戦いには攻守というものがあります。ビジネスで成功を収めるためには、攻めることはもちろん大切ですが、一方で、相手もこちらを打ち負かそうとしていることをつい忘れがちです。攻めることと同じくらいに護ることも大切である。上手く行っている時こそ、この言葉を思いだして振り返ってみてください!
本日の孫子
『進不可迎者、衝其虚也。退不可止者、遠而不可及也。故我欲戦、敵不得不与我戦者、攻其所必救也』
(進むもむかうべからざる者は、その虚をつけばなり。退くも止むべからざる者は、遠くしておよぶべからざればなり。故に我戦いを欲すれば、敵の我と戦わざるを得ざる者は、その必ず救う所を攻めるなればなり)
意味
相手の防御の弱いところを見抜いて、攻撃しないぞと見せかけながら、実はその部分を崩していけば自然に相手は崩壊していく。その逆に、自分たちの防御の弱いところが見抜かれると、その部分から防御は崩壊していくものであるという意味です。
解説です!
どんな強敵であっても、必ず弱点は存在します。攻撃する側は、そうした相手の弱点を見抜いて、正面から攻撃するのではなく、弱点を突くことで相手が自滅するように持ち込むことを考えると勝利することができます。逆に防御する側は、その弱点を弱点と悟られないようにして、さらに強い面を弱点と思わせるように攻撃させるようにして、相手にわざと攻撃させるのがいいと孫子は言っています。
こんなシーンで役立ちます!
情報化社会においては、こちらの利点や弱点なども、用心を重ねないと相手に悟られてしまうことが、しばしばあります。しかし、それを逆に利用して、わざと誤った情報を与えることで、相手を惑わせることも可能です。いわゆる「トラップ」というものを仕掛けることで、自分に有利な状況を生み出すわけです。そうした作戦も、時には必要かもしれません。ただし、それを実行するためには、自分たちの側の体制がキチンと整っている必要があり、いつでも使える戦法ではないことは、忘れてはいけませんね。