日本経済新聞による、アジア主要都市に住む20歳代の男女を対象とした調査(*)によると、中国、インド、インドネシアの3カ国の若者の約8割が経済的に余裕を感じていることが分かりました。また調査は平均月収にも及び、20代の日本人の平均月収は調査対象国で三位という結果になりました。
(*)2015年1月28日付日本経済新聞掲載記事より

日本人20代の平均月収22万円、アジアで三位

調査対象国は、中国、インド、インドネシア、タイ、ベトナム、フィリピン、マレーシア、シンガポール、韓国、日本。

そのなかで、平均月収が一番高い国は、どこだと思います? それは、シンガポールで約36万円! 二位が韓国で25万円。三位に日本が入って22万円。四位が中国で16万円。 この調査の対象となったのは大卒20-29歳の若者で、各国200人ずつの合計2,000人です。

さらに、衝撃的事実が明らかに!?

さらに、同調査によると、日本の若者で「過去1年に経済的に余裕があった」と答えた人は10か国中最低の25%! また「3年後に同世代の人より生活レベルが上になっている」とみる人も、日本人が最低の28%なのです。

アジアで日本人が最低の項目は、まだ続きます。

「収入に満足している人」18.5%
「仕事に満足している人」28%
「恋人・配偶者との関係に満足している人」32.5%

この3項目、すべて、アジア最低です。

なお、「3年以内に買いたい製品、利用したいサービス」のなかで、日本人は、唯一、国内旅行(39%)が海外旅行(33%)を上回り、旅行でも近場が人気とのこと。 また調査対象国全体では、買いたいモノランキングを見ると、総じて、海外旅行がトップ。次が車。そしてスマホでした。

日本だけ、「車」が入らず、代わって「国内旅行」が二位に入っています。ちなみに日本の一位はスマホ、三位は海外旅行。 シンガポールだけ、三位に「定期健診」が入っていました。 注目の中国の一位は、同率首位で、海外旅行とスマホ。

実は日本の若者は貧困化してる?

以上を総合してみると、とにかく、日本人20代の若者が、アジアの中で、一番「貧乏感」が高く、生活への「満足度」が低いことは事実のようですね。 私は経済の専門家なので、この理由を分析してみると、「円安」がキーワードになります。そこで、日本人の若者が円安貧乏から生活を防衛する術について次回から色々考えてみたいと思います。

自己紹介が遅れましたが、今月からマイナビニュースで連載を始めた豊島逸夫です。得意分野は、スキー系、鮨スイーツ系、温泉系。最近、経済や金にも興味持っています、という軽いノリですが、詳細はプロフィール、公式HPをご覧ください。

著者プロフィール

●豊島逸夫
豊島逸夫事務所(2011年10月3日設立)代表。2011年9月末までワールド ゴールド カウンシル(WGC)日本代表を務めた。1948年東京生まれ。一橋大学経済学部卒(国際経済専攻)。 三菱銀行(現・三菱東京UFJ銀行)入行後、スイス銀行にて国際金融業務に配属され外国為替貴金属ディーラーとなる。豊富な相場体験をもとに金の第一人者として素人にも分かりやすく独立系の立場からポジショントーク無しで金市場に限らず国際金融、マクロ経済動向についても説く。またツイッターでも情報発信している。