3月24日から、東京メトロで新たなポイントサービス「メトロポイントクラブ(通称:メトポ)」がスタートした。東京メトロでは以前からクレジットカード「To Me CARD」会員向けに「メトロポイントPlus」のサービスを提供しているが、「メトポ」は手持ちのPASMOを登録すれば誰でも利用でき、「To Me CARD」会員は「メトロポイントPlus」との併用も可能となっている(メトポとメトロポイントPlusの合算は不可)。

  • 東京メトロの新ポイントプログラム「メトポ」がスタート

メトポに登録したPASMOを使って東京メトロに乗車(定期券面区間を除く)すると、1日につき平日は3ポイント、土休日は7ポイントが貯まる。さらに月に10回乗車するたびにボーナスとして10ポイント。貯まったポイントは東京メトロの多機能券売機で、10ポイント=10円単位でPASMOにチャージできる。

東京メトロでは、IC乗車券での初乗り運賃が165円となっているため、平日に乗車した場合の還元率は最高で1.8%。往復だったとしても0.9%となる計算だ。土休日であれば最高4.2%。PASMOへのチャージでポイントが貯まるクレジットカードを利用すれば、さらに還元率はアップすることになる。

PASMOにチャージできるクレジットカードは、首都圏の私鉄各社が提携するものを中心に多数発行されているが、東京メトロを使うことを前提に考えるなら「To Me CARD」がいいだろう。前述したように「To Me CARD」会員は「メトロポイントPlus」のサービスを設定すると、PASMOの利用などでポイントが貯まるからだ。

ポイントの貯まり方は「To Me CARD」の種類によって異なるが、「メトポ」は東京メトロの乗車に対するポイントが1日1回までしか貯まらないことに対して、「メトロポイントPlus」は乗車1回ごとにポイントが貯まる(定期券面区間を除く)。また、売店のMETRO'S、Echikaなど、駅の商業施設や自動販売機を中心としたメトロポイントPlus加盟店でPASMO払いをした際にもポイントが貯まる。

現在、「To Me CARD」は大きく分けて以下の4種類が発行されている。

  • To Me CARD(一般)
  • ANA To Me CARD PASMO JCB(ソラチカカード)
  • To Me CARD Prime
  • To Me CARD(ゴールド)

同じ種類でも複数のカード会社から発行されている場合もあり、クレジット利用に対して貯まるポイントの種類や還元率も異なる。すべて紹介すると、かなり複雑になってしまうので、ここでは年会費とPASMO利用時に貯まるメトロポイントPlusについてだけ以下の表にまとめた。なお、いずれもPASMOにクレジットでのオートチャージが可能で、クレジット利用に対してのポイント(カード会社ポイントまたはメトロポイント)も貯まる。

  • ※ソラチカカードは初年度年会費無料
    ※Primeは初年度年会費無料で、クレジット利用額が年間50万円以上で次年度も無料

たとえば月に10日間、平日に1往復の乗車をした場合、1年間で乗車によって貯まるメトロポイントPlusは、一般が480ポイント、ソラチカが1,200ポイント、Primeが2,400ポイント、ゴールドが4,800ポイントとなる。これに加えてメトポが600ポイント、PASMOへのオートチャージに対するクレジット利用分のポイントも貯まる。0.5%還元の一般カードでチャージしたPASMOを使って、すべて初乗り運賃で乗車した場合でも、還元率は3.2%だ。

一般とPrimeの年会費差は2,160円。上記の条件で貯まるメトロポイントPlusの差は1,920ポイント。これに土休日の乗車が月に1往復でも加わるなら、年会費を加味してもPrimeのほうが得になる。なお、Primeは年間50万円以上のクレジット利用で、次年度年会費が無料となり、年間利用額に応じたボーナスポイントもある。条件をクリアできるなら、迷わずPrimeを選ぶべきだ。

ソラチカはPrimeと比べて乗車ポイントが下がるが、メトロポイントPlusをANAのマイルに交換する場合に、他カードと比べて交換レートが有利になる特典がある。利用の仕方にもよるが、ANAのマイルを貯めている人であれば、結果的にソラチカのほうが得するケースがほとんどだろう。

最も乗車ポイントが貯まりやすいのはゴールドだが、乗車ポイントだけで年会費の差額を上回るのは難しい。その分、国内主要空港のラウンジが利用できたり、付帯保険が充実していたり、クレジット利用に対するポイント還元率が高く設定されているので、こうした点にメリットを感じる人が選ぶべきだろう。

2018年5月31日までは、メトポに登録したPASMOを使って、登録から30日以内に2回以上東京メトロに乗車(定期券面区間を除く)すると、もれなく500ポイントがプレゼントされるキャンペーンも開催。これまでなんとなくSuicaを使っていた人も、この機会にPASMOへの乗り換えや併用を検討してみてはいかがだろうか?

(※クレジットカードの用語などは以下を参照)

『シーンで選ぶクレジットカード活用術 (1) 最低限知っておいてほしい基礎知識』

※本記事で紹介したサービス内容は、消費税率8%を前提とした更新日時点の情報です。ポイント価値は編集部にて算出。利用方法によって上下する場合があります。また、各サービスには一部対象外となるケースがあります。ご利用の際は公式サイトなどで最新の情報をご確認ください。

■ 筆者プロフィール: タナカヒロシ(ライター・編集者)

普段は音楽やエンタメ関係の仕事が多いが、過去に勤めていた会社の都合でクレジットカード本を作ったことをきっかけに、クレジットカード、電子マネー、ポイントなどに詳しくなる。以降、定期的にクレジットカードのムック本を編集・執筆。3月8日発売の『最強クレジットカードガイド2017 本当にトクするカードの選び方・使い方=写真=』(角川SSCムック)では、編集統括および記事の大部分を執筆している。