列車の時刻を調べた。きっぷも買った。いよいよ出発だ。でもその前に持ち物をチェックしよう。旅先で後悔しないために「必要なもの」や「あったら便利なもの」をリストアップ。乗り鉄ならではの道具、持って行くと楽しいグッズもある。

筆者の装備品を並べると、きっぷ・財布(お金)・スマートホン・スマートホン用予備バッテリー・ハンカチ・ポケットティッシュペーパー・メガネを拭く不織布・目薬・食後に飲む持病の薬・タオル1枚・印刷した日程表。宿泊を伴う場合はさらに宿泊日数と同じ数のパンツ・靴下・Tシャツ・ハンカチが加わる。ホテルや飛行機、長距離バスなどをネットで予約した場合は控を印刷してクリアファイルに入れておく。

乗り鉄の旅、必需品は?(イメージ写真)

挙げてみると意外と少ない。なぜなら乗り鉄の旅は手軽が一番だから。日帰りなら手ぶらで済ませたいし、宿泊を伴う旅も小さめのデイパッグで済ませたい。以前はこの他に、メモ帳・ボールペン・大型時刻表なども持って行った。しかしこれらはスマートホンで代用できるようになった。スマートホンにはメモ機能もあるし、時刻表検索もできる。カメラも付いているし、ボイスメモもある。GPSで撮影場所の位置も後から確認できる。本当に便利な時代になった。ただし、バッテリーが尽きたら何もできない。そこで充電用バッテリーが必須アイテムとなった。

あると便利、旅が楽しくなるグッズ

もしバッグにゆとりがあるなら持って行きたいモノ。その筆頭は高倍率光学ズーム付きのコンパクトカメラだ。スマートホンや携帯電話にもカメラは付いていると書いたばかりだけど、高倍率のズームレンズは付いていない。ズームレンズを使えば、車窓の遠くにある景色を撮影できるし、安全な場所から列車や駅舎などを撮影できる。ズームには光学式とデジタル式があり、光学式のほうがきれいに撮れる。最近はポケットに入るコンパクトカメラにも20倍以上の光学ズーム搭載カメラがある。

筆者の携行品の例。高倍率コンパクトデジカメ。GPSロガー。ICレコーダー。大容量バッテリー充電器。常用薬は1回分ごとに小分け。きっぷはパスケースに入れる

次のおすすめはICレコーダー。列車の音を楽しむ鉄道ファンにとっては必需品。乗り鉄にも役立つアイテムだ。列車の音ではなく、車窓の感想や気づいたことを自分の声で録音しておく。観光列車やケーブルカーに乗ると、風景などを放送で紹介してくれる。これも録音しておくと記念になるし、後で旅の記録を整理するときに使える。

メモ帳とペンもいいけれど、揺れる列車内では書きづらいし、書くときに視線を下に向けなくてはいけない。声でメモをすれば、景色を見ながら記録できる。周囲に聞かれると恥ずかしいから、小さな声でも録音できる機種を選ぼう。スマートホンにもボイスメモ機能がある。しかし、意外とバッテリーの消費が多いから、専用機があったほうがいい。

小さなタイプの時刻表もあるといい。行程表があれば時刻表はなくてもいいけれど、万が一列車が運休したり、乗り遅れたりした場合の対策を検討するには必要かもしれない。スマートホンの時刻表検索機能は便利でも、ローカル線の旅では電波が届かない地域もありうる。乗り鉄なら、車窓が見えない夜の列車に乗ったときに、次の旅の計画を立てるなど暇つぶしにもなる。

GPSレコーダーもあると楽しい。一日の始まりにスイッチを入れたら、宿に着くまでバッグにぶら下げたままで良い。これは旅から帰って写真を整理するときに役立つ。デジカメの写真のタイムスタンプと照合すれば、車窓の写真がどのあたりの景色かわかる。駅から離れ、徒歩で移動したときやバスに乗ったときに、どの道を通ったかわかる。

これらの機能はスマートホンでも利用できる。でも、別途用意すればバッテリーの節約になるし、単機能の機械のほうがすぐに使える。

雪の車窓を楽しむ旅ではサングラスがあるといい。真夏の強い日差しは上からだけなので避けやすい。しかし、雪の照返しは意外と眩しいし、目を痛めやすい。

宿泊を伴う旅の場合は、デジタルカメラの予備バッテリー、デジタルカメラや携帯電話、予備バッテリー用の充電器など、電装品も増える。そこであると便利なグッズは、1mほどの電源延長コードと三ツ口タップだ。どちらも100円均一ショップで手に入る。ホテルのコンセントは数が少ないから、これを使えば同時に複数の充電ができる。

バッグはリュックタイプが便利

日帰りの旅なら手ぶらが一番。でも装備品はゼロではない。そこでバッグを持つ代わりに、ポケットの付いたジャケットを着るといい。それでも真夏の軽装の場合はバッグが必要だ。泊まりがけの場合もバッグが必須。では、どんなバッグがいいだろう? 旅行用品売場に行くと、肩掛け、キャスター付き、リュック(背負いタイプ)などがある。どれも一長一短があるけれど、駅から離れて街歩きをするような旅にはリュックタイプが便利だ。両手が空くし、跨線橋や神社の階段、舗装されていない道などもスイスイ歩ける。

両手を使えるデイパックが便利(イメージ写真)

肩掛けタイプは装備品をすぐに取り出せるというメリットがある。でも、ストラップを手で押さえる場面が多く、意外と両手を使えない。キャスタータイプは重量のあるものを運ぶ場合に便利だ。ノートパソコンを持って行きたいとか、きれいな写真を撮るためにデジタル一眼カメラも持って行きたい、という場合は「持つよりも転がしたい」だろう。ただし、階段や未舗装路では取回しに不便だ。街歩き用のために小さなバッグも持って行き、キャスター付きバッグはコインロッカーに預けよう。となると、キャスター付きバッグはコインロッカーに入るサイズを選びたい。

これらのバッグの他にもうひとつ、小さく折りたためるエコバッグを持って行くと便利だ。手ぶらや小さなバッグで旅をしていても、荷物が増える場合がある。旅先でちょっとした土産物を買ったり、展示施設に立ち寄ってパンフレットをもらったりするからだ。お土産屋さんでも紙袋やレジ袋をもらえるけれど、そうした小さな袋をまとめるときにも役立つ。

乗り鉄の旅での必需品リスト

持ち物 選び方など
きっぷ 財布の中より透明ケースに入れたほうが良い。折れにくいし、車内検札ですぐに取り出せる
財布(お金) コンビニATMも普及しているけれど、地方では現金が必要な場面も多い
携帯電話・スマートホン さまざまな機能があり、正確な時計としても使える
スマートホン用予備バッテリー 旅先の移動中は電源が少ない。大容量タイプを
ハンカチ 夏は多めに。タオルもあると良い。足湯を見つけるかも!?
ポケットティッシュ 普段、街角でもらうものを旅の機会に使おう
メガネを拭く不織布 デジカメやスマホのレンズも拭ける
持病の薬、目薬など
印刷した日程表 印刷したほうが見やすい。きっぷと一緒に透明ケースに入れよう
パンツ・靴下・Tシャツ 宿泊で着替える回数分
予約控え ホテル・飛行機・長距離バスなどの予約控えを印刷しておく。折れないようにクリアファイルに入れよう
サングラス 真夏の海の車窓や冬の雪の車窓で眼を傷めないために
エコバッグ お土産など荷物が増えたときのために
コンパクトデジタルカメラ 高倍率光学ズーム付きがおすすめ。GPS記録機能があれば尚良し
デジカメの予備バッテリー 2~3個あると安心
ICレコーダー 揺れる車内では声でメモしよう
乾電池 ICレコーダー用など
時刻表 小型サイズがあるといざというときに便利。暇つぶしにもなる
GPSレコーダー 線路以外の旅の道のりを記録できる
充電器 予備バッテリー、スマートホン、デジカメ用など
電源ケーブル 1mくらいのもの。新幹線のコンセントは足もとなので、延長すると楽だ
三ツ口タップ 複数の充電器を同時に接続できる