仕事というものは、慣れてくるとどうしてもルーティンワークに陥りがちです。しかし、ビジネスを成功させたいと思うのなら、少しでもいいので変化をもたらす試みも忘れてはいけません。もし、自分がそうした状況にいると感じたなら、この言葉の意味を噛みしめてください。

本日の孫子

『夫兵形象水。水之形避高而趨下、兵之形避實而撃虚。水因地而制流、兵因敵而制勝。故兵無常勢、水無常形』

(それ兵の形は水にかたどる。水の形は高きを避けて低きにおもむく。兵の形は実を避けて虚を撃つ。水は地によりて流を制し、兵は敵によりて勝を制す。故に兵に常勢なく、水に常形なし)

意味

軍のとる形というものは、水に一定の形が無く、様々に姿を変えて高い所を避けて低い所に向かっていくのと同じように、様々に姿を変え、そして兵などの充実しているところを避けて、充実していない敵のすきを攻撃することが大切である。水は地形の高低によってその時の流れ方を決めるが、軍も敵の虚実によって、その時の勝ち方を決めるものである。従って軍には敵に対して一定不変の勢いをとることがなく、様々な勢いに変化するのが勝利のために必要な条件であるという意味です。

解説です!

戦い方には、決まった法則などはなく、相手に予断を与えないように変幻することが大切だということを、水にたとえて言った言葉です。これは一般的な仕事においても通じることで、相手によって、同じような仕事であっても変化をつけて、できるだけベストな対応をとるように動くことが大切だということです。

こんなシーンで役立ちます!

同じような仕事を別の会社から受けることもあるでしょう。慣れていることなら、なおさらこれまでのやり方を踏まえて取りかかるのが普通です。しかし、よりビジネスチャンスを広げるためには、相手に応じて、少しでもやり方も変えるように心がけましょう。手慣れた方法は、確かに失敗の確率が低いのですが、広がりはしません。孫子は、状況によって自ら進んで変化することが勝利に結びつくと言っています。いろいろな形に姿を変える水のように柔軟な対応を心がけることが、より成功に結びつくことも忘れないようにしましょう。