『白い巨塔』は山崎豊子の原作小説を映像化した人気作品です。1966年の映画化以来、日本では映画化1回、連続ドラマ化3回、スペシャルドラマ化2回と計6回にわたり映像化されています。また韓国でも連続ドラマ化されています。

本記事では、この『白い巨塔』の映像化作品について、歴代のキャストをご紹介します。

『白い巨塔』の歴代キャスト

『白い巨塔』の登場人物は、それぞれに下記のキャストが演じています。

役名 1966 1967 1978 1990 2003 2019
財前五郎 田宮二郎 佐藤慶 田宮二郎 村上弘明 唐沢寿明 岡田准一
里見脩二 田村高廣 根上淳 山本學 平田満 江口洋介 松山ケンイチ
花森ケイ子 小川真由美 寺田史 太地喜和子 池上季実子 黒木瞳 沢尻エリカ
東貞蔵教授 東野英治郎 山形勲 中村伸郎 二谷英明 石坂浩二 寺尾聰
鵜飼教授 小沢栄太郎 河津清三郎 小沢栄太郎 丹波哲郎 伊武雅刀 松重豊
大河内教授 加藤嘉 佐々木孝丸 加藤嘉 下元勉 品川徹 岸部一徳
柳原雅博 竹村洋介 田川恒夫 高橋長英 堤真一 伊藤英明 満島真之介
佃友弘 高原駿雄 久野四郎 河原崎長一郎 斎藤洋介 片岡孝太郎 八嶋智人
亀山君子 岡崎夏子 関弘子 松本典子 小鹿みき 西田尚美 美村里江
野坂教授 加藤武 武藤英司 小松方正 中尾彬 山上賢治 市川実日子
財前又一 石山健二郎 内田朝雄 曽我廼家明蝶 藤岡琢也 西田敏行 小林薫
財前杏子 長谷川待子 瞳麗子 生田悦子 高橋ひとみ 若村麻由美 夏帆
黒川きぬ 瀧花久子 なし 中北千枝子 なし 池内淳子 市毛良枝
東政子 岸輝子 木暮実千代 東恵美子 なし 高畑淳子 高島礼子
東佐枝子 藤村志保 村松英子 島田陽子 紺野美沙子 矢田亜希子 飯豊まりえ
里見三知代 白井玲子 なし 上村香子 石井めぐみ 水野真紀 徳永えり
船尾教授 滝沢修 中村伸郎 佐分利信 藤田敏八 中原丈雄 椎名桔平
佐々木庸平 南方伸夫 田武謙三 谷幹一 小鹿番 田山涼成 柳葉敏郎
佐々木よし江 村田扶実子 田中筆子 中村玉緒 坂本スミ子 かたせ梨乃 岸本加世子
佐々木庸一 なし なし 中島久之 なし 中村俊太 向井康二
関口弁護士 鈴木瑞穂 渥美国泰 児玉清 江藤潤 上川隆也 斎藤工
河野弁護士 清水将夫 清水元 北村和夫 近藤洋介 福島勝美 矢島健一
国平弁護士 なし なし 小林昭二 なし 及川光博 山崎育三郎

一部、名前や設定・性別などが変更されているキャラクターもいますが、概ね同じ人物が物語を展開していきます。

ストーリーもほぼ同じですが、1966年の映画版と1967年のドラマ版は、その当時に出版されていた原作『白い巨塔』で描かれた部分までの物語となっています。1978年版のドラマ版以降は、続編である『続・白い巨塔』も含み、主人公の栄光と凋落を描く展開となっています。

歴代『白い巨塔』のキャスト・あらすじ

ここからは歴代の映画・ドラマ版『白い巨塔』のキャストやあらすじを紹介していきます。

映画『白い巨塔』(1966)

あらすじ

国立浪速大学医学部では、第一外科の東教授の退官を前に、次期教授のポスト争いが起こっていた。第一外科助教授の財前五郎は最有力候補と言われていたが、その強すぎる名誉欲のために東教授から疎まれてしまう。東教授は財前の教授就任を阻止するため、金沢大学医学部の菊川教授を候補として推薦。財前は義父の財力を駆使して、死に物狂いで教授選に挑む。その頃、財前の誤診により胃がん患者が死亡してしまう。財前と同期で院内政治に興味のない里見助教授は、自らの信念に基づき、財前に不利な証言を行うが……。

出演/田宮二郎、田村高廣、東野英治郎、小沢栄太郎、加藤嘉、藤村志保、小川真由美
監督/山本薩夫
公開年/1966年

ドラマ『白い巨塔』(1967)

あらすじ

浪速大学・医学部の教授選挙をめぐる裏工作と、教授への野望に燃える外科医・財前五郎の野心を描く1967年のドラマ。外科医・財前五郎を佐藤慶が、財前の同期である内科医・里見脩二を根上淳が演じている。全26話。

出演/佐藤慶、根上淳、山形勲、河津清三郎、佐々木孝丸、村松英子、寺田史
監督/関川秀雄、伊賀山正光、永野靖忠
公開年/1967年

ドラマ『白い巨塔』(1978)

あらすじ

1966年版の映画で財前五郎を演じた田宮二郎がふたたび財前を演じた全31話のドラマ版。田宮は本作で製作も務めている。このドラマ版では、映画版完成後に書かれた続編の『続・白い巨塔』の結末まで描かれている。田宮二郎は本作が遺作となった。

出演/田宮二郎、山本學、中村伸郎、小沢栄太郎、加藤嘉、島田陽子、太地喜和子
演出/小林俊一、青木征夫
公開年/1978年

ドラマ『白い巨塔』(1990)

あらすじ

浪速大学の医学部教授として権力を握った財前五郎だが、がん患者・佐々木庸平の医療過誤の裁判で控訴審に追われる日々を送っていた。財前の下で働く若い医局員の柳原は、偽証を強いられて苦悩していた。財前と同期の内科助教授・里見は、遺族のために財前に不利な証言を行うが、財前から大学を追われることになる……。

財前が教授選を勝ち抜き、浪速大教授になってからを描いた前後編・全2話のスペシャルドラマ。村上弘明が財前を、平田満が里見を演じている。

出演/村上弘明、平田満、紺野美沙子、池上季実子、高橋ひとみ、藤岡琢也、堤真一
演出/池広一夫
公開年/1990年

ドラマ『白い巨塔』(2003)

あらすじ

浪速大学を舞台に、いまだ古い体質が残る大学病院医局での権力争いや、現代の医療裁判の様子を描いた全21話の連続ドラマ。唐沢寿明が財前を、江口洋介が里見を演じている。

基本的なストーリーは変わらないが、1960年代に描かれた原作から、医療や裁判に関する描写が現代に即した内容に大きくアップデートされている。劇中で財前がアウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所を訪問するシーンがあるが、本作が同収容所で初めてのロケを行ったフィクション作品となっている。

出演/唐沢寿明、江口洋介、石坂浩二、伊武雅刀、品川徹、矢田亜希子、黒木瞳
演出/西谷弘、河野圭太、村上正典、岩田和行
公開年/2003年

ドラマ『白い巨塔』(2019)

あらすじ

現代を舞台に、浪速大学医学部の教授選挙をめぐる医師たちの争いと医師たちのプライド、医療過誤をめぐる裁判の模様を描く。現代の最新医療現場が描かれており、財前の設定も「食道噴門がんの専門医」から「腹腔鏡のスペシャリスト」へと変わっている。

テレビ朝日の開局60周年記念作品として5夜連続のスペシャルドラマとして制作された。岡田准一が財前を、松山ケンイチが里見を演じている。

出演/岡田准一、松山ケンイチ、寺尾聰、松重豊、岸部一徳、飯豊まりえ、沢尻エリカ
監督/鶴橋康夫、常廣丈太
公開年/2019年

歴代の『白い巨塔』を視聴できる動画配信サービス

『白い巨塔』を初めて見るという方や、前に見たことはあるけれど、一気に見直したいという方は、定額制の動画配信サービスで視聴するのがよいでしょう。

2025年3月時点で『白い巨塔』が見られる主な動画配信サービスとしては以下があります。

Amazon・プライム・ビデオ

  • 映画『白い巨塔』(1966)

Netflix

  • ドラマ『白い巨塔』(2003)

U-NEXT

  • 映画『白い巨塔』(1966)

FOD

  • 映画『白い巨塔』(1966)
  • ドラマ『白い巨塔』(2003)

TELASA

  • ドラマ『白い巨塔』(2019)

現在、1966年の映画版と、2003年・2019年のドラマ版は動画配信サービスで見られます。

「白い巨塔」の初代作品からのキャストとあらすじを紹介しました

浪速大学医学部を舞台に、財前五郎と里見脩二という2人の医師を中心にして、医師の生きる道を描いた『白い巨塔』。大学病院の医局という閉ざされた世界で生きる医師たちの姿に迫る物語です。

田宮二郎を筆頭に、佐藤慶、村上弘明、唐沢寿明、岡田准一という実力派俳優たちが演じた主人公の財前五郎は、ある意味とても人間らしい人物です。名誉や出世のために他者を踏みつけにする冷酷な部分もありながら、田舎の母や部下を思いやる優しい心も持っている……。この人間らしい多面性が、時代を超えて人をひきつけ、何度も映像化される理由となっているのでしょう。

医療の技術は進歩しても、人の心のあり方は普遍的なもの。人間の生死に関わる医療現場を舞台に、その普遍的なものに迫る『白い巨塔』という物語、この機会にぜひ一度、見てみてください。

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