アーティミス(ARTEMIS)は、カジュアルダイアリーやふせんなどのメーカー。かつてはあのほぼ日手帳に先駆け、1日1ページダイアリーを作っていたこともあるそうです。同社の展示会に出された、ダイアリーをはじめとする各種アイテムをレポートします。

新作「セパレートダイアリー」

同社のダイアリーの特徴は、月間のみのタイプが日曜始まりであること。月曜日始まりのダイアリーだと一般的なカレンダーと併用するときに違和感がありますが、同社のダイアリーならばその心配はないというわけです。

セパレートダイアリー。月間ブロックとノートそれぞれの冊子が一つのカバーの内側にセットされている。ノートは1日1ページ的に利用できる

新作のセパレートダイアリーは、月間ブロックのダイアリーと、方眼のノートを一つのカバーにおさめています。ノートは、メイン部分は方眼で、左下部にはサークルグラフをレイアウト。これは、時間軸での予定管理や円グラフの作成に利用できます。その横は罫線のスペースになっていて、ToDoリストにも使えそうです。96ページありますが、別売りの2冊セットもあるので安心です。

セパレートダイアリーのそれぞれの冊子を広げたところ。月間ブロックタイプは珍しい日曜始まり。同社のダイアリーは日曜始まりが多い

これは、1日1ページ手帳的な使い方にも対応できます。しかも日付入りのダイアリーと違って「何もない日が白くなって悩む」こともないというわけです。この手帳も[前回のESダイアリー)(http://news.mynavi.jp/column/tecyo2018/013/)で紹介したような、月間+ノートという構成が分冊になったものととらえられるからです。

セパレートダイアリーの色柄バリエーション。カジュアルダイアリーだが、シックな方眼柄などもあり、ビジネスシーンでも利用できる

面白いのは、カバーデザインがビジネスライクな格子柄のようなものから、パンダや幾何学模様など何種類もあること。これはカジュアルダイアリーを得意とする同社ならではの展開でしょう。

3年連用は4月始まり

2014年に登場してここ数年でぐっと伸びてきたアイテムが「3年連用手帳」です。ほぼ日が発表したことでもホットになってきた連用というジャンルですが、同社の新作が「4月始まり」。同種の手帳は1月1日からのものがほとんどだと思われますが、アーティミスの新作は4月1日からなのです。

3年連用手帳。4月始まり

同社デザイン室の恒松氏によれば、このタイプは登場後4年目に大きく伸びたそうで、年度の切り替えに合ったこの製品のコンセプトが、その間に理解、定着したと言うことでしょう。そして同社ならではの4月始まり連用タイプが市場にどう受け入れられるか楽しみです。

クリップステッカー。粘着力のあるシートでメモ用紙などをどこにでも貼れる。粘着面は洗えば粘着力が復活する

人気のミニチュアふせん各種。記入面が工事の看板やハガキなどとしてデザインされている

ワザアリ手帳用文具「DIARY+」シリーズ

同社はまた、B6のダイアリーと組み合わせて使える各種の文具も発売しています。それがDIARY+シリーズです。

ポーチ型手帳カバー。B6の手帳にかぶせて利用する。マチがあり収納力が大きい

ポーチや下敷き、カバーなどどれもダイアリーやノートと組み合わせることでちょっとした機能を付加できます。例えば「下敷きペンホルダー」では、その名の通り、下敷きとペンホルダーを組み合わせたアイテム。二つの機能を兼用させることで一つだけを持てばいいわけです。またペンを抜き出して下敷きを使うときにはペンホルダー部が邪魔にならない素材なのも理にかなっています。

ToDo下敷き。シートの左が時間軸、右がタスク欄で、ふせんと組み合わせて利用する。一体になった保護シートでふせんがはがれるのを防いでいる。ペンホルダー付き

下敷きペンホルダー。定規とペン収納機能が一体になったアイテム

また「ウィークデーポケット」は、手帳カバーの内側に挟み込むタイプのポケットで収納部が6箇所。これは月曜から土曜までに対応しており、それぞれの日に利用するカードや小物などが収納できます。

ウィークデーポケット。月曜から土曜のそれぞれに利用するカードや小物類を曜日ごとに収納。ポケットにセットして利用する

どれも同社のダイアリーとの併用を想定したB6サイズが中心ですが、サイズさえ合えば、他社のダイアリーにも積極的に使いたいアイテムばかりです。

デュポン社製樹脂素材のペンケースとブックカバー

一見紙に見えますがどちらも樹脂製。ソフトな風合いながらも柔らかくかつ丈夫です。またブックカバーは内側にサイズごとの折り目があり、目安の線が印刷してあります。

ペンケースも同じ素材です。手帳やノートの表紙に装着するタイプのペンケースはいろいろありますが、「ブックバンドペンケース」は、柔らかさが紙に近いので、ペンを取り出したときにペタンと平たくなり、記入するときにノートや手帳の記入面ででこぼこを比較的感じにくいのは大きなメリットでしょう。

ブックバンドペンケース。ペンが最大4本収納可能。紙のように軽くて耐水性もあり、ペンを取り出したときもかさばらないのが特徴。デュポン社の「TYVEC(タイベック)」というポリエチレンの不織布で作られている。手前の段は、「貼ってはがせる!カレンダーシール」。やはり日曜始まり

フリーサイズブックカバー。やはり「TYVEC(タイベック)」を利用している。軽く防水性がある。文庫本からA5サイズまでに対応。これは一番人気の「星座」

裏側にはガイドが印刷されていて、本のサイズに合わせやすい

粘着部があり、カバーがはがれにくい。水洗いすれば粘着力が回復する

合皮性素材「トスカーナ」シリーズ

革素材アイテムは高級な印象を持たせられる反面、重量や厚みがあり、また濡れに弱いので扱いが難しい面があります。革の高級感を持たせながら手軽に使えるのが同社の「トスカーナ」のシリーズです。

合皮のステーショナリー「トスカーナ」シリーズの好評アイテム「ポケットペンケース」。士業や医師などに好評。これはドレスシャツのポケットにさしたところ

その一つの「ポケットペンケース」は、ポケットに数本のペンをさしておき、そのまま取り出して利用できます。主に弁護士や税理士などの士業の人に人気だそうです。

ポケットペンケースを取り出したところ。ポケットにさした複数のペンがまとまった状態で、保持されているのが便利

このようにダイアリーやアクセサリーでも個性的なアイテムがそろっているアーティミスの各種アイテム。特に「DIARY+」シリーズの各アイテムは、他社の手帳と併用しても便利そうです。

執筆者プロフィール : 舘神龍彦

手帳評論家、ふせん大王。最新刊は『iPhone手帳術』(エイ出版社)。主な著書に『ふせんの技100』(エイ出版社)『システム手帳新入門!』(岩波書店)『意外と誰も教えてくれなかった手帳の基本』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)『手帳カスタマイズ術』(ダイヤモンド社)など。また「マツコの知らない世界」(TBS)、「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)などテレビ出演多数。手帳の種類を問わずにユーザーが集まって活用方法をシェアするリアルイベント「手帳オフ」を2007年から開催するなど、トレンドセッターでもある。手帳活用の基本をまとめた歌「手帳音頭」を作詞作曲、YouTubeで発表するなど意外と幅広い活動をしている。

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