現在の小田急電鉄において、"フラッグシップ"といえるのがロマンスカーVSE。バーミリオン・オレンジの帯をまとったシルキーホワイトの車体で、どことなく高級感が漂う。休日の朝、箱根へと旅立つVSEの展望席では、多くの乗客が前面展望を楽しんでいる様子。子供を抱きかかえる父親の姿や、カメラを構える鉄道ファンらしき男性の姿も確認できた。

列車情報

小田急電鉄 50000形・VSE

基本情報

2005年3月に就役した車両で、VSEは「Vault Super Express」の略。「Vault」はドーム型の天井という意味があり、その名の通り車内はドーム型の天井となっていて、室内高は2.55mと従来のロマンスカーより高い。ロマンスカーの代名詞だった展望席や連接台車を復活させたのも特徴。2006年の鉄道友の会ブルーリボン賞をはじめ、同年のアジアデザイン大賞、「iF product desigh award 2007」デザイン賞など、数々の賞を受賞した。

箱根観光専用の特急ロマンスカーとして、新宿~箱根湯本間の特急「スーパーはこね」「はこね」で活躍中。なお、小田急グループでタクシー事業を展開する小田急交通・小田急交通南多摩の2社が、11月16日よりVSEのデザインを取り入れたハイブリッド車両「小田急VSEタクシー」を新たに導入する予定だ。VSEをデザインした岡部憲明氏率いる「岡部憲明アーキテクチャーネットワーク」が手がけたという。