リヨン駅の窓口で「明日来い」って、もうむちゃくちゃ
さて前回のから続き。翌30日午前、リヨン駅に向かう。実は、日本でレイルパスを購入したときに、パスポートのコピーを旅行会社に送り忘れて、バリデーションをしなかった。そのため、現地の駅でレイルパスに記入、スタンプを押してもらう必要があった。
ホテルが隣のベルシー駅近くだっため、歩いてリヨン駅に行く。だが正面口方向から行かなかったため、入口がなかなかわからない。やっと入口を見つけて入るも、窓口の周囲にロープが張られている。どうやら事件が起きて立ち入り禁止のようだ。
「バリデーションをしたいのだが」と駅職員に聞くと、「窓口は封鎖されている。別の駅に行け」とのこと。仕方がないのでベルシー駅でも行くかと思った時に、ふと気がついた。ここはメトロの方の窓口だ。1つ上の階に国鉄の窓口がある様子。そこで、国鉄の窓口に並んでレイルパスとパスポートを差し出すと、「いつから使うのか」と聞いてくる。そこで「明日」と答えると、「使う当日じゃないとバリデーションはできない」と言う。「そんなことはない」といっても無駄で、「じゃあ、今日からでもいい」というと「予約している指定券を見せろ」ともうめちゃくちゃ。
しかしおかしい。「当日列車に乗り遅れないように、前日までにバリデーションしておけ」とガイドブックには書いてある。ベルシー駅かモンパルナス駅に行くかとあきらめそうになるが、もう一度試してみよう。5分後に列に並び直し、先ほどとは別の窓口にレイルパスとパスポートを差し出す。今度はすんなりバリデーションをしてもらえた。別に予約している指定券を出さなくてもよく、使用日が明日でも構わないとのこと。そんなの本当は当たり前です!!
とはいえ、海外の鉄道の窓口ではこういったことがよくある。今回はまだマシで、いつだったかチェコのブルノ駅での窓口では、「旅の指さし会話帳」を片手に、「指定券は必要か」と聞こうとしたら、いきなり窓口の駅員が窓口のシャッターをガシャンと閉められたことがあった。私の後ろに7、8人並んでいたのにである。これに比べれば今回なんてまだまだかわいいほうだ。
教訓1「ダメでももう一度確かめてみる」
零下の中、2時間も並ばせる美術館前でシュプレヒコール
パリ行きを決めたのは、実は11月に瀬戸内海・直島の美術館で見たモネの睡蓮の絵がきっかけ。「青がこんなに濃かったけ」とモネの絵がもっと見たくてパリのオランジュリー美術館に行きたくなったのだ。パリの美術館を巡るには美術館パスを買うと便利というのはわかっていて、リヨン駅の観光所で売っているというのも知っていたのだが、観光所は長蛇の列。
観光所の中に1人ずつしか入れない制限をしており、買うのに1時間ほどかかりそうだったので諦めた。オランジュリー美術館はそれでもすぐ入れた。オルセー美術館は、入るのに20分ほど並んだ。オルセー美術館でモネを見ようとしたら、何やらグランパレでモネ展を催しているために、展示していないという注意書きがある。そこで、グランパレに行ったのだが、当日券の列がまったく進まない。日が落ちて零下なのにである。パスや招待券を持った人はスイスイ入場していく。当日券の列は200人ほどだが、数えてみると10分~20分ごとに10人~15人ほど入場させるだけ。若者がシュプレヒコールや口笛を鳴らして、美術館前はちょっと騒然。私の隣には赤紫のベレー帽をかぶった、齢70ぐらいのかわいいおばあちゃんがいたのだが、彼女も「我々の列を進ませろ! 」と声を張り上げシュプレヒコール。
まずは、オランジュリー美術館でモネの睡蓮を鑑賞 |
列に並んでから2時間以上経ってようやく美術館の入るとき、件のおばあちゃん、警備の黒人に「2時間も並んだわよ」とチクリと言うと、警備員は「まだマシさ、今日の昼間なんて5時間だぜ」とボソッと答える。おばあちゃんは「5時間、オーララー」なんて驚いていたが、「でも、凍える2時間よ! 」なんてしっかり切り返してた。
モネはよかった。が、この日は体力を消耗した。明日は朝7時のTGVでモン・サンミッシェルに行く予定。体はもつのかな……。
教訓2「鞄には、厚い靴下をもう一足入れておけ」