コロナ禍によって落ち込んだ消費を回復させようと、各地の地方自治体が様々な施策を行なっているが、そのなかにはキャッシュレス決済を活用したキャンペーンもある。今回は「PayPay」と「LINE Pay」が地方自治体と共同で行なっているキャンペーンを紹介する。

4月の「PayPay」は6自治体で20%還元を実施

「PayPay」は「あなたのまちを応援プロジェクト」として、現在までに142自治体と、のべ186回の共同キャンペーンを実施。2021年4月も岩手県釜石市、山形県鶴岡市、東京都中央区、富山県砺波市、兵庫県加西市、長崎県壱岐市の6自治体でキャンペーンが行なわれる。

  • PayPayと地方自治体による「あなたのまちを応援プロジェクト」

いずれも期間中に対象地域内の対象店で、後述する指定の支払い方法で「PayPay」を使って決済すると、20%のPayPayボーナスが還元される。対象店は対象地域内すべての加盟店というわけではなく、地域によっては中小規模店のみの場合もあり、アプリのマップ上で確認可能。店頭にもポスターなどが掲出される。

  • マップ上では「応援」の冠が付いたアイコンが表示され、対象店のみに絞り込むこともできる

  • (左)山形県鶴岡市のキャンペーンポスター。(右)キャンペーンや店舗によってはノボリが掲出されている場合もある(写真は山形県鶴岡市)

気をつけたいのは先述した支払い方法。「PayPay」には事前にチャージした残高、登録したクレジットカード、利用翌月27日に残高または清算用口座から自動で引き落とされる「PayPayあと払い(一括のみ)」の3種類の支払い方法がある。

このうちクレジットカードは国際ブランドがVisaまたはMastercardであれば、どのカードでも登録可能だが、キャンペーンの対象になるのは「Yahoo! JAPANカード」のみ。それ以外のクレジットカードはキャンペーン対象外になる。

なお、「Yahoo! JAPANカード」のみ国際ブランドがJCBでも、支払い方法に登録できる。

還元されるPayPayボーナスは、自治体ごとに付与上限が定められており、下表の通り。PayPayボーナスはPayPay残高として、「PayPay」での買い物に利用できるが、出金や他のユーザーに残高を送る機能、わりかん機能では利用できない。

「PayPay」では5月以降も全国各地の自治体と共同キャンペーンを予定。開催予定の自治体は公式サイトにまとめられているので、近隣の地域や旅行予定の地域が対象になっていないか、定期的にチェックしておこう。

  • キャンペーン開催状況は公式サイトで確認できる

「LINE Pay」は東京都港区で50%還元

「LINE Pay」は東京都港区で「VISIT MINATO 応援キャンペーン」を開催中。実は昨年10月から開始していたキャンペーンだが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて一時停止しており、この3月22日に再開したばかり。

  • 東京都港区とLINE Payによる「VISIT MINATO 応援キャンペーン」

キャンペーンは港区内の対象店・施設で、後述する指定の支払い方法で「LINE Pay」で決済すると、50%のLINEポイントが還元される。還元上限は5,000ポイント。予算上限額(総事業費3億円)に達した時点で終了となる。

対象店・施設は約300あり、観光施設、美術館、水族館、寺社仏閣、宿泊施設、舟運・交通関連事業者のほか、一部の飲食店なども含まれる。港区観光協会の公式サイトではマップから確認でき、店・施設によってはレジなどにPOPも掲出される。なお、対象施設でもテナントや売り場によっては対象外の場合があり、詳細なリストはマップ上部にあるアイコンをタップ(またはクリック)し、表示された施設名をタップすると確認できる。

  • 港区観光協会の公式サイトではマップから対象店・施設が確認可能。上部のアイコンをクリックすると一覧が表示される

  • 対象店・施設で掲出されるPOP

還元対象となる支払い方法は、「LINE Pay」アプリを使ったコード支払い、または「LINE」アプリ内の「ウォレット」タブからのコード支払いのみ。また、事前にチャージしたLINE Pay残高を使った支払いのみが還元対象で、紐付けたクレジットカードから支払う「チャージ&ペイ」を使った場合は対象外。支払いにLINEポイントを充当した場合も、充当分を差し引いた金額のみが還元対象となる。

  • 対象店を利用した際の決済画面。194円の支払いに対して、97ポイントが獲得予定として表示されている

還元されるLINEポイントは、1ポイント=1円として「LINE Pay」での支払い時に利用できるほか、LINEの各種サービスでも支払いに利用可能。また、PayPayボーナスにも交換できる。

キャッシュレス決済を使ったキャンペーンは、地域振興券などの発行と比べ、印刷や換金のコストが抑えられることから、今後さらに導入する自治体が増えると予想される。地元住民でなくとも利用できる場合が多いので、キャンペーンをきっかけに対象地域を訪れてみるなど、旅先を決める際の参考にしてみてもいいだろう。

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