陸上自衛隊を舞台に青年たちの青春群像劇を描くフジテレビ系ドラマ『テッパチ!』(毎週水曜22:00~ ※27日放送の第4話は22:20~、時間変更の場合あり)。ミリタリー通であり、挫折の経験から自衛官候補生となった丸山栄一を演じるのは、時任勇気だ。

きょう27日に放送される第4話では、訓練でショックを受け、会社員時代の上司から「お前の代わりなんていくらでもいる」などとこき下ろされていた時のことを思い出してしまう丸山。「今まで演じてきた役で一番自分に近い」というキャラクターへの共感点や、まさかの挫折経験などを語ってくれた――。

  • 『テッパチ!』に出演する時任勇気 (C)フジテレビ

    『テッパチ!』に出演する時任勇気 (C)フジテレビ

■「自己肯定感がめちゃくちゃ低いんです」

――今回の出演オファーを受けての心境はいかがでしたか?

小学生のときに親が自衛官だった友達もいて、わりと近くにあった存在なのですが、具体的にどういうことをされているのかは全然分からなかったので、自分が自衛官候補生を演じるということで、すごく楽しみにしていました。

――脚本を読んでのご感想はいかがでしたか?

僕が演じる丸山は自己肯定感が低いのですが、僕もめちゃくちゃ低いんです(笑)。昔から芸能の仕事に興味はあったのですが、自分に自信がなくて。今は前より少しは自信がついてきたかなと思いますが、そういうところは似ているなと思いますね。あと、FPS(シューティング)のゲームが好きなことも似ていて、台本を読んでいくうちに今まで演じてきた役で一番自分に近いなと感じました。

――候補生キャストの皆さんは「シックスパックにしてください」というオーダーを受けて体作りを行っていると伺っています。

「シックスパック」という注文に応えたいなという気持ちと、自分の筋肉の中で胸筋が一番自信のある部分なので、そこを誰よりもよく見せたいなという気持ちで筋トレしました。以前筋トレにハマっていた時期に比べて、ガッツリはやっていなかったのですが、1回鍛えるとそれを元に戻す“マッスルメモリー”を呼び起こす作業になるそうなんです。初めて筋トレをやる人よりは筋肉が付きやすいみたいなので、やっていて良かったです。

――成果としては、いかがですか?

僕は体重の増減が激しいタイプで、今回の撮影前は結構増えていたんです。そこから5kgほど絞って、いいバランスを探りながら筋肉を付けたので、今回のお話を頂く前より自分の中でかなり体は変わったなと思います。

――男だらけの撮影現場だと思いますが、雰囲気はいかがですか?

ストーリーでも“はじめまして”の人たちが集まって、1つずつ試練を乗り越えて仲間になっていくのですが、話が進むにつれて仲も深まっていますね。他の作品や現場より仲良くなるタイミングがすごくあるので、今、全員めちゃくちゃ仲良いです(笑)

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■本職の自衛官から「どこの隊ですか?」

――実際の駐屯地や演習場という異例の現場での撮影はいかがですか?

普段は入れない場所なので、どんなところか想像がつかなかったのですが、実際に入ってみて訓練されている自衛官の方を見て、素直に尊敬しました。演習場では本物の戦車を見て、こんなすごいエンジン音がするんだと肌で感じられて、ワクワクしましたね。

――本職の自衛官の方の前で演じることの緊張感などもあるのではないでしょうか。

そうですね。同じ戦闘服を着ているということで、間違えられてもいいようにと心構えをしていたのですが、たまに「どこの隊ですか?」と声をかけられることもありました(笑)。あと、自衛官の方は雨が降っても傘を差さないので、僕らが差しているのが何だか申し訳ない気持ちになりました。

――演じられたり、近くで接したりすることで、自衛官の方への印象の変化はありますか?

訓練を経験させていただいて、こんなに大変なことを毎日のように行って乗り越えて、いつでも国を守る準備をされるんだなと思うと、本当にリスペクトと驚きがいっぱいでした。

――これからは見る目が変わりますか?

この前、山梨のほうに行く機会があってサービスエリアに寄ったら、自衛官の方がいらっしゃって、勝手に親近感がわきました(笑)

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■親が「学校楽しくないのかな」と勘違いし…

――今回演じる丸山は、挫折を経験して自衛官を目指すという役柄ですが、時任さんご本人の中で振り返って挫折という経験はありますか?

これを挫折と言っていいのか分からないのですが、僕、高校のときにカナダに留学して、それは、女の子にフラれたのがきっかけだったんです(笑)。すごくショックで何もしたくなくなってしまい、学校にも行きたくないな…という感じでいたら、何も知らない親を「学校楽しくないのかな…」と思わせてしまったみたいで、「海外でも行ってみれば?」って。

そういう状態で留学したら、今度はホームシックになってしまって。それまでニュージーランドに住んでいた時期があったので、海外には慣れていると思ってたのですが、2年の期間で半分はずっと日本に帰りたいという気持ちで過ごして、残りの1年でようやくカナダの良さを知り始めて、楽しいピークで留学が終わってしまいました(笑)。この経験は、自分の中でもとても印象に残っています。

――北村一輝さん演じる教官・八女に見出される形で候補生となる役柄ですが、ご自身において見出してくれた方に当たる方はどなたになりますか?

唯一思い浮かぶのは、子どもの頃からお世話になっている美容師さんですね。親の知り合いでずっと良くしてもらっているのですが、芸能の仕事に興味を持っていることを誰にも言っていなかったのに、やりたいと思ったタイミングで「やってみれば?」と言っていただいたんです。それで今の事務所に入るきっかけにもなったので、本当にその方のおかげで今があるなと思います。

――では第4話を含め、ご自身の役柄の見どころをお願いします。

メンバー全員が何かを抱えて自衛官候補生として入隊したのですが、丸山は自己肯定感が低くて、得意なことでも他の人に負けるという挫折があって、「自分には何も残ってない…」というところまでいってしまいます。でも、そこから仲間や教官の支えがあって、もう一度頑張る姿を描いているので、そこにぜひ注目して観ていただきたいです。

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●時任勇気
1991年生まれ、ニュージーランド出身。17年に俳優デビュー。主な出演作にドラマ『24 JAPAN』(テレビ朝日)、『ドクターホワイト』(カンテレ)、『ちむどんどん』(NHK)など。9月9日には映画『HiGH&LOW THE WORST X』の公開が控える。