京オリンピック開会式を彷彿させる幻想的なドローン演出のあと、昨年王者・錦鯉が登場。「自宅からの生中継?」と思わせておきつつ、四方の壁が倒れてテレビ朝日のロビーであることを明かし、トロフィー返還のために会場へ向かう様子が映された。

続いて審査員の紹介が始まり、ここで19時をまたいで「いよいよ始まる…」というムードが高まる。ただ、Twitterなどを見る限り、その構成を知っていて、「18時からBSプレミアムで『鎌倉殿の13人』最終回を見て、19時から『M-1グランプリ2022』を見る」という人も少なくなかったようだ。

ともあれ、新審査員の山田邦子と松本人志の「だいたいね、あなたが私のことを『しんどい先輩』とか言うから」「それは『水曜日のダウンタウン』が……」というやり取りは、この日最初の大笑いであり、期待感をグッと高めた。

続いて、「発表」即「移動」即「漫才」という敗者復活の仕組みをコンパクトに紹介。寒い会場とライブでつなぎ、笑神籤(えみくじ)に入れる流れも含め、その構成は「1秒のムダもないのではないか」と思わせられるほど洗練されている。

CMをはさんで笑神籤で1組目に選ばれたのは「草食系ロジカル」カベポスターで、山田邦子:84点、博多大吉:94点、ナイツ・塙宣之:92点、サンドウィッチマン・富澤たけし:93点、立川志らく:89点、中川家・礼二:92点、ダウンタウン・松本人志:90点で計634点。トップバッターだからか、松本、礼二、志らく、富澤、塙、大吉、邦子と席順で全員がコメントした。

2組目は「アンコントロール」真空ジェシカで、邦子:95点、大吉:92点、塙:92点、富澤:92点、志らく:94点、礼二:94点、松本:88点で計647点。邦子、礼二、志らく、富澤、塙、大吉、松本の順で、またも全員がコメントした。

3組目は敗者復活組でオズワルドが選ばれ、邦子:87点、大吉:93点、塙:90点、富澤:90点、志らく:95点、礼二:92点、松本:92点で計639点。松本、志らく、富澤、塙、大吉、邦子、礼二の順で、やはり全員がコメントした。

■錦鯉・長谷川は打ってつけの存在

4組目は「ゆるハイブリッド」ロングコートダディで、邦子:94点、大吉:92点、塙:94点、富澤:96点、志らく:96点、礼二:95点、松本:93点で計660点。松本、邦子、礼二、志らく、富澤、塙、大吉の順で全員がコメントした。

5組目は「熱血リベンジ」さや香で、邦子:92点、大吉:96点、塙:95点、富澤:97点、志らく:95点、礼二:97点、松本:95点で計667点。礼二、富澤、松本、邦子、大吉、志らく、塙の順で全員がコメントした。

ここで前回王者・錦鯉、笑神籤を引く那須川天心のコメントがはさまれる。「緊張と緩和」の緩和を担うという意味で長谷川雅紀の存在は大きかったのではないか。一方、天心のコメントは「今年の顔」であるとともに貴重な視聴者目線なのだろう。

6組目は「あぶない地味男」男性ブランコで、邦子:86点、大吉:91点、塙:92点、富澤:95点、志らく:94点、礼二:96点、松本:96点で計650点。松本、礼二、志らく、邦子、大吉、塙、富澤の順で全員がコメントした。

7組目は「クレイジーな輝き」ダイヤモンドで、邦子:86点、大吉:90点、塙:88点、富澤:88点、志らく:88点、礼二:89点、松本:87点で計616点。大吉、塙、富澤、礼二、松本の順でコメントし、志らくと邦子はなし。ここで初めて全員ではなくなったが、松本のコメントできっちりオチたからか、最下位の点だったからか、時間の問題なのか。

CMをはさんで、以降は最終決戦進出者が決まることもあって、ここまでの印象を松本、邦子、錦鯉に尋ねた。熱心なファンはもっと長いコメントを審査員全員に聞きたいかもしれないが、今後の審査基準に関与しかねないだけに難しいところだ。

8組目は「なかよし奇想天外」ヨネダ2000で、邦子:91点、大吉:91点、塙:96点、富澤:91点、志らく:97点、礼二:90点、松本:91点で計647点。志らく、松本、邦子、礼二、大吉、富澤、塙の順で全員がコメントした。ここで、さや香の最終決戦進出が決定。

9組目は「ノーリアル」キュウで、邦子:87点、大吉:90点、塙:88点、富澤:90点、志らく:89点、礼二:90点、松本:86点で計620点。松本、大吉、礼二、邦子、志らく、富澤、塙の順で全員がコメントした。ここでロングコートダディの最終決戦進出が決定。

10組目は「小市民怒涛の叫び」ウエストランドで、邦子:91点、大吉:93点、塙:93点、富澤:94点、志らく:98点、礼二:96点、松本:94点で計659点。松本、志らく、邦子、塙、大吉、礼二、富澤の順で全員がコメントし、ウエストランドは最終決戦進出が決定した。