港・中華街・異人館などなど、世界に触れる機会が多い兵庫県

神戸の異人館や中華街など異国情緒あふれる兵庫県をデータで分析してみると、それらしい統計がたくさん見つかりました。

仕送り額は全国で最小級、その理由は?

まずは基本的なデータから見ると、兵庫県は通勤時間が往復77分で7位(2006年 全国平均72分)、鉄道旅客輸送量が7位、睡眠時間が7時間38分で41分(2006年 全国平均7時間42分)と、ベッドタウン型の県と言えます。

子どもの教育に目を向けると小学生通塾率は57.7%で3位(2013年 全国平均49.7%)、大学進学率は60.75%で5位(2010年 全国平均54.30%)、東大合格者数は高3生1,000人あたり3.99人で4位(2014年 全国平均2.87人)と教育熱心。仕送り額は年間2万8,606円で45位(2011年 全国平均8万1,606円)と少ないことから、仕送りがいらない自宅から通える大学に通っているようです。

気候面では年間熱帯夜日数が43.1日で3位(1980年~2010年の平年値 全国平均17.9日)、年間晴れ日数が243.1日で7位(全国平均217.6日)、年間平均気温が16.7度で9位(全国平均15.2度)と暑さが厳しい県のひとつで、エアコン普及率も96.8%で3位と高めです(2009年 全国平均88.1%)。

外食も日本食より海外の料理を好む?

開放的な港町神戸を抱える兵庫県らしいランキングでは、食べ物の消費量があります。パン消費量が3位、ジャム消費量が5位、バター消費量が8位、チーズ消費量が13位とパン食が盛んで、紅茶消費量も6位と西洋的な食事が好まれているようです。

同じことは酒の好みにも表れています。もともと関西は酒をあまり飲まないところなので、アルコール消費量は31位とあまり高くありませんが、内訳を見るとビール消費量が10位、ワイン消費が17位、ウイスキー消費量が23位、日本酒消費量が35位、焼酎消費量が38位と、日本酒よりも洋酒の方が人気です。

外食でも同様の傾向。外食費用はアルコールと違って8位と高く、内訳は中華外食費用が1位、洋食外食費用が5位、和食外食費用が7位と、ここでも日本食より海外料理の方が上位に入っています。

外国好きの傾向は食べ物だけではなく、日本人女性国際結婚率が1.11%で6位(2012年 全国平均0.97%)、海外旅行者数も人口100人あたり13.88人で8位(2008年 全国平均12.00人)と高く、兵庫県は海外に開かれた県民性と言えそうです。

兵庫県と他都道府県の相関図。神奈川県とも似ていることが分かる

700以上のランキングから、兵庫県の相関関係を筆者が割り出したのが上の地図です。赤は似ている県、青は正反対の県、黄色はどちらでもない県。兵庫県は関西や関東の都市型各県との相関が高くなっています。関東各県との相関を見ると、神奈川県との相関が一番高く、国際的な港町を持つ県どうし、特徴が似ているようです。

※本文と写真は関係ありません

筆者プロフィール : 横道 文也(よこみち ふみや)

統計サイト「都道府県別統計とランキングで見る県民性」主宰。様々なデータを都道府県という切り口から分析し、新たな「おむつとビール」を探すデータマイナー。時系列でデータを分析する「年次統計」や歴史年表を分析する「年表マニア」などのデータサイトも運営。