出産費用は健康保険の対象ではないため、本来は一旦医療機関の窓口で出産費用を支払わねばなりません。助成金があるとはいえ、出産費用は大金なので支払時の工面が難しい方もいらっしゃるでしょう。

その経済的負担を軽減するため、出産費用の「直接支払制度」と「受取代理」制度があります。かかりつけの病院などがその制度を導入しているかどうか、そして導入しているならどちらの制度なのかを確認しておいてください。

妊婦はその制度を利用するか、一旦医療機関に出産費用を支払い、加入している健康保険に直接請求するかを選択できます。クレジットカードで支払いたいなどのケースで利用されています。

直接支払制度とは

出産育児一時金の請求と受け取りを、妊婦に代わって医療機関などが行う制度です。出産育児一時金は直接医療機関などへ支給されるため、退院時に病院などの窓口で出産費用を全額支払う必要がなくなります。出産育児一時金が支給されるとは言え、一時的にも多額のお金を支払う事態を避けられます。

受け取り代理制度とは

妊婦などが加入する健康保険組合などに出産育児一時金の請求を行う際、出産する医療機関にその受け取りを委任することにより、直接その医療機関に出産育児一時金が支払われる制度です。

年間の分娩件数が100件以下の診療所や助産所、正常分娩にかかる収入の割合が50%以上の診療所や助産所を目安として、厚生労働省に届け出を行うことにより、導入することとなります。

※写真と本文は関係ありません

■ 筆者プロフィール: 佐藤章子

一級建築士・ファイナンシャルプランナー(CFP(R)・一級FP技能士)。建設会社や住宅メーカーで設計・商品開発・不動産活用などに従事。2001年に住まいと暮らしのコンサルタント事務所を開業。技術面・経済面双方から住まいづくりをアドバイス。