突然ですが、みなさん「世界で一番小さい街」をご存知ですか? ローマのバチカン? 残念、あれは「国」ですね。正解はベルギーにある「デュルビュイ(Durbuy)」です。
どこよ、そこ? もちろん筆者も知りませんでした。先日、ベルギーを訪問する機会があり、この街も行くことができたので紹介します。
世界一小さい街はどこよ
デュルビュイはベルギー南部ワロン地方にあります。と聞いても、どこだよ! と思いますよね。私もいまいち把握できていませんが、地図で見るとなんとなく分かります。
つまり、車で行かないと大変だわ、という場所。公共交通機関でも行けるようですが、乗り換えなど、旅人レベルの低い筆者には難易度が高いので、車で運んでもらいました。
ちなみに公式ウェブサイトである「ベルギー観光局ワロン地方」によると
鉄道最寄り駅はバルヴォーBarvaux。
バルヴォーへはブリュッセルからICでリエージュLi ege-Guillemins乗換え。
またはブリュッセルからルクセンブルク行きのICでマルロワMarloie乗り換え。
どちらも所要時間は約2時間10分。
バルヴォーからはタクシーで10分ほど。時期によっては1日に4便シャトルバスがある。 バルヴォー駅は無人駅で客待ちのタクシーはいない。
タクシー利用は電話で呼ぶ。
となっています。
リアルドラクエの街
現地に着くと、街の広報をになう人が出迎えてくれました。Rodolphe Broheeさん、気さくでにこやかなナイスミドル。
Rodolpheさんによると、街の住人は50人ほどで、うち12歳以下の子どもは4人とのこと。街というより、村ですね。なお建物は、18世紀に城壁として使われていた石を利用して建てられたと言います。
そうした歴史もあってか、この街は2007年欧州観光フォーラムで、「卓越した欧州の旅行先・EDEN賞(European Destination of Excellence)」を受賞するなど、夏の週末は観光客がたくさん来るそうですよ。
そして、街の全体地図が壁にありましたが、「やべー、ドラクエの世界だ!」という感想。
実際、中世の頃からほとんど変わっていない、石畳の道や石造りの家が立ち並ぶ様子はドラクエかゲーム・オブ・スローンズの世界そのもの。スライムが目の前に現れても違和感なし。
どんだけ小さいのよ
街の面積は2ヘクタールほど、と聞いても実感がわきません。やはり街は歩かないと駄目だ! ということで、筆者得意の徒歩で周回してみました。
グーグルマップで確認、グレーの部分が実際に歩いたルートです。
週末の散歩が趣味である私からすると、拍子抜けするほど簡単に回れます、道も迷いようがないし。およそ12~13分程度、万歩計アプリで見ると、1,200歩くらいなので、およそ1キロ程度でしょうか?
ちなみにRodolpheさんがくれた市内マップ(日本語版あり)によると、街が奨励する公式散策ルートは1時間となっています。このマップは街の観光案内所に置いてます。
それぞれの歴史的背景などを観光しながらみると、1時間かかるということなのでしょう。それでも「たった」1時間ですからね。ブリュッセルもそうでしたが、レベルの低い旅人が観光するには良い気がします。
人気のたんぽぽジャム
日本からの観光客は年間2万人ほどで、必ず買うという大人気のギフトがあるということなので、そのお店へ行ってみました。どこへ行くにも、街中なら徒歩で2~3分ですから(笑)
お店は「Confiturerie Saint-Amour」というジャム工房。ここもドラクエの武器屋のような店構えですねー。
そしてお目当ての品は「たんぽぽジャム」で、みなさん買っていくとのこと。もちろん、たんぽぽ以外にも充実していて、定番のイチゴジャムやブルーベリージャム、ラズベリージャムなど、いろいろな種類が売られています。
ちなみにたんぽぽジャムの大きいサイズは3.10ユーロ、小さいのは2ユーロ。小さいサイズはお土産にはよさげですね。また、お土産ばかりでなく、街が小さいのに、レストランが多いことも特徴で、伝統料理の店からフュージョン料理までそろっているようです。
そして、デュルビュイは埼玉県の羽生市の姉妹都市で1999年には現在の天皇・皇后(当時は皇太子と皇太子妃)が訪問し、その石碑もあります。
日本と意外と縁が深い、世界一小さい街。徒歩でのんびり街を散策したい海外旅行ビギナーには、訪れると面白い場所ではないでしょうか。もちろん、ドラクエ好きにもありでしょう。しらんけど。
取材協力:ベルギー連邦政府