2018年3月30日から4月1日までの3日間、東京・丸の内の「KITTE 地下1階 東京シティアイ」にて、「コクヨハク 2018」が開催されています。
「コクヨハク」とは?
本連載では、ISOTや文具女子博などの各種文具イベントを紹介してきました。今回紹介する「コクヨハク」は、2013年から開催されています。エンドユーザーを対象としながらも、他のイベントや店舗での販売にはない各種の特徴があります。
具体的には、コクヨブランドやその製品、そして周辺の関係するものごと、例えばマンガや関連出版物、あるいは工場のある滋賀の特産品や滋賀工場(コクヨ工業滋賀)オリジナルの文具、などがあることです。今回は前夜祭の様子をレポートします。
会場限定の各種アイテムも
前夜祭は3月29日18時半から始まりました。まず主催者であるコクヨ ステーショナリー事業本部長 福井正浩氏が「製品をレストランのように見せたい。ちょっとした表現の仕方で魅力が引き出される。新しい魅力を発見してほしい」と挨拶。
続いて共催者の滋賀県東京本部 副本部長 小林雅史氏から、「コクヨとは、年間一億冊を製造するキャンパスノートの工場が県内にあることでの縁があり、各種の協力体制を構築している」といったことを含めた挨拶がありました。そして滋賀県のゆるキャラ、なまずの「キャッフィー」も登場しました。
会場は今年のコンセプトである「ステーショナリーレストラン」のトーンで統一されていました。例えば入り口にあるのは、デコレーションケーキのようなタワー。よく見ると、ドリンクボトルに入った文具でできています。
また「ドットライナー」や「測量野帳」といった同社の各種製品も、あたかもビュッフェの食材のようなディスプレイがされていました。会場内のスタッフもソムリエのような出で立ちで、雰囲気を盛り上げていました。
ユーザーにうれしいのはやはり会場限定の各種アイテムでしょうか。特に測量野帳は、今回のコンセプトにあわせて、限定色の「スイーツ野帳」が登場。また、超大型のノート「A3キャンパス スケッチブック」も注目のアイテムです。
滋賀県の特産品が出品されているのもコクヨハクならではでしょう。食材もそうですが、滋賀工場限定の各種ノートは、キャンパスノートにはない柄や琵琶湖の生物たちをモチーフにした表紙のものもあり、かわいらしいものが多数ありました。
コクヨのオンラインショップ「カウネット」扱いの文具も登場していたのもうれしいところです。ふだんはディスプレイで眺めることしかできないものが手に取って確認でき、購入までできるのはこのイベントならではでしょう。
そのすぐそばには、コクヨの高級ラインである「トライストラムス」ブランドの野帳カバーやシャープペンシルなどがありました。
文具周りのグッズも一堂に
筆者が面白く感じたのは、同社の文具のみならずその周辺のものも一堂に会していたことです。それは例えば『きまじめ姫と文房具王子』(藤原鳴呼子/小学館)のような文房具マンガであり(会場の一部ポップも同氏のイラストでした)、『コクヨのシンプル整理術』『コクヨのシンプルノート術』(いずれもコクヨ/KADOKAWA)、『測量野帳スタイルブック』(えい出版社)のような単行本やムックです。
変わったところでは、ルーズリーフに挟んで使える「中学1年生の5教科をまとめて整理するルーズリーフ」(学研プラス 1年~3年までの各種あり)なども展示・販売されていました。
いずれもほぼコクヨ関連という縛りはあるものの、製品とその周辺にあるものを広く見せてくれるという点で、文具の世界の広がりと可能性を感じさせられました。
通常のコクヨ製品だけでなく、高級ラインやオンラインショップ扱いのアイテム、また滋賀工場限定のものまでいっぺんに見ることができ、買うことができるのがコクヨハクの醍醐味だと言えるでしょう。
文具のイベントとして見るとエンドユーザーには楽しい限定品が多数あるものとして捉えられます。また一つの会社が自社製品を、通常の店舗とは見せ方(ディスプレイ)を変え、周辺のものも含めて凝縮して見せているさまは、他業種の方にも参考になるかもしれません。
コクヨハクは、2018年3月30日~4月1日。営業時間は、午前10時~午後8時(最終日は午後6時まで)。会場は、KITTE地下1階 東京シティアイ パフォーマンスゾーン(東京都千代田区丸の内2-7-2)です。
主催:コクヨ ステーショナリー事業本部 共催:滋賀県
舘神龍彦
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