気になる女子がいるんだけれど、誰にでもやさしくて愛想のいい子なので、彼女の真意がつかめない--そんなとき、人は自分のことを振り返ってしまうものだと思います。

彼女と親しくしているA男は、黙って女子の言うことを聞けて、面倒見がいい長男タイプ。顔もそこそこ……よくはないけど悪くもない。あれ? それってオレにもあてはまってる。スペックは、ほぼ一緒だよな。それじゃ、オレとA男の違いって何だろう。A男のほうがちょっと無口で、少しポッチャリしてる。スポーツをやってこなかったタイプだけど、読書好きらしく博学。

自分はずっとスポーツしてきてガッシリ系、ジッとしているのがあまり好きではない。A男より明るいかもしれないけど、A男みたいにどんな話題にでもついていけるわけではない。オレとA男と彼女の3人で一緒にいることが多いけど、彼女は一体オレとA男、どっちのタイプが好みなのか。ううん、わからん……。

このように、自分を振り返ってみる。自分を客観的に見ようとするのはいいことだと思います。男性だけでなく女性も、好きな相手や気になる相手ができてはじめて、自分を遠くから見つめてみた。自分のスペックは、相手にどう見られるのか気になってきたという人は少なくないかもしれません。それでは、女の子は男子にどのようなスペックというか、条件を求めているのか。男子と女子の間で意見の食い違いはないか。そのあたりについて考えてみることにします。

男性の皆さんは、女の子はどうせお金があってイケメンで、背が高くてイケメンで、高学歴でイケメンで爽やか……みたいな男が好きなんだよね、というようなことをいまだに思っていたりするものです。スペック的には、何もかもが高めであること。容姿も、収入も、学歴や社会的地位も、いろいろな要素が高ければ、女の子はOKなんだ! と考えている人がまだまだたくさんいるようにみえます。

ところが、最近の女の子が「好きなタイプは? 」と聞かれてよく口にするのは、「フツウの男の人でいい」という言葉です。男性に「ふつう」を求めているのが、近ごろの女性の特徴といえます。とはいえ、何事も「ふつう」がいちばん難しいと思わないでもありません。女の子の求めるふつうとはどのようなものなのかといいますと、

・ファッションセンスがよくておしゃれ過ぎる人は、服にとてもお金がかかっているので、経済観念が心配。ふつうの服趣味か、ちょっとダサイいくらいの人がいい。

・あまり学歴が高かったりすると、上から目線で威張られそうでイヤ。ふつうの学歴の男の人がいい。

・料理ができたり、家事ができたり、生活の上で必要なことがふつうにできる。一方的に相手に何かを押し付けるのではなく、一緒にいて協力的な人。

・付き合っていると束縛してきたり、かまってほしがったりしない。ふつうに面倒くさくない人。

・どういった職業でもいいので、毎日まじめにコツコツと、ふつうに働いてくれる人。

・ふつうにやさしい人。

といったことを求めているようです。もちろん、中にはいまだに高学歴で高収入な男性がいいと考えている人もいると思います。それでも、最近の女子は、「高学歴とか高収入とかだと、それに伴う面倒もいろいろついてくる」ということをよくわかっているのです。

例えば、彼の実家は会社経営でお金持ちだけど、もし結婚したら私もその会社で働くことをほのめかされた。彼の親御さんの経営する会社で働くなんて、なんだか一日中彼の家族に束縛されてるみたい。もし、うまくいかなかったらどうするんだろう。面倒くさくなるような状況はいやだと思った。

高学歴で優秀な彼にどれだけお金をかけてきたか、自慢のように彼ママから言われる。確かに私も、彼のことはすごい努力家でえらいなぁと尊敬しているけど、毎度毎度、デートに母親がついてきて、息子の自慢話を聞かされるのもどうかと思う。これで結婚して、子どもが勉強できなかったら、私のせいみたいに言われちゃったりして。やだー、怖いーっ。というような話も耳にします。

このように、ありあまる想像力を駆使して、女の子は面倒くさい状況をさけて、楽しく安全に暮らして行こうとしているわけなのです。お金のためなら多少の精神的苦労はいとわないだとか、社会的ステイタスのためなら、それに伴う面倒もこなしてみせるとか、そういったことよりも、2人で仲良くトラブルを起こさないよう、面倒のないようにふつうに楽しくやっていきたいと考えるのが最近の女の子の特徴なのかもしれません。

ふつうって、それはそれで時に難しい部分もあるかもしれません。しかし、オレってふつうだよなぁとそれが弱点だと思っていた人は、逆に恋愛チャンスがたくさんあるんだと考えてみてはいかがでしょう。うん、やっぱり、ふつうっていいと思います。

酒井冬雪です。暑い、暑すぎます。家から出たくないがために、まだまだ『ドラクエⅩ』三昧です。自分の鍛冶のヘタっぷりにガクゼンとしています。残暑厳しいようですので、皆さん、くれぐれもお体ご自愛ください。では、またね。