クレジットカード、電子マネー、バーコード決済など、最近は複数の支払い方法に対応した店も増えているが、そのなかでもいち早く新しい決済サービスを取り入れているのがコンビニのローソンだ。

2019年6月現在、バーコード決済だけでも11種類に対応するなど、主要な支払い方法は網羅。今回はローソンで利用できる決済サービスをまとめたので、参考にしてほしい。

  • 「セルフレジ」や「ローソンスマホレジ」も使えるローソン ゲートシティ大崎アトリウム店

支払いに利用できる決済サービス

現在、ローソンで利用できる決済サービスは、大きく分けると「現金」「クレジットカード(国際ブランド)」「電子マネー」「バーコード決済」「プリペイドカード」「ポイントカード」となる。

ただし、テレホンカード類、バスカード・各種乗車券・回数券、各種商品券、QUOカード、切手・ハガキ・印紙、一部のLoppi取次サービス、公共料金・収納代行票などは、現金のみでしか支払いができない。現金以外の支払い方法について、ひとつずつ解説していこう。

■クレジットカード
ここで言う「クレジットカード」は、VisaやMastercardなどのいわゆる「国際ブランド」を使った支払いのこと。デビットカードやプリペイドカードでも、国際ブランドが付いていればクレジットカードと同様に利用可能だ。

対応している国際ブランドはVisa、Mastercard、JCB、アメリカン・エキスプレス、ダイナースクラブ、銀聯(ぎんれん)、ディスカバーの7種類。レジでは国際ブランドの種類を指定する必要はなく、「クレジットカードで」と伝えるだけで問題ない。

銀聯以外の国際ブランドは、支払い金額が1万円以上の場合、サインまたは暗証番号の入力が必要になる。逆に言えば、1万円未満はサイン不要で支払い可能だ。銀聯は金額に限らず暗証番号の入力が必要で、1万円以上の場合は追加でサインを求められることがある。いずれの国際ブランドも、支払い方法は1回払いのみとなる。

カードは、磁気部分を端末にスワイプさせて支払う方法のほか、カードにICチップが付いていれば、端末に挿し込んでの支払いも可能。Visa、Mastercard、JCB、アメリカン・エキスプレスに関しては、端末にタッチするだけで支払えるコンタクトレス決済も利用できる(対応カードのみ)。Mastercard、JCB、アメリカン・エキスプレスは、iPhoneのWalletアプリにカードを登録しておけば、iPhoneを端末にタッチしての支払いも可能だ(iPhoneのバージョンおよびカードの発行会社によっては利用不可)。

■電子マネー
端末にタッチするだけで支払える電子マネーは、iD、QUICPay、楽天Edy、WAON、交通系電子マネーが利用可能。交通系電子マネーはSuica、PASMO、Kitaca、TOICA、manaca、ICOCA、PiTaPa、SUGOCA、nimoca、はやかけんの10種類を指すが、PiTaPaは一部店舗のみの対応となる。

レジでは利用する電子マネーの種類を指定する必要があるが、「Apple Payで」と指定した場合は、メインカードに設定されたカードの電子マネー(Suica、iD、QUICPay)で支払いが行われる。また、iDとQUICPayに関しては、利用金額によってはサインが必要になる場合がある。

■バーコード決済
昨今はスマートフォンで利用できるバーコード決済のサービスが乱立しているが、ローソンは11種類に対応。LINE Pay、PayPay、楽天ペイ、d払い、Origami Pay、QUOカードPay、メルペイ、au PAY、支付宝(Alipay)、微信支付(WeChat Pay)、Naver Payが利用できる。

レジ側の画面は「バーコード」で統一されているため、いずれも「バーコードで」と伝えるだけで店員は理解できるようになっている。支払いの際は読み取りやすいように、画面を明るくしておいたほうが好ましい。なお、液晶に傷やヒビが入っていると、読み取りできない場合もあるので注意しよう。

利用するバーコード決済のサービスによっては、上限額が設定されている場合がある。たとえば楽天ペイの場合は1日4,000円が上限。PayPayは設定によっては過去30日で5,000円が上限となる。詳しくはローソンの公式サイトで確認してほしい。

■プリペイドカード
国際ブランド付きのプリペイドカードは、クレジットカードの項に準じるが、このほかに「JCBプレモカード」と「QUOカード」でも支払いが可能。どちらも店員にカードを渡せば、残高から代金が差し引かれる。

■ポイントカード
ローソンでは「Pontaポイント」または「dポイント」での支払いも可能。決済前にポイントの利用を伝えれば、1ポイント単位で支払い額に充当できる。

利用の際は支払い前にカードまたは各ポイントのアプリでバーコードを提示する方法のほか、おサイフケータイが利用できるAndroidスマートフォンであれば、ローソンアプリをインストールして設定すると、端末にタッチするだけでポイントを使うこともできる。iPhoneはWalletアプリにPontaカードを設定すれば、iPhoneを端末にタッチしてPontaポイントを使うことができる(iPhoneのバージョンによっては利用不可)。

以上が現金以外の支払い方法となるが、これは有人レジの場合で、後述する「セルフレジ」や「ローソンスマホレジ」では非対応となるものもある。また、ナチュラルローソンは通常のローソンと同一だが、ローソンストア100では「QUOカード」は利用できない。

ポイントカードを提示しなくてもポイントを貯められる

ローソンでは利用金額に応じて「Pontaポイント」または「dポイント」を貯めることができ、基本は100円[税別]につき1ポイントとなる。ただし、タバコなどの一部商品、および前述した現金のみでしか支払えない商品などはポイント加算の対象外。また、ポイントで支払った分に関しても、ポイント加算の対象外となる。一方でボーナスポイントが加算される商品もある。

ポイントを貯めるには、支払い前にポイントカードを提示することが基本だが、スマホを使って提示と支払いを同時に行う方法もある。おサイフケータイ対応のAndroidスマートフォンであれば、ローソンアプリを事前に設定しておけば、スマホに入れた電子マネーで支払いをすると、同時にポイントが貯められる。WalletアプリにPontaカードを設定したiPhoneは、「Apple Payで」と指定して支払うと、同時にPontaポイントが貯められる。

ただし、提示と支払いを同時に行う場合は、ポイントを使った支払いはできない。ポイントを支払いに使いたいときは、事前に提示する必要がある。

通常の買い物は「セルフレジ」が便利

ローソンでは利用者が自分で商品のバーコードを読み取って会計する「セルフレジ」の導入が進んでおり、2019年10月までに全店に導入される予定となっている。「セルフレジ」は9,999円までの買い物で利用でき、前述した現金払いのみ対応の商品、タバコや酒など年齢確認が必要な商品、一部店舗で取り扱っている医薬品を除く商品以外は、基本的に購入可能だ(店舗によって一部非対応の商品あり)。

  • (左)ローソン ゲートシティ大崎アトリウムの「セルフレジ」。(右)支払い方法はタッチパネルで指定する

利用できる決済サービスに関しては、有人レジと一部異なっている。国際ブランド付きのクレジットカード、プリペイドカードは利用できるが、デビットカードは利用不可。「JCBプレモカード」はクレジットカードと同じ扱いで利用可能だが、「QUOカード」は利用できない。ポイントでの支払いは、1ポイント単位での利用はできず、全額ポイント払いが可能な場合のみ利用できる。現金には基本的に非対応だが、一部店舗では現金払いができる場合もある。

  • (左)レジにあるスキャナーを使って商品のバーコードを読み取る。(右)Apple Payでの支払いの様子

  • ファストフードやマチカフェの商品はレジに置かれたバーコードを読み取って購入する

「ローソンスマホレジ」ならレジ待ち0秒

さらに近年導入が進んでいるのが、レジに並ぶことなく会計できる「ローソンスマホレジ」。現在は全国約100店で利用でき、2019年10月までに1,000店で導入される予定となっている。

「ローソンスマホレジ」は、ローソンアプリをインストールしたスマホを使って、自分で商品のバーコードを読み取り、支払いもスマホ上で行うサービスとなる。支払いが終わるとQRコードが表示され、それを店内に設置された端末にかざすと「ありがとうございました」とアナウンスが流れるため、店員にも会計したことがわかる仕組みとなっている。

  • (左)ローソンアプリのホーム画面。右下に「スマホレジ」のメニューがある。(中)「ローソンスマホレジ」のメニュー画面。(右) BluetoothまたはQRコードで店舗を識別して買い物を始める

  • (左)スマホを使って商品のバーコードを読み取る。(中)マチカフェの商品もメニューに記載されたバーコードを読み取れば購入できる。(右)店内の一角に端末が置かれており、会計後に表示されるQRコードをかざすと退店できる

「ローソンスマホレジ」で使える決済サービスは、クレジットカード、Apple Pay、楽天ペイ、LINE Payとなる。Apple PayはWalletアプリに設定したクレジットカードで支払う仕組みで、国際ブランドがMastercard、JCB、アメリカン・エキスプレスの場合のみ利用できる。楽天ペイとLINE Payはバーコードを使った支払いではなく、アプリ上の操作だけで支払いが完了する。

  • (左)商品バーコードの読み取り画面。(中)バーコードを読み取ると商品名と価格が表示される。(右)支払い方法の選択画面

  • (左)Apple Payでの支払い画面。(中)楽天ペイでの支払い画面。(右)LINE Payでの支払い画面

なお、クレジットカードは1回1万円以上の支払いには非対応で、その場合はセルフレジまたは有人レジを使う必要がある。LINE Payは有人・無人レジを問わず1回3万円、楽天ペイは1日4,000円が上限となる。また、Pontaおよびdポイントはアプリで設定していた場合のみ加算されるが、ボーナスポイント商品のポイント加算は対象外。値引きシールやクーポンなどには未対応となっている。

  • (左)支払いが終わるとQRコードが表示される。(中)店内の端末にQRコードをかざすと会計完了の画面が表示される。(右)アプリ上でレシートも確認できる

以上の通り、ローソンでは多彩な決済サービスが利用できる。店員が使うレジのタッチパネルも、「セルフレジ」や「ローソンスマホレジ」の支払い方法選択画面も、非常に操作しやすい設計となっていたので、気になっていた決済サービスがある人は、是非ローソンで試してみてほしい。

(※クレジットカードの用語などは以下を参照)

『シーンで選ぶクレジットカード活用術 (1) 最低限知っておいてほしい基礎知識』

※本記事で紹介したサービス内容は、消費税率8%を前提とした更新日時点の情報です。ポイント価値は編集部にて算出。利用方法によって上下する場合があります。また、各サービスには一部対象外となるケースがあります。ご利用の際は公式サイトなどで最新の情報をご確認ください。

■ 筆者プロフィール: タナカヒロシ(ライター・編集者)

普段は音楽やエンタメ関係の仕事が多いが、過去に勤めていた会社の都合でクレジットカード本を作ったことをきっかけに、クレジットカード、電子マネー、ポイントなどに詳しくなる。以降、定期的にクレジットカードのムック本を編集・執筆。3月8日発売の『最強クレジットカードガイド2017 本当にトクするカードの選び方・使い方=写真=』(角川SSCムック)では、編集統括および記事の大部分を執筆している。