最後のCブロックは、プロダクション人力舎のネギゴリラ(コント)、太田プロのハナイチゴ(漫才)、松竹芸能の森本サイダー(ピンコント)、ホリプロコムのさんだる(コント)、吉本興業の10億円(漫才)の順にネタ披露。
結果はネギゴリラが5票(増田、井上、テレ朝舟橋、TBS浜田、テレ東小比類巻)、ハナイチゴが2票(渡辺、爆笑王)、10億円が2票(日テレ橋本、フジ中川)、さんだるが1票(一般審査員)だった。
「『2本目が見たいのは誰かな』と思って決めました」という軽いコメントのみに留めたテレ東小比類巻の対応が、ジャンル不問バトルの難しさを感じさせられる。ただ、審査員たちはほめてばかりで全くと言っていいほど問題点を指摘しなかったのはなぜか。この甘いスタンスではコンテストの緊張感は高まらず、若手芸人たちの糧にもならないのではないか。
ファイナルステージは、Gパンパンダ、ストレッチーズ、ネギゴリラの順でネタが披露され、Gパンパンダ5票(井上、日テレ橋本、テレ朝舟橋、TBS浜田、フジ中川)、ストレッチーズ5票(渡辺、増田、爆笑王、一般審査員、テレ東小比類巻)で並んだが、「一般審査員票の入ったストレッチーズの優勝」という結果になった。
ところが、5局中4局の制作者が、準優勝のGパンパンダを絶賛。日テレ橋本は「ご一緒したいなと本当に思っています」、TBS浜田は「素晴らしかったと思います。演技力の面で完成度が高かった」、テレ朝舟橋は「演技力も構成もバカバカしさもあって『この人をずっと見ていたい』という魅力があって」、フジ中川は「ひとつの題材で押し切れる表現力が素晴らしかった」と、誰が優勝したのか耳を疑ってしまうほどだった。
「ツギクル芸人グランプリ」はストレッチーズだが、「これから売れる」という意味でGパンパンダとの差は限りなく少ないということなのかもしれない。それにしても、ストレッチーズは慶応大卒、Gパンパンダは早稲田大卒のインテリ芸人であり、ともにアラサーの同世代。頭がいい彼らは、笑いやコンテストのセオリーや成功例に基づいたネタを作り、パフォーマンスをすることに長けているのだろう。
だからなのか、「現在活躍している先輩芸人に近い芸風が多く、新鮮な風を吹き込むような芸人はいなかった」と感じてしまった。もしそうならば、彼らが似た芸風で勝たなければいけない30代・40代の先輩芸人は、かなり手強く層も厚い。その意味で彼らが今年の『キングオブコント』(TBS系)、『M-1グランプリ』(ABCテレビ・テレ朝系)でどんな結果を出せるのか、楽しみにしている。
■次の“贔屓”は……上島竜兵さんSPを放送 『出川哲朗の充電させてもらえませんか?』
今週後半放送の番組からピックアップする次回の“贔屓”は、28日に放送されるテレ東系バラエティ番組『出川哲朗の充電させてもらえませんか? ありがとう!竜兵さんスペシャル』(18:30~)。
「出川哲朗のゴールデン初冠番組」としてレギュラー放送がスタートしたのは2017年4月。全国各地の人々に「充電させてもらえませんか?」とお願いしながら、ひたすら電動バイクで旅を続けて5年が経過した。
次回の放送は、ダチョウ倶楽部・上島竜兵さんの追悼スペシャル。番組史上最多出演ゲストでもある竜兵さんとの“伝説の充電旅”を放送するという。あらためて上島さんの芸を楽しむとともに、“出川&上島”の名コンビを振り返るいい機会になりそうだ。