今回からは日程表を参考に、旅行のノウハウ・愉しみ方をご紹介していきます。まずはシンガポール・マレーシアの旅、前編です。

【0.5日目】トランジット・ホテルで仮眠

成田国際空港を夜に発ったSQ11便が、チャンギ国際空港の真新しいターミナル3に到着しました。まずは「アンバサダー・トランジットホテル」へ向かい、そのままチェックインして眠りにつきました。

到着は25時(翌1時)すぎ。日本は2時なので眠気もピークでした

【1日目6:30~14:20】マレー鉄道で国境越えを体験

翌朝はホテルをチェックアウトしてシンガポール市内へと向かいます。シンガポール市内へは、MRTと呼ばれる地下鉄を使うとほとんどの主要な場所に短時間で行けます。まずは、マレー鉄道のシンガポール駅へ。シンガポール駅の最寄りはMRTのタンジョン・パガー駅なのですが、地図を見るとそこからかなり遠い模様でした。地図を見ながら歩くこと約20分。列車に乗り遅れる! と冷や汗をかきながらも無事到着。インターネットで予約したeチケットの控えを持って(そのままチケットになるから)、プラットフォームへダッシュ。急いで列車に向かうと、なぜか乗車前にマレーシアの入国審査があり、発車してしばらくすると、今度はなんとシンガポールの出国審査がありました。普通は順番が逆では……? と思っていると、列車に戻るように即され、動き出したその先に、シンガポールとマレーシアの国境にまたがるコーズウェイ橋が視界に入ってきます。いよいよ国境越え! とワクワクしていましたが、途中に国境を示す印はあるものの橋そのものはとても短く、あっという間にその感動も終わり、シンガポール駅を出発して1時間弱でマレーシア側のジョホールバル駅に到着しました。

1901年に建てられたシンガポール駅。この駅はマレーシア国鉄管轄のものらしく、そのため列車に乗る前に入国審査があるとのこと(駅員談)

列車の中はエアコンが効きすぎで寒かったです。ちなみに、列車はかなり揺れました

その後、朝が早かったからかウトウトと眠りに落ちてしまい、気が付くと車窓から見えるのはマレーシアの首都・クアラルンプールに近い場所のようでした。というわけで、約7時間列車に乗ったものの、マレー鉄道の思い出は不覚にも「国境越え」のみ……。そして、14時すぎにクアラルンプール中央駅へ到着。クアラルンプール中央駅は非常に近代的な建物で、空港行きの列車やバス、マレー鉄道などの長距離列車、RapidKLと呼ばれる交通システム(地下鉄やモノレール、ローカルバスなどの総称)が発着しています。

マレー鉄道の車窓から。ちなみに隣に座っていたおじさんも眠りに落ちていたので、やはり風景はつまらないのかも(笑)

近代的な作りのクアラルンプール中央駅。太陽光を上手く取り入れているからか、駅構内は明るいのが印象的でした

【1日目15:00~24:00】憧れのスパ&ペトロナス・ツインタワーに乾杯

今回、クアラルンプールで泊まるホテルは、KLCC駅から徒歩5分の「ホテル・マヤ」です。私は以前から、そのホテルに併設されている「アングンスパ」に一度行ってみたかったので、誕生日が近い自分へのご褒美(笑)にと奮発してこのホテルを選びました。KLCCは、台湾・台北101に抜かれるまで世界No.1の高さを誇っていたペトロナス・ツインタワーの最寄り駅。ホテルは日本から直接予約したのですが、その際に「ペトロナス・ツインタワーが良く見える部屋」をリクエストしておきました。チェックイン後に通されたのは、まさにペトロナス・ツインタワーが右正面にドーンと見える部屋で、その迫力にはびっくり。まさか、こんなに良く見えるとは……。

アングンスパで選んだのは、看板メニューの「マヤ・シグネチャー」。90分のセッションで受けられるのは、スチームサウナ、フットバス、コンプレスド・ストーン(暖めた石とハーブを布に包んだもの)を使った全身マッサージで、あまりの気持ちよさにまたウトウト(私、寝てばっかり!?)……。最後にジンジャー・ティをいただきながら、施術をしてくれた方と日本の四季について話をしました。雨季と乾季しかない彼らの国にとって、日本のように四季がある国はめずらしいようで、梅雨に興味を示していました(このとき、東京は梅雨でした)。私の個人的な見解ですが、マレーシアでは比較的現地の人と打ち解けやすいと思います。

体も心もすっきりした後は、フロントで「ツインタワーを見るならラウンジがいいよ」と勧められていた「スカイ・ラウンジ(13階)」へ。エレベーターを降りてサインどおりにバルコニーへ進むと、そこにはツインタワーを見るための特等席が並んでいました。ツインタワーを前に、白ワインを一杯。その後、翌日にマラッカ王朝の首都マラッカを訪れる予定だったので、バスのチケットを買いに観光がてら出かけました。そして、クアラルンプール最大の繁華街であるブキッ・ビンタンへ。ブキッ・ビンタンには屋台の並ぶ通りや、地元の人も集うローカルなショッピングセンターがあり、昼夜問わずに人でにぎわっています。まずは腹ごしらえと、バクテ(骨肉茶と書き、骨付きの豚肉を薬草やスパイスなどが入ったスープで煮たもの)を夕食にいただきました。バクテはマレーシアの名物料理で、中華系移民が作り出したもの。中国料理のように聞こえますが、中国本土にバクテはありません。さらに屋台が連なるアロー通りでは、デザートのアイス・カチャン(豆入りのカキ氷)も食べ、大満足な1日でした。

(左)アングンスパのプール。マッサージを受ける部屋はいたって普通でしたが(撮影は禁止)、プールは開放感がある面白い作りでした(上)とにかく眺めが最高! なスカイ・ラウンジ。新年の深夜にはここから花火が打ち上げられるのもよく見えるそうです

バクテには薬草が使われているからか、食べ終わるといつも汗びっしょり。白いご飯と食べるのがおいしい

ブキ・ビンタンのアロー通りは屋台のメッカ。30RM(約960円)もあればお腹いっぱい食べられます。ただし、マレーシアはイスラム教圏なので、アルコール類は料理と比べて高め

思い返してみると、なんだか寝てばかりの道中ですね(笑)。いつでも寝られるというのが、一人旅のよいところでもあると思います。次回は旅行記の後編として、2日目、3日目をお届けします。2日目は、クアラルンプールから日帰り旅行でマラッカを訪れ、3日目は帰国前にシンガポール観光にも出かけます。お楽しみに。それではみなさん、よい旅を!

コノミ流旅の掟
「ホテルに直接予約を入れると眺望などのリクエストができる」

シンガポール・マレーシアの旅--日程メモ

0.5日目

時刻 内容
16:00
会社を半休して、成田エクスプレスで成田空港へ
19:10
東京・成田国際空港を出発(SQ11便)→シンガポール・チャンギ国際空港に到着(1:10)
25:30
トランジット・ホテルにチェックイン後、仮眠

1日目

時刻 内容
6:00
起床してトランジット・ホテルをチェックアウト後、シンガポールに入国
6:30
MRTに乗ってタンジョン・パガー駅へ移動→マレー鉄道のシンガポール駅に到着(7:20)
7:40
シンガポール駅を出発→クアラルンプール中央駅に到着(14:20)
15:00
KLCCに移動してホテルにチェックイン
15:30
アングンスパにて施術
17:30
スカイ・ラウンジでペトロナス・ツインタワーを見ながら一服
18:00
KLタワー、ジャメ・モスク、チャイナタウンなどを観光後、プドゥラヤ・バスステーションでマラッカ行きのバスチケットを購入
20:00
ブキ・ビンタンに到着して夕食後、ジャラン・アローの屋台をひやかす
23:00
ホテルに戻り、スカイ・ラウンジでペトロナス・ツインタワーを見ながら一服
24:00
就寝