古く江戸時代から、食の都として発展してきた東京・日本橋。今回は、東京メトロ銀座・半蔵門線「三越前」駅から徒歩3分。目の前に首都高が走る昭和通り沿いにある「そばよし」をご紹介したい。
かつお節問屋ならではのサービスがニクい
こちらは、老舗の鰹節問屋が経営する立ち食いそば屋で、化学調味料不使用、ダシの効いた風味豊かなつゆが自慢の店だ。この日、訪問したのは10時過ぎ。客は5~6人の入り。場所がらランチタイムにはかなり混雑するため、時間に余裕があれば外すのがいいだろう。
のれんをくぐり、右手に券売機とカウンター。左手にスタンドテーブル席。イスはあるが、立ち食いしている人もちらほら見かける。正面突き当たりが厨房になっており、こちらで食券を渡す。今回の注文は「かきあげそば」(390円)と「半ライス」(80円)。ここに来たら、必ずライスは頼みたい。
待つこと3~4分。お盆に載せられているのは、そばとライス、そして、粉かつお。これはかつお節製造の際に出たもので、無料サービスのかけ放題である。ごはんにかけ、数滴醤油を垂らしていただく。これが驚くほどうまく(ぜいたくに生卵を落としても良し! )、そばをすするのを忘れてしまうほどだ。
もちろんそばのつゆも一級品。芳醇(ほうじゅん)な香りを放ち、やや酸味を感じる上品なつゆは、細い麺と、とろけたかき揚げに絡みつく。この味が500円でお釣りがくる値段で楽しめるなんて、驚異的なコストパフォーマンスである。
メディアでも多く紹介されており、立ち食いそばファンはもちろん、食を愛する人ならば必ず一度は立ち寄りたい名店。ぜひお試しあれ。
※記事中の情報は2016年5月取材時のもの
筆者プロフィール: 高山 洋介(たかやま ようすけ)
1981年生まれ。三重県出身、東京都在住。同人サークル「ENGELERS」にて、主に都内の銭湯を紹介した『東京銭湯』シリーズを制作している。