老舗居酒屋チェーン「養老乃瀧」グループの新業態として2008年に誕生し、その脅威のリーズナブルさと、店名どおり、景気づけ的にぱーっと寄るのにぴったりの雰囲気、メニュー構成で、酒飲みから熱い支持を集めつづけている「一軒め酒場」。その人気メニューのひとつに「酒場のソース焼きそば」があります。

  • 酒のつまみとしての焼きそばの完成形と言える、一軒め酒場の「酒場のソース焼きそば」にインスパイアされた、“おつまみ特化型”焼きそばを作ります!

    「酒場のソース焼きそば」(税込み352円)

これ、大胆なことに、なんと「具なし」の焼きそばで、最大の特徴は、麺に焦げ目がつくくらいぱりっぱりに焼きあげてあること。そこに、青のり風味のあげだまとかつお節がたっぷりとかけてあり、ほんのりとしたジャンク感があとをひく、まさに「酒のつまみ」としての焼きそばの完成形と言えるような一品なんです。ふだん酒場では炭水化物をあまり食べない僕も、この焼きそばはマストで頼んでしまう。

今回は、これを自宅でお手軽再現しつつ、さらにおつまみ力と楽しさを高めるため、仕上げに“ある食材”も加えた一品を作っていきましょう!

焼きそば作りの工程に秘訣あり

まずはいきなりのポイント1! あげだまについて。

たとえば、おそば屋さんやうどん屋さんのあげだまって、揚げたてサクサクで、スーパーなどに並んでいる市販のものとは味も風味も段違いですよね。居酒屋もしかりで、たいていのお店には揚げものメニューがあるので、あげだまも本格派であることが多く、一軒め酒場も例外ではありません。

けれども、家でわざわざ、小麦粉を水で溶いて油で揚げてなんてことはやってられないですよね。特に晩酌前となれば。そこで僕が思いついた裏技。市販の、ごく普通〜の、お手頃なあげだまでいいので、それを買ってきて、使う直前に「砕く」! そうすることによって、そのまま使うよりもサクサクシャリシャリとした食感が際立つんです。

今回は一軒め酒場スタイルにのっとって、そこに青のりも加えていきましょう。

  • この2品を

  • 食品用ビニール袋に入れ

  • 砕きつつ混ぜる

砕きかたは、袋の上から、めん棒など、なにか固いものでばしばし叩く感じでいいと思うんですが、くれくぐれも、騒音や怪我にはご注意ください。あと、あんまり薄手の袋だと破れる可能性もあるので注意。ちなみに今回、僕は少し破れました。なので袋は、ジップバック的な厚手のもの推奨。もしくは、早く使い切ってしまえるようなら、商品が入っていた袋をそのまま叩くのもありかと。

続いてポイント2! 麺の炒めかたについて。

これ、以前になにかの記事で知って以来ずっと実践している作りかたなんですが、市販の焼きそばのパッケージの指示どおりに作るより、個人的には格段に美味しいと思える方法なんです。今回のおつまみ焼きそばに限らず、普通に焼きそばを作る際にも使える技なので、よかったらお試しあれ。

通常、いわゆる「マルちゃん焼そば」的な、オーソドックスな焼きそばを作る場合、具材と麺を炒めて、そこに水を足してからソースを絡めますよね。もちろんそれでも美味しくできるし、そもそも好みの問題ではあるのですが、このレシピでは、水を使いません。そのほうが、パリッと軽快な仕上がりになるんですよね。

まず、弱火にかけたフライパンにいきなり麺を入れてしまい、そこに大さじ1程度の酒をふりかけておきます。

  • いきなり麺から

それを5分くらいほうっておき、菜箸で全体を混ぜると、麺がぱらりとほぐれるくらいになっていると思います。

  • 全体をほぐして

そうしたら、酒がとぶまでそのままにしておきましょう。気になるようならば、たまに全体を返しながら。

その間、今回の焼きそばに唯一添えるトッピングをささっと用意しておきましょう。そのトッピングというのが、タコさんウインナー。作りかたの説明、というほどのこともないと思いますが、市販の赤ウインナーの半分の位置まで十字に切れ込みを入れ、麺とは別のフライパンで炒めていきます(コンロがひと口の場合は、麺ができてから手早く作れば大丈夫)。

  • 油をひいたフライパンを弱〜中火くらいにして

  • じゅーっと

  • 【写真】トッピングは「タコさんウインナー」。特に焼きそば好きの方には試してみてほしい「おつまみ特化型焼きそば」です

    足が開いてきたら、いったん立たせてあげると下面もしっかり焼けます

  • こんな感じ

さぁ、いよいよ仕上げに入っていきましょう。しっかり火の通った麺に、付属の粉末ソースと、大さじ1のごま油を回しかけ、全体をよく混ぜます。

  • 潔いほどの具なし感

そしたらそこから、中火くらいで麺をよ〜く、ちょっと焦げ目がつくくらいまでかりっと炒めていきましょう。このとき、あんまり頻繁にかき混ぜないのがポイント。しばらく動かさずに下面に焦げ目がついたら、ざっくりとひっくり返してまた別の面を焼く。というイメージで。

  • こんな感じに

そうしたらそこへ、砕きあげだま、かつお節、お好みで七味唐辛子などをのせる。

  • 一軒め酒場インスパイア焼きそば

そして仕上げに、周囲にタコさんウインナーたちをあしらってやれば、完成!

  • 「おつまみソース焼きそば feat.タコさんウインナー」

これ、当然万人におすすめできるんですが、特に焼きそば好きの方には試してみてほしい逸品です。

  • おつまみ特化型焼きそば

パリッと軽快に焼きあがった麺が、ざくざくとしたあげだまをはじめとしたアクセント食材たちとあいまって、本当にやみつきになる美味しさ。一般的な焼きそばのように、ずるずるーっと勢いよくすするというよりは、小さめのひと口ひと口をゆっくりもしゃもしゃ味わいつつのほうがより美味しく感じるのも、まさにおつまみ向き。

そして合間に食べるぷりんとしたタコさんウインナーが、妙に相性抜群なんですよね。

すでにこのままでも完璧な存在感であるものの、もちろんお好きな方は、紅しょうがやマヨネーズなどのアクセントを加えても。

  • ただし、お酒のすすみすぎ注意!

作りかた

【材料】

・市販の生麺タイプ焼きそば:1人前
・あげだま:好きなだけ
・青のり:好きなだけ
・酒:大さじ1
・ごま油:大さじ1
・赤ウインナー:好きなだけ

【作りかた】

1.弱火にかけたフライパンに麺を入れ、大さじ1の酒をかける。
2.全体が温まり酒がとんだら、付属のソースとごま油1を加え、よく混ぜる。
3.中火でじっくり、麺に焦げ目がつくくらいまで炒める。
4.同時進行で、十字に切れ込みを入れた赤ウインナーをフライパンで炒め、タコさんウインナーを作っておく。
5.焼きあがった麺の上に、青のりを加えて砕いたあげだま、かつお節、七味などをのせ、周囲にタコさんウインナーをあしらう。