退職は、いざ自分のことになると急に現実味が増します。「辞めたい」と思う瞬間はあっても、実際に辞めるかどうかは別問題。だからこそ、どんな理由でいつ頃その決断に近づくのか、その傾向を知っておくと冷静になれる場面があります。

  • 退職タイミング

今回は、20代〜50代の男女500人に実施したアンケート結果をもとに、退職にまつわる理由とタイミングを整理しました。

先に結論だけ挙げると、次の4つが目立ちます。

  • 退職理由で最も多いのは「人間関係」(18.7%)
  • 退職を考え始めた年齢は「20代後半」が最多
  • 勤続年数では「5〜10年目」が最多
  • 退職後の納得感は「辞め方(準備)」で変わりやすい

「いま退職が頭をよぎっている」という方は、判断材料のひとつとして眺めてみてください。

退職経験は7割 - 転職は一般的な選択

退職経験の有無を聞くと、結果はこうなりました。

  • ある: 68.4%
  • ない: 31.6%

約7割が退職経験あり。 転職は特別というより、人生のどこかで一度は職場を変える人が多いという実態が見えます。


【最新版】退職理由ランキングTOP10

退職経験がある人に、理由を選んでもらった結果がこちらです。

退職理由ランキング(上位ほど回答が多い)

  • 1位 上司や職場の人間関係に課題があった(18.7%)
  • 2位 給与・待遇に不満があった(15.2%)
  • 3位 仕事内容にやりがいを感じられなかった(11.1%)
  • 3位 勤務時間や働き方が自分に合わなかった(11.1%)
  • 5位 自分の適性や希望と業務内容が合わなかった(10.8%)
  • 5位 業務量が多く、負担が大きかった(10.8%)
  • 7位 他に挑戦したい仕事や目標ができた(9.9%)
  • 8位 会社の方針や将来性に不安を感じた(6.1%)
  • 9位 成長やスキルアップの機会が不足していた(4.1%)
  • 10位 評価や昇進の仕組みに納得できなかった(2%)

ぱっと見てわかるのは、上位に並ぶのが「人間関係」「待遇」「仕事内容」「働き方」といった、日々のストレスや納得感に直結する項目ばかりだということです。中でも人間関係は、改善が難しいのに毎日影響するという厄介さがあります。だからこそ、理由として表に出やすいのだと思います。

(関連記事)会社を辞めたいと思った理由10パターン

退職する人が多い年齢は? 【退職タイミング】

次に、「退職を考え始めた当時の年齢」です。

  • 20代後半: 28.1%
  • 20代前半: 18.7%
  • 30代前半: 16.7%
  • 30代後半: 14.9%
  • 40代前半: 10.8%
  • 40代後半: 5.6%
  • 50代以上: 5.3%

最多は「20代後半」でした。 働き始めた頃の勢いが落ち着き、仕事の現実が見えてくる時期でもあります。

なぜ20代後半で退職が増えるのか

20代後半というタイミングは、体感としてもいろいろなことが重なります。

  • 仕事の全体像がわかり、向き・不向きが言語化できるようになる
  • 同期や友人の転職・昇進などが見えて、比較が始まる
  • 生活面(結婚・転居など)も含めて、このままを考え始める

つまり、「辞めたい」という感情だけでなく、「辞めた後の選択肢」を現実として捉えられるようになる。それが、20代後半の退職検討を後押ししているのかもしれません。


退職を考える勤続年数は?【何年目が多い?】

  • 退職いつ考えたか

続いて、退職を考え始めた当時の勤続年数です。

  • 入社5〜10年目: 21.6%
  • 入社1〜3年目: 19.9%
  • 入社3〜5年目: 14.9%
  • 入社10年以上: 14%
  • 入社1年未満: 9.6%
  • 入社半年以内: 8.5%
  • 特定の出来事がきっかけ(昇進・異動・評価など): 6.7%
  • 覚えていない/断続的に考えていた: 4.7%

最多は「5〜10年目」。このあたりは、経験値が増える一方で次の景色が想像できてしまう時期でもあります。

なぜ5〜10年目で退職が増えるのか

  • 複数の仕事や部署を経験し、会社の良い面・悪い面が見える
  • 評価・昇進の見通しが立ち、将来像が具体化する
  • 「この会社で伸びるのか」「自分は何をしたいのか」を考え始める

一方で、「半年以内」「1年未満」に退職を考え始めた人も一定数います。昔のように、まず3年我慢が唯一の正解ではなく、合わないものを早めに見切る価値観も広がっているのだと思います。

退職という判断を振り返ってどう思う?

退職した人に、「当時の判断をいま振り返ってどう思うか」を聞きました。

ここが興味深いのは、同じ退職でも、受け止め方がかなり分かれる点です。

退職して良かった

  • 「自分で考えて動いた結果なので、後悔はない」(36歳男性)
  • 「友人が勤める会社に誘われて転職。苦労もあるが、年収がアップしたので満足」(39歳男性)
  • 「社内に会社の不満やグチを言う人が増えたのがきっかけ。今振り返っても良かったと思う」(32歳男性)
  • 「長くいても不満が募るだけなので辞めて正解だった」(39歳女性)
  • 「辞めていなかったら、ストレスで体を壊したと思うから」(42歳男性)

少し後悔

  • 「転職して正解だったが、転職先はもう少し探せばよかった」(56歳女性)
  • 「自分で抱え込んで退職したが、その前に職場で声をあげていたら違う道があったのかも」(35歳女性)
  • 「1年未満で退職したが、入社前に業界や企業研究をしっかりやるべきだったと反省」(50歳男性)
  • 「退職自体は後悔していないが、お金を増やす術をもう少し身に付けてから退職すればよかった」(32歳男性)

ポイント|満足度は辞めたことより辞め方で変わる

良かった人の多くは、「次の環境に納得できた」「心身が守れた」といった、今の安定を語っています。一方で後悔側は、「準備不足」「情報不足」「選び方」に言及する声が目立ちます。

退職の是非というより、辞めるまでの過程でどれだけ整理できていたかが、納得感を左右しているように見えます。

(関連記事)転職で後悔しないため - 企業を見分ける3つのポイント

アンケートから見えた「退職を考える人」の共通点

ここまでの結果をまとめると、退職を考え始める人が多いのは「20代後半」「勤続5〜10年目」。会社の中での立ち位置や、業務の全体像が見えてくるタイミングです。だからこそ、この先を想像できてしまうのだと思います。

退職理由の上位は、次の流れでした。

  • 上司や職場の人間関係に課題があった
  • 給与・待遇に不満があった
  • 仕事内容にやりがいを感じられなかった
  • 勤務時間や働き方が自分に合わなかった

人間関係・待遇・仕事内容の不満は世代を問わず起こりやすい一方、働き方への不満は、結婚・子育て・介護など生活の変化と結びついて強まることが多いのかもしれません。


まとめ|退職理由とタイミングの傾向

本調査から、退職理由として最も多いのは「人間関係」であり、退職を考えるタイミングは「20代後半」や「勤続5〜10年目」に集中していることがわかりました。そしてもうひとつ、見落としがちですが大事なのは、退職後の納得感は「辞めたこと」そのものより、辞めるまでにどれだけ準備し、整理していたかで変わりやすいという点です。迷いがあるときほど、「なぜ辞めたいのか」と「辞めた後にどうしたいのか」をいったん言葉にしてみる。今回のデータが、その整理のきっかけになればと思います。


調査概要

  • 調査時期: 2026年5月1日
  • 調査対象: マイナビニュース会員
  • 調査数: 男女合計500人(男性: 417人、女性: 83人)
  • 調査方法: インターネットログイン式アンケート