役者の魅力をたっぷり味わえるハイテンションな『舞妓Haaaan!!!』

クドカンの最新作映画どす～。

はなこったら「どす～」だなんて、さっそく感化されてるわ。わかりやすい女ね。

いいじゃん。クドカンの作品はノリがよくて、楽しいんだから(笑)。

このノリ…ちょっと子供っぽくない? どーしてもわたしはついていけないんだけど。

テイストは『木更津キャッツアイ』『池袋ウエストゲートパーク』に近いよね。

だったら、テレビで十分。

別にいーじゃん! 映画は見たい人がお金払って見るもんなんだし(怒)。

まぁまぁ。ステラは宮藤官九郎に期待してるんだよ。

『GO』(2001年)では"在日"という難しいテーマを扱った原作を、独特の軽いテイストで描いて『なんて、オソロシイ脚本家だことっ!?』って、恐れをなしたのに……。何なの? この支離滅裂な映画は!

このファンタジックに壊れちゃってる感じがクドカンらしいじゃん。

……勝手にして。わたしは子役の須賀健太クンを大きなスクリーンで見たことだけを記憶にとどめるとするわ。

若くしてすでに舞妓の虜になっているカメラ小僧の役で出てたね。

彼が『花田少年史～幽霊と秘密のトンネル』(2006年)で日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞したのは納得。この少年を見てると、男が舞妓に心奪われる瞬間がよくわかるのよ。

舞妓好きの男は年齢を問わないらしい。お年寄りの代表として、今は亡き植木等が登場するしね。まだお元気な頃の姿をこうやってスクリーンで見られると、それだけで得した気分になったよ。

それにしても、ちょっとした脇役がすごく豪華ね! 修学旅行生役の山田孝之、医師役の北村一輝、置屋の女将役に吉行和子でしょ。それに、舞台演劇の第一人者・木場勝己が下足番役だもの。驚いたわ。

僕は、鬼塚が最初に訪れたお茶屋の女将を演じていた真矢みきの美しさにビックリしたよ。正直、それまで映画やテレビで見ているときは女性として魅力を感じなかったんだけど、今回は違う。鬼塚にやんわり、かつピシャリと「一見さんはお断り」を宣言するシーンでは、凛とした芯の強さを、そして事業を成功させた鬼塚を受け入れるときは、はんなりとした優しさを垣間見せるんだ。

すっかりファンになったみたいね。実はわたしもなの。劇中劇で演じたミュージカルが秀逸! さすが、元宝塚のトップスターだよね。声の張りや立ち振る舞いが光ってた! 本物を見られて得した気分。

何を当たり前のこと言ってるの! わかったようなことを言ってないで、彼女の本当の舞台を見なさいよね!!

はい……。

ステラは宝塚花組時代からのファンだったよね。

きゃっ。それは内緒。年がバレちゃうじゃない……。

演技派といえば、やっぱり堤真一。阿部サダヲ、柴咲コウと並んで3人が主役だけど、阿部サダヲのハイテンションに対抗できるのはこの人くらいじゃないかな? ほんと、いろんな役ができる役者さんだよね。

いやいや、柴咲コウの舞妓姿は、かわいかった。

それを言うなら、阿部サダヲの制服姿よ、ハマってて愛らしかった～!

そういえば、鬼塚が勤める鈴屋食品の社員役でMr.オクレが出てた。ひさびさに見たよ。それに、クドカン作品に欠かせない酒井若菜は舞妓役、お笑いコンビ「バナナマン」の日村勇紀もカメラ小僧役で登場してたね。

そんな、役者たちの好演が光るクドカン活劇どす。ポップコーン片手に気楽に楽しみましょ。