いよいよ物件探しを始めていきましょう!

物件探しを依頼した不動産会社の担当者さんから物件を紹介していただいたり、ポータルサイトなどで物件を検索して探していくことになりますが、立地の良し悪しは地図アプリなどで確認すれば、ある程度把握できるものの、その物件自体が良い物件なのか、良くない物件なのか、物件情報を眺めていても、あまりピンと来ない方も多いと思います。

今回は、具体的に中古マンションのどんなポイントを確認すれば、そのマンションの良し悪しを判断することができるのか、「物件の見極め方」についてお伝えしていきたいと思います。

  • ※写真はイメージ(PIXTA)

【1】「立地」- 周辺環境に懸念点はないか?

まずは住まい選びにおいて最も重要な「立地」です。

立地については地図アプリ等でマンション名を検索すれば、簡単に確認することができます。

日々利用するスーパーが近くにあるかどうか、小学校や中学校までの距離やルート、公園などの施設が充実しているかどうかなどを確認するようにしましょう。

駅から距離のある物件の場合は、バス停の場所や、最寄駅の駐輪場の場所なども確認すると良いでしょう。

ルート検索機能を使えば、最寄駅からの徒歩分数も簡単に調べることができますが、不動産ポータルサイト等に記載されている最寄駅からの徒歩分数は正しくないこともあるので、注意が必要です。

実際には最寄駅から徒歩12~13分ほどかかる物件でも、「10分」と記載されているようなことは多々ありますので、内見したいと思うような物件があった場合には、念の為、確認するようにしましょう。

※最寄駅からの徒歩分数は、「不動産の表示に関する公正競争規約」で、物件に最も近い駅の出入口から、マンションの敷地の最も駅から近い場所までの距離を、徒歩1分あたり80mという基準で計算するものと定められています。

また、地図アプリによっては航空写真を確認することもできるので、お部屋の方角や階数から、お部屋のだいたいの位置を事前に特定することもできます。

内見に行ってみたけど、日当たりや眺望が著しく悪かった…と無駄足にならないよう、内見する前に確認すると良いでしょう。

【2】「管理状態」- 駐輪場やごみ捨て場に乱れはないか?

一般的にマンションの日々の清掃等の管理業務は、外部の管理会社に委託していることがほとんどです。

管理の方式にも複数の種類があり、大きく分けると「委託管理」と「自主管理」の2種類、そして委託管理の中にも「常駐管理」「日勤(通勤)管理」「巡回管理」の3種類があります。

ポータルサイトや物件資料の「管理形態」という項目を確認すると記載されています。

日本にある、ほとんどのマンションが「委託管理」になりますが、一部、管理会社に管理を任せずに、所有者自らが管理をする「自主管理」の物件もあります。

全ての自主管理の物件がダメな物件とはいえないのですが、ネガティブな理由で自主管理を選択しているマンションも多いので、自主管理の物件は注意が必要です。

委託管理の中でも「常駐管理」や「日勤(通勤)管理」のマンションであれば、管理状態が良いことが多いので基本的には安心していただけますが、「巡回管理」のマンションの場合は、そのマンションの管理がうまく回っているかどうかを確認する必要があります。

マンションの管理の良し悪しは、現地の「駐輪場」と「ごみ捨て場」を確認すると、良くわかります。

駐輪場とごみ捨て場には管理状態がとてもよく表れるといわれており、駐輪場に錆びた自転車がたくさん放置されていたり、ごみ捨て場が著しく汚れているようなマンションは要注意です。

物件を実際に内見する際には、駐輪場とごみ捨て場も必ずチェックするようにしましょう。

【3】「修繕積立金総額 」- 将来の修繕に備えた積立がされているか?

マンションを購入すると、毎月、管理費と合わせて「修繕積立金」も徴収されます。各所有者で積み立ててきた修繕積立金を使って、マンションの壊れたところを直したり、12~13年に1度の頻度で行う、大規模修繕工事を行なったりします。

この修繕積立金がマンション全体でいくら貯まっているのかを表すのが「修繕積立金総額」です。

修繕積立金が全然貯まっていないと、適切な修繕を行なうことができず、マンションが老朽化していってしまったり、修繕積立金がどんどん値上がりしていってしまうリスクがあります。

状況によっては、大規模修修繕工事の際に「修繕一時金」として、各所有者に対して数十万~数百万円単位のお金が徴収されてしまったり、管理組合が外部の金融機関から借金せざるを得なくなってしまっているようなマンションもあります。

そうなってしまうと、マンションの資産価値にも大きく影響が及んできます。

気に入ったマンションが見つかった場合には、かならず修繕積立金が潤沢に積み立てられているかどうかを、契約前に確認するようにしましょう。

【4】「築年数」- 耐震性リスクに懸念がないか?

物件の築年数を気にされる方はとても多いですが、ただ単に古い・新しいだけを判断するのではなく、「耐震基準」を満たしているかどうか確認する必要があります。

1981年6月1日に建築基準法という法律が大きく改正され、耐震基準が一気に引き上げられました。

これより前の物件を、一般的に「旧耐震基準」といい、これよりも後に建てられた物件のことを「新耐震基準」といいます。

数年前までであれば、旧耐震基準時代に建てられたマンションであっても、住宅ローンが組めていたのですが、ここ数年で各金融機関の審査基準は厳しくなっており、旧耐震基準時代の物件は審査を受け付けないというような金融機関も非常に増えています。

今はまだ旧耐震基準時代の物件でローンを組める金融機関はありますが、将来、どこの金融機関も旧耐震基準時代の物件はNGとなってしまうと、次に購入する方が現金でしか購入することができない物件になってしまうので、大幅に値段を下げないと売れなくなってしまうリスクがあります。

また、今後高い確率で発生するといわれている「首都直下地震」などの巨大地震の発生リスクを考えると、現時点で数千万円ものお金を出して旧耐震基準時代の物件を選ぶ必要性は低いといえます。

旧耐震基準時代のマンションであっても、なかには適切な耐震補強工事がなされていて「耐震基準適合証明書」といった書類の取得が可能な物件や、安全性・資産性の高い物件もあるので、築年数の古い物件を選ぶ際には、しっかりとプロのアドバイスを受け、リスクも把握した上で購入するようにしましょう。

【5】「総戸数」- 総戸数が少なすぎないか?

そのマンションの中に何世帯住んでいるのかを表す「総戸数」も、とても重要な指標です。

総戸数が少なすぎると、一世帯あたりで負担しなければならない管理費や修繕積立金の割合が大きくなってしまうので、管理費や修繕積立金が値上がりするリスクが高くなります。

物件によっては、一般的なグレードのマンションであるにもかかわらず、管理費と修繕積立金が値上がりしてしまって、毎月5万円や6万円以上になってしまっているような物件もあります。

そうなってしまうと、将来、売却する際に敬遠されてしまうリスクがあるので、資産価値にも大きく影響してきます。

総戸数が大きければ大きいほど安心ということではありませんが、小さすぎるとリスクが高くなるため、少なくとも30戸以上あるような物件を選ぶと安心です。

また、総戸数が小さすぎると、マンションの管理組合の理事のお仕事がしょっちゅう回ってきてしまうという可能性もあります。

管理組合に積極的に関与していくことは非常に重要なことではあるものの、お仕事等がお忙しい方にとっては負担になってしまう場合もあります。

その観点も頭の片隅に入れておくと良いでしょう。

■まとめ

他にもチェックすべき項目はたくさんありますが、今回は、中でも重要な5つのポイントについて解説しました。

初めてマンションを購入する方が、全てのチェックポイントをご自身でチェックするのは至難の業です。

マンション自体の条件は良くても、その物件の価格設定が妥当かどうかなどを調べるのも、非常に難しいことです。

上記のような項目は最低限チェックしつつ、最終的に購入しても大丈夫そうかどうかの判断は、信頼できる不動産会社のプロのアドバイスを参考にするようにしましょう。