「かっこいいカラダ」「モテるカラダ」をつくるためのトレーニングというと、どうしても目に見える胸や腕など上半身のトレーニングを重視しがちです。一方、下半身のトレーニングメニューは確かにきつく、「足を太くしたくない」という気持ちもよくわかります。
しかし、せっかくトレーニングをするのに「下半身トレ」「足トレ」をしないのはあまりにもったいない。なぜなら、基礎代謝を上げるにはもっとも適した箇所だからです。今回は、下半身を鍛えるメリットと、筋トレにはマストな食材「鶏むね肉」を紹介します。
基礎代謝アップで太らない体を手に入れろ!
「基礎代謝」とはよく聞く言葉だと思いますが、これは簡単にいえば、その人がなにもせずに1日中寝ているだけでも消費されるカロリーのこと。つまり、筋肉が増えれば熱量が高まり基礎代謝がアップされるから、なにもせずとも燃焼するカロリーが増えるということを意味します。イコール、ダイエットにも当然のようにつながってきます。
基礎代謝アップのために筋肉を増やすなら、「大筋群」と呼ばれる大きな筋肉の強化を狙うべきです。大筋群は胸や背中、下半身に位置しますが、なかでも下半身は大筋群の宝庫! 体のなかでもっとも大きな筋肉が集まっているのが、下半身(大腿四頭筋・ハムストリングス・大殿筋)です。下半身だけで、なんと全身の約7割の筋肉が存在しています。
ヒップアップでスタイル改善。服がキマるカラダを目指せ!
パーソナルトレーナーを生業にしていると、「足を鍛えたら太くなりそうで……」という声をよく聞くのですが、そんな心配はまったくいりません。確かにボディビルダーのように鍛えられた足では似合う服が限られてくるかもしれない。毎日ジャージでは、仕事やデートに行けないのも理解できます。しかし彼ら彼女らの太くたくましい足は、「死ぬ気」でトレーニングをした結晶であり、一般的なレベルのトレーニングで足が太くなることを心配する必要はないといえます。
むしろ、引き締まった足を手に入れるには筋トレは間違いなく必要です。同じ1キロなら、脂肪より筋肉のほうが約20%も体積が少ないというデータを思えば、足トレで筋肉を増やし脂肪が減れば、いまよりもすらっとした引き締まった足が手に入ることでしょう。
さらに、「かっこいいカラダ」「モテるカラダ」を目指すなら、男子も女子もお尻を鍛えてほしい。普段あまり使われていないお尻ともも裏の筋肉は、なにもしなければこれからどんどん垂れてきます。「若いから大丈夫!」なんて思っているのはいまだけ! 年齢とともにお尻は確実に垂れてきます。下半身トレーニングでお尻を上げれば、スタイルがよくなり足も長く見える。当然、お気に入りの服だってキマる! 基礎代謝がアップして痩せる! そう、下半身のトレーニングには、メリットしかないないのです。
疲れないカラダで仕事もトレーニングもレベルアップ!
下半身を鍛えるメリットは、まだまだあります。下半身のトレーニングはなかなかハードで、多くの酸素を消費します。よって、心肺機能も高まり疲れにくいカラダづくりには最適。学生の頃に運動をしていた人でも、社会人になって運動不足になるとちょっとした階段の昇り降りでも息が上がってしまう経験はあるはず。下半身のトレーニングによって疲れにくいカラダが手に入れば、仕事のパフォーマンスだってアップします。
また、上半身を鍛えたい人にとっても下半身のトレーニングをすることはプラスになります。全身を支える土台となる下半身の筋力が弱くては、上半身のトレーニングを正しいフォームで行うことができません。あなたが憧れるカラダの持ち主がいるなら、必ずその人も下半身のトレーニングをしっかりしていると思っていいでしょう。これは間違いなくいえることです。
いますぐできる下半身トレの王道「ブルガリアンスクワット」
家でもできる下半身トレーニングでとくにおすすめなのが、ブルガリアンスクワット。片足を台の上に乗せて前後に足を開いて行うスクワットです。普通のスクワットとのちがいは、ハムストリングス、大殿筋など日常生活ではなかなか使われない足の後ろ側の筋肉を鍛えることができること。男性も女性もお尻を上げてスタイルがよくなるブルガリアンスクワットはおすすめのトレーニングです。
筋トレするならマストな食材! 「鶏むね肉」の調理の基本
下半身トレーニングの効果を、最大限にカラダに反映させるならタンパク質の摂り方がカギになります。タンパク質の摂取量は、筋トレをしない人で大まかな目安としては体重㎏あたり1gくらい。筋トレをはじめるなら、体重㎏あたり1.5~2.0gを目指そう。
今回は、筋トレするなら絶対に欠かせない鶏むね肉をパサつかせずに茹でる方法を紹介します。筋トレには鶏むね肉が欠かせませんが、できるだけ食べやすく柔らかくしたいもの。この処理をするとしないでは大違いなので、普段料理をしない人でもトライして。
1.鶏むね肉の皮と余分な脂を取る。
2.沸騰したお湯500ml(片手鍋半分くらい)にむね肉を入れ、再沸騰するまで中火で温める。
3.再沸騰したら火を止めそのまま30分放置する。
4.味付けは好みで(野菜とあわせてサラダにしても)。
構成/岩川悟(合同会社スリップストリーム) 取材・文/清家茂樹 写真/櫻井健司