元国税局職員 さんきゅう倉田です。好きな映画は「太陽光発電に調査がいっぱい」です。

ATMで現金を引き出すと、どのくらいの手数料がかかるのでしょうか。18時くらいまでなら無料なんでしょうか。他行のATMやコンビニなどで引き出せば、通常より高いのでしょうか。

ぼくは、三井住友銀行をメインバンクにしていますが、他行のATMで引き出したことはないし、コンビニで引き出したこともありません。さらに、今年はまだ一回も現金を引き出していません。

QRコード決済やクレジットカードを読み取る端末の普及で、決済の利便性は著しく向上しました。財布を持って出かけることも極端に減りました。現金を使用するのは、どうしても行きたい飲食店が現金でしか決済できないときやレジにクレジットカード決済の手数料負担者がいるときだけです。

新しい財布を買うことも、一生ないと思います。

手数料を気にしていた高校時代

ぼくは高校生の頃から、ATMでの手数料を気にしていました。土日には絶対引き出さず、余裕を持って現金を用意するようにしていました。一度、日曜日に預け入れをしようとしたところ、「手数料105円」と表示されたので、ATMコーナーから飛び出したことがあります。その時の速度は、スーファミのマリオのミサイルより早かったと思います(調べたら、「キラー」という名前でした)。

「どうしてぼくが銀行にお金を貸すのに、お金を払わなければいけないんだ!」

若かったぼくはそう思ったんですね。ATMにどれくらいのコストがかかっているか理解していなかった。使用によって利益を受ける人がお金を払うのは当然だと思います。だから、何度も引き出す人や休日に預け入れる人が手数料を多く負担することになっても仕方がない。

それでも、ぼくは手数料を払いたくないので、月に一回、平日に1ヶ月分の現金を引き出す生活を続けていました。寧ろ、他の人もみんなそうしていると思っていました。でも、全然手数料を気にしてない人もいるんですね。それもお金持ちではなく、貧乏なのに気にしていない人が。

貧乏な人は手数料を気にしない

ぼくのよしもとの同期に、借金が270万円もあるおちゃめさんがいます。彼は、お金のことをなんにも分かっていなくて、コンビニで6,000円の博覧会のチケットを買おうとしたとき、現金2,000円とクレジットカードを併用して払おうとしました。

当然、そのような決済はできません。そんなことは、大人なら誰でも知っていますし、高校生でも知っているかもしれません。アフリカの原住民とか、地球に初めて襲来した知的生命体に聞いても知っているかもしれません。

店員さんに「できません」と断られた彼は、コンビニのなかにあったATMへ行き、4,000円のキャッシングをして、6,000円のチケットを買いました。

どうして、クレジットカードだけで決済しなかったのか聞いたところ「クレジットカードは使えません、ってクソ店員が言いやがったんですよ」と言っていました。頭も悪いが口も悪い。彼は、神様のいたずらでこの世に生を受けました。

念のため説明しておくと、店員さんは現金とクレジットカードの併用ができない、という意味で「カードは使えません」と言ったはずです。でも、おちゃめさんにはそれが理解できなかった。だから、わざわざキャッシングをして、代金を支払うことにしました。

おちゃめさんのだめなところは、4,000円だけ引出したことにもあります。4,000円だけ引出して、そのあと現金がない状態で、どうやって生活するのでしょうか。キャッシング=借金なので少ないに越したことはないのですが、どうせまた引き出すのなら、手数料が少なくなるように、1回にまとめるべきです。 手数料という、まったく生産性のない支払いを気にしないことは、彼の貧しさの象徴のように思えました。

ひとつひとつの行動に、貧しさの原因がある彼を、今後も追っていきたいと思います。

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