「辞めたくても辞められない」――

圧倒的な業務量、理不尽な人間関係、休日出勤の常態化。こうした“ブラック気味”な職場の現実は、個人の忍耐不足や気のせいではなく、構造的な働かせ方の問題として社会全体に広がっています。

厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況」によると、令和3年3月卒業者の就職後3年以内離職率は大学卒・高卒ともに3割超。さらに、労働政策研究・研修機構の分析では、小規模事業所ほど離職率が高く、待遇が厳しい現場ほど人材定着が難しい傾向が示されています。

本連載では、退職経験を持つマイナビニュース会員のリアルな声を、青木ぼんろさんの漫画で再現。「辞める」という選択をタブー視せず、働く環境の課題を“見える化”し、自分の生き方・働き方を立て直すヒントを探ります。

走馬灯のように

  • 1コマ目 退職の挨拶で 男性:「7年間ありがとうございました。本当に色々ありました…」
  • 2コマ目 男性:「思い返せば、皆さんとの楽しい仕事の思い出が…」 (同僚たちが穏やかに見つめる)
  • 3コマ目 男性(回想):「急な仕事で深夜まで残業してタクシーで帰ったとき…」 「“仕事終わらないのは個人的なことだろ?”と言われて、9千円を自腹で払った上に残業代も出なかったり」
  • 4コマ目 男性(涙をこらえながら):「……本当にきつかったな…」 同僚たち:「先輩、感極まってる」「泣いてる」

    退職の日、記憶を遡ったらつらい思い出ばかりだった

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退職の挨拶は感謝を伝える場のはずが、思い出すのは理不尽と忍耐の日々。
それでも「皆さんとの楽しい思い出」と言えるのは、たぶんもうそこを去る覚悟ができたから。働く人の涙には、悔しさと解放がいつも半分ずつ混ざっている、ということですね。


退職者を見て我がふり直せ

退職は、決してネガティブな終わりではなく、新しいキャリアや生き方を模索する始まりでもあります。企業にとっても、離職の背景を知ることは組織改善へのヒントになります。
“辞めること”をタブー視せず、“より良く働くための選択”として社会全体が受け止める――そんな空気が広がることが、働く人々の幸福度を高める第一歩になるのではないでしょうか。

退職・離職に関するアンケート

調査時期: 2024年11月19日
調査対象: マイナビニュース会員
調査数: 506人
調査方法: インターネットログイン式アンケート