過労自殺しかけた経験を描いた書籍「『死ぬくらいなら会社辞めれば』ができない理由」の著者である汐街コナさんが、会社から身を守るための処世術などを紹介する漫画連載「会社につぶされないために」。今回のテーマは「学習性無力感」です。

ある日突然、絵が描けなくなる

会社とはあまり関係のない話になってしまいましたが、この「学習性無力感」に陥る人はけっこういるのではと思い、描かせていただきました。

私の場合は、本当に急でした。神経でも切れたかと思うくらい、ある日突然、どうしても描けなくなりました。正確には、描こうとすると私の頭の中で、誰かが手をピタリと止めるのです。

「いや、その案だと、どうせこう言われてボツになるよ」「その案は、ここもそこもダメだから、やめておいた方がいいよ」と。

頭の中に自分にダメ出しをして、自分を縛ってしまう、もう一人の自分がいるような感じでした。

しかし、ダメでも何でも、まずは描き出してみないと、他の案に結び付けてゆくこともできません。まず行動しないと、何も変わりません。それも頭でわかっているのに、どうしても体が動かないのです。本当に物理的に縛られたような感覚でした。

何年も描き続けてきて初めての経験で、本当にまいりました。結局そこからの復活はほぼできず、そこで一度漫画家は諦めました。そして、「体は健康なのに動けない・働けない」という人には、似たような状況に陥っている方もいるのではと思いました。

次回に続きます。