東京都のベッドタウンとしての側面と、房総の田園風景に象徴されるのどかな側面。ふたつの顔を持つ千葉県の素顔はデータにも表れています。
千葉県には全国トップクラスの野菜が!
ベッドタウンとしての側面を色濃く表すのが通勤時間で、往復96分は全国1位(2006年 全国平均72分)。通勤時間が長い分、睡眠時間は短くて7時間33分は46位(2006年 全国平均7時間42分)。通勤手段は鉄道が多く、鉄道利用回数は人口ひとりあたり年間286.82回で4位(2007年 全国平均177.34回)。
乗り物も自転車保有台数が100人あたり61.78台で5位(2008年 全国平均54.38台)、自動車登録台数が100人あたり49.37台で41位(2008年 全国平均54.23台)と、自転車偏重です。
千葉県の田園風景を象徴する特徴は都市近郊農業。大消費地東京から近い千葉県は野菜の生産が盛んです。ほうれん草(40,400トン)、ネギ(68,000トン)、サトイモ(24,700トン)、大根(175,100トン)、梨(40,200トン)が全国1位、ニンジン(132,300トン)、スイカ(45,900トン)が2位、キャベツ(129,300トン)が3位、トマト(48,500トン)が4位、ジャガイモ(36,000トン)が5位と多くの野菜でトップクラスの生産量となっています。
米生産量は9位とそこそこの順位ながら、県産米に一等米がしめる比率である一等米比率は90.68%で3位(2008年 全国平均76.52%)と、農業技術の高さが光ります。
デジタルネーティブで健康的な子供たち
もうひとつ、千葉県の田園風景によくあるのがゴルフ場。ゴルフ場の軒数は182軒で、北海道に次いで全国2位。人口比で見ても10万人あたり2.97軒で12位(2009年 全国平均2.25軒)と、たくさんのゴルフ場があることが分かります。身近にゴルフ場が多い分、ゴルフの普及率も高く、世帯あたりゴルフ用具普及率が40.9%で7位(2009年 全国平均34.6%)と高めです。
都市と地方が共存する特徴は子供の行動にも表れています。中学生携帯電話所有率が78.8%で4位(2013年 全国平均68.5%)、小学生長時間ネット利用率が12.3%で6位(2013年 全国平均11.3%)と高いのは都会に共通する特徴です。
一方、中学生早寝早起き率が97.0ポイントで4位(2013年 全国平均77.5ポイント)、男子小中学生体力テストが50.81ポイントで3位(2010年 全国平均48.04ポイント)、女子小中学生体力テストが54.74ポイントで4位(2010年 全国平均51.52ポイント)と高いのは地方の特徴です。
データから見ると、都会と田舎がほどよく共存するのが千葉県と言えそうです。
千葉県と他都道府県の相関図。東京都を取り囲む地域は互いに似ていることが分かる |
700以上のランキングから、千葉県の相関関係を筆者が割り出したのが上の地図です。赤は似ている県、青は正反対の県、黄色はどちらでもない県になっています。東京都を取り囲む3県(埼玉県、神奈川県、千葉県)の相関は高いのですが、千葉県を神奈川県と比べると地方との差が小さいことが分かります。
筆者プロフィール : 横道 文也(よこみち ふみや)
統計サイト「都道府県別統計とランキングで見る県民性」主宰。様々なデータを都道府県という切り口から分析し、新たな「おむつとビール」を探すデータマイナー。時系列でデータを分析する「年次統計」や歴史年表を分析する「年表マニア」などのデータサイトも運営。