いつの時代も恋に悩める男女は多いもの。ここでは、弊誌人気連載「理系のための恋愛論」の酒井冬雪先生が、皆さんの恋愛に関する悩みにお答えします。恋愛に悩んでいる人、まずは先生に相談してみましょう!

「悔しいけど……僕は男なんだな」

25歳女性です。付き合って半年の彼氏も同い年。飲み会で知り合い、私も彼もアニメ好きでそんな話で盛り上がり、付き合いだしました。

付き合いが長くなるにつれて、次第に彼の素が出てきたというか……。デートのとき、周りにたくさん人がいるようなところでアニメの台詞を大きな声で言うんです。私は人前で大きな声で「アニメ好きですー! 」とカミングアウトしているみたいで、恥ずかしくてなりません。家で二人のときにいうにはいいのですが、どうして公衆の面前でそんなことをいうのか理解ができません。

2人で食事に行ったとき。彼の嫌いな人参が彼のお皿に乗っていたので、「食べようか? 」とつまもうとしたら、「逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ」といい、人参を口に放り込みました。ものすごい表情で食べた後、「悔しいけど……僕は男なんだな」。隣の席の人が失笑していました。

ある日は、「チュウー」といって信号待ちのところでキスを迫ってくるのでドン引きして「イヤだよ! 」と怒ると、「お高く留まりやがって。あ、あんた、○○(私の名前)とか言ったよな」と。隣に立っていた若い男性グループが「うわー、カイ・シデンだぜー」と爆笑していました。

道を歩いていると、かわいい犬が飼い主待ちの様子。「かわいいー」と私が近寄ると、彼がぐっと犬の首輪を持って自分のほうを向かせ、「俺を信じろ。お前を信じる俺を信じろ」と。「天元突破グレンラガン」のセリフです。そのときちょうど飼い主さんが現れて、「何してるんですか!! 」と怒られました。

ある時は、乗りたい電車の時間が近づいているのに彼がゆっくり歩いているので「乗り遅れちゃうよ! 」というと、「……トランザム!!! 」といって超スピードで走っていきました。もういろいろと嫌になって彼を放って帰りました。

どうしてこんなに恥ずかしいことをするのでしょうか。いちいち構うのも疲れます。趣味は合うので別れたくないのですが、どうにかしてこの言動をやめさせたいです。

共通の趣味を2人で楽しむ道を

ええと、彼としては相談者さんへのネタでやっているわけではないのかしら。個人的には、ネタとしてやっているのでしたら、かわいいと思っちゃうのですけれど……。

とはいえ、ウケ狙いにしろ、本気で楽しんでいるにしろ、恋人が「イヤ」と思っていることを続けられては困りますね。でも、彼も男ですから、頭ごなしに「やめて」と言っても、なかなか素直に聞いてはくれないと思います。

「人がいっぱいいるところでは、そういうのやめない? 」「よそのワンちゃんにはやめておこうか」と言ってみてはどうでしょう。もしくは、「周囲に聞こえない、小さな声で私に言って」「家の中だけにしようね」と提案してみるとか。

彼の中の言ってみたい気持ち、やってみたい衝動は、きっと突然のひらめきのようにやってくるのでしょうから、事前に食い止めたり、一切やめてもらったりするのは、なかなかむずかしいかなと思います。100%やめるのがむずかしいのでしたら、お互いの妥協点や折り合いできるポイントをみつけるのがベストです。そのためにまずは、相談者さんから、「公衆の面前で、周囲に聞こえる声は本当に恥ずかしいからやめてほしいの。お願い」とかわいく言ってみて、いかに自分が本気で困っているかを伝える必要があります。

多分、相談者さんは彼のことがとても好きなんだと思います。その反面、恥ずかしいと思う気持ちや、いちいち構っていられないもどかしさも感じている。相談者さんは、とても社会性が高い女性、公共性や協調性を大切にしている人なのだと思います。そのあたりのご自分の性格と、彼の言動がマッチしなくて悩んでいるのかな、と……。

それでしたら、ご自分が大切にしていることを彼にわかってもらえるよう、話をしてあげてください。頭ごなしに怒ったり、自分の主張を押し付けたりせず、「自分が逆のことをされたらどう思う? 」「ハタから見たらどう思うかな? 」と、様々な角度から彼を説得してみてほしいです。

彼だって、大好きな彼女が困っていることを続けたくはないはずですから、本当に困っているんだからね、というところを上手に伝えてほしいと思います。2人で仲良く、共通の趣味を楽しんでいけることを祈ってます。

イラスト: 下薗慧子

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