今からちょうど4年前。2018年4月に、私は認可外保育園の園長を退任しました。それ以来、北海道の利尻島から沖縄県の宮古島まで、日本各地を旅しながら生活をしてきました。 まだワーケーションという言葉があまり知られていない時代だったので、そういった形のライフスタイルに不信感を抱かれることもありました。
現在はワーケーションという言葉が広く知られるようになり、当初から実践していた私はワーケーションの先駆者(?)として、雑誌やメディアなどで執筆をしたり、お話をさせてもらったりする機会をいただけるようになりました。
今回は、そんな私の集大成。4年間、本気で旅をした私から次の世代に送る、ワーケーションにおすすめのスポット5選をご紹介します。
(今回は、個人的な思いが強めの内容となっております。具体的なスポットを知りたいという方は、合わせて過去の記事をご覧ください)。
第5位『香川県』
おそらくこういったランキングでなかなか登場しないかもしれない、香川県。私は、高松市に滞在していました。高松市の魅力は、とにかく色々な楽しみ方ができるということ。おしゃれなカフェや宿泊施設、うどんや骨付鳥といったご当地グルメ、豊かな自然など、魅力満載の地域です。
車がなくても楽しめるという手軽さも、ワーケーション初心者の方には嬉しいポイント。素敵な環境下で、気軽にワーケーションをすることができます。
高松港からフェリーに乗り、離島に行くことも可能です。特に今年は、3年に1度の瀬戸内国際芸術祭が開かれる年なので、さらに楽しみが広がる予感…!私も訪れたいと思っています。
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第4位『広島県』
広島県では、尾道市と宮島に滞在しました。先程の高松市同様、コンパクトな街の中にも様々な楽しみ方ができるということが魅力で、こちらもワーケーション初心者の方におすすめの地域となっています。
特に宮島の場合、島内では宿泊をしないという方も多いと思われますが、ワーケーションとして一定期間滞在することによって、また違った視点で物事を見ることができるようになります。宮島は個人的にすごく好きな場所なので、今後も定期的に訪れたいと思っています。
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第3位『青森県』
昨年、私が最も訪れた県です。内訳は、青森市に3回、弘前市に1回。「え。また青森にいるの?」と周りの方から言われるほど、青森県に滞在していました。
桜の名所として知られる弘前城や、四季折々の表情が楽しめる奥入瀬渓流、新鮮な魚介類や様々な種類のりんご、個性豊かな温泉など、見どころ満載の県です。
そんな中で、私が一番魅力的だと感じたのは、人の温かさです。これは私個人の意見として捉えていただければと思いますが、青森県で出会った方々は慈愛に満ちた人が多く、その言動からは、強い郷土愛を感じることができました。
「また会いたいな」と思う人や、「また行きたいな」と思える場所が、青森県にはあります。私自身も、見事にハマってしまい…。すっかりリピーターになってしまいました。
訪れるたびに新しい発見があるので、青森県の沼はどこよりも深いのではないかと、私は思います。独特な世界観を、体感してみてください。
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第2位『沖縄県』
ワーケーションといえば、こちらの県をイメージされる方も多いのではないでしょうか。透き通るようなきれいな海と白い砂浜のビーチ、そしてゆったりとした時間が流れる沖縄県は、様々な地域でワーケーションを実践してきた私からみても、「本当に適した地域だな」と感じられる場所です。
特に、私が長期滞在した宮古島は、早い段階からワーケーション事業に取り組まれていた地域で、私自身もこの宮古島で、ワーケーションという言葉を知りました。
仕事をして、海を眺めて、美味しいごはんを食べて、星空を見上げながらボーっとする。何気ない日常の幸せを、心から感じることができました。
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第1位『長野県』
そして第1位は、長野県です。予想通りという方も多いのではないでしょうか。私の長野県に対する愛は、不動のものです(笑)。
2018年7・8月に軽井沢、2018年10・11月、2019年4月・5月、2021年9月に大町市と、合計で半年以上、長野県に滞在しました。本拠点である愛知県からそれほど遠くないということもあり、今でも事あるごとに長野県を訪れています。
素敵な場所がたくさんある長野県ですが、私がおすすめしたいのは、やはり大町市です。特別何か秀でているものがある地域とは言い難いですが、必要なものは全て揃っており、人がその人らしく生活を営むという姿がとても印象的でした。そうした人々の生き方に触れるということが、本当に楽しくて…。私自身の価値観が広がるきっかけにもなりました。
大町市の周辺には、松本市、安曇野市、白馬村と、魅力的な街が存在しており、様々な楽しみ方をすることができます。車は必須となりますが、本当に暮らしやすい街です。中長期的な滞在に、適した地域だと思います。
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居場所を探す旅から、居場所を作る旅へ
この4年間、様々な場所を訪れ、そこで生活を営む人達とも関わってきました。その中で、「この場所、好き」とか「こういう人達と一緒に暮らしたら、楽しそうだな」と思うことも多々ありました(むしろ毎回、そのように思っていました(笑))。
しかし、今後の人生を考えた時に、どの場所も決め手に欠ける部分があり…。「居場所というのは、自分で作るしかないんだな」と思うようになりました。
昨年の8月末くらいから、自分のための居場所作りを始めました。今後、結婚できるという保証もなかったので、「ここにいるだけで幸せ」と感じられるような空間作りを目指しました。
2021年11月1日、アトリエをオープン。自分の居場所ができました。
自分の心を満たすために始めた居場所作りでしたが、ここ最近、フォトスタジオやコワーキングスペースの内装など、空間作りに関する相談をいただけるようになりました(少し前までは考えもしなかった事態に、私自身も驚いています(笑))。
現在は沖縄県にて、株式会社クラ・モチベーションさんの新事務所の空間作りに取り組んでいます。
コワーキングスペース、会議室、撮影ルーム、エステルームなどを作っています。今回は、おすすめスポットにもランクインしていた長野の旅で、出会った時からずっと目をつけていた(我ながら、怖いですね(笑))、素敵な感性を持った学生さんにもサポートいただき、進めていく予定です。どんな空間に仕上がるのか…。今からとても楽しみです。
今後のことは、正直な話、まだぼんやりとしか見えていませんが、ワーケーションという名の旅は、ここで一旦おしまいにしたいと思います。それと同時に、この連載からも卒業します。
ライターとして、初めて本格的にお仕事をさせていただいたのがこの連載で、書くことや表現することの楽しさを知りました。取材を通して、たくさんの方々と出会うこともできました。私にとって、この連載は宝物です。貴重な経験をさせていただき、本当にありがとうございました。
ワーケーションや連載からは卒業しますが、私はおそらく、今後も旅をしています。もしどこかで見かけたら「あれ。もしかして、なんやさんですか?」とお気軽に声を掛けてください。またどこかでお会いできる日を、楽しみにしています。
南谷有美(なんや・ゆみ)
カメラマン/ライター
2018年4月に認可外保育園の園長を退いてから、各地を巡る旅人に。リモートで仕事をしながら、好きな場所で好きなことをして生活しています。