元国税局職員 さんきゅう倉田です。好きなことわざは「上席も木から落ちる」です。

ぼくの最も好きな仕事は取材です。

ゴールデンの番組に出るよりも、講演会でたくさんお金をもらうよりも、自分のYou Tubeで好きなようにしゃべるよりも、取材が好きです。理由は、楽しいとか時間が短いとか緊張しないとかいくつかあるんですが、依頼があれば積極的に承るようにしています。

取材の報酬はいくらが妥当か

ぼくの使っているコワーキングスペースには、変わった活動や商売をしている人がたくさんいます。昆虫食のレストランをやっている人や紐で作る3Dプリンターを考えている人、目が見えない人や耳が聞こえない人と健常者が一緒に遊べるゲームを作っている人、映画を一緒に見ることに特化したマッチングアプリを作った人がいて、とても良い刺激を受けることができます。

類似の活動や商売が少ないので、テレビで紹介されることや取材を受けることもあるようです。

取材された内容が新聞や雑誌、ウェブで紹介されれば、活動や自分自身を知ってもらうことができます。これは大変ありがたい。だから、取材を無料で受ける人がいます。

ぼくも、6年くらい前かな。はじめての取材を無料で受けてしまいました。喫茶店で話をするだけだし、無料が一般的だと誤認していたのです。

良くないですね。去年も、紹介者に恩があって一度だけ無料で取材を受けたことがありますが、取材が無料で感謝する人は基本的にはいません。遅刻されたり、拘束時間が長かったりするだけで、良いことがありませんでした。

友達や同期でない限り、ちょっと話すだけでもお金はもらったほうが良いと考えています。この金額は、難しい。大手の出版社の人に聞いたところ、超有名な映画監督で○万円、大御所芸人でも1○万円でした。取材経験の少ない人であれば、1万円くらいが妥当な金額かもしれません。

  • 元国税芸人さんきゅう倉田の「役に立ちそうで立たない少し役に立つ金知識」  - 第173回「初心者が取材を受けるときに最も大切なこと」

取材の極意とは

取材の依頼は、自分のホームページからメールでもらいます。メールには、依頼の内容と予算が書かれていて、提案された予算がぼくの設定金額を下回ったことはありません(新聞は、宣伝効果が著しく高いので、広告でない限り基本的に無料です承っています)。

たくさん取材を受けて、取材のときの指針ができました。取材の経験が少なく自分のやり方をまだ確立していない人に、参考にしていただきたいです。

「質問を受けるだけでなく、質問する」

取材では、たくさん質問されます。質問に答えるのが取材の基本かもしれません。質問に答えるだけの時間は、とてつもなく楽です。

でも、機械的で全然面白くありません。多くの人は、一人でしゃべるより会話をするほうが楽しいと感じるはずです。決まった質問に答えているだけだと、気持ちは乗ってきません。被取材者の気持ちを乗せることのできる取材者などいませんし、気持ちが乗らないと、単調で味の薄い答えが続きます。

だから、取材中に「みなさんはどうしてますか」とその場にいる人に質問をするようにしています。

例えば、「夫婦で節約しようと思ったらどうしたらいいですか」という質問だったら、自分の意見を話してから、質問します。実際の夫婦の行動を聞き、夫婦ごとの違いを明確にすると新たな発見に出会えることがあります。

また、用意された質問からでは気づかなかった思考にたどり着いて、回答がより深いものとなることもあります。

ぼくが質問した部分はカットされるけど、全体の仕上がりは良くなるし、取材者が楽しければまた依頼をしてくれるかもしれないので、質問して、取材者の良いところを引き出し、会話を楽しんで自分の意見を発することが、取材ではとても大切だと思います。

ちなみに、新聞社の方は、とてつもなく取材が合理的、かつ、簡潔なので、ただ質問に答えるだけで十分楽しいし快適です。

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