北は利尻島、西は宮古島と、今まで日本各地でワーケーションを実践してきましたが、ある場所でのワーケーションが行われていなかったということに、気づいてしまいました。 その場所はどこかというと、私の本拠点である愛知県です。これだけさまざまな場所でワーケーションを実践しながらも、自身の県では行っていなかったという事実に、自分でも驚きを隠せませんでした(笑)。
生まれ育った県ということでご紹介したい場所は多々ありますが、今回は西三河に位置する、西尾市に照準を定めました。
その中で、今回の舞台とさせていただいたのは、佐久島。三河湾に浮かぶ離島で、アートの島として名高い場所です。
一色港から佐久島までは、約20分の船旅。船に乗り込んで、佐久島へ向かいました。
アートがいっぱい! 豊かな自然に囲まれた佐久島
ワーケーションの体験記を綴る前に、佐久島についてご紹介します。
アートの島として知られる佐久島ですが、その取り組みが始まったのは1996年のこと。島おこしの一環として、スタートしたことがきっかけでした。それ以来、数々のプロジェクトが実施され、現在では島の至るところにアートが点在しています。
写真撮影をするために、列ができてしまうことも! 1年を通して楽しめるアートピクニック(島内一円に展示されたアート作品を巡るスタンプラリー)をはじめ、さまざまなイベントが随時開催されています。
また、豊かな自然と昔ながらの集落の情景が見られるという点も、佐久島の魅力の一つとして挙げられます。
ワーケーションの醍醐味とされる余暇の時間も、存分に楽しめる場所となっています。
海を眺めながら、思い思いのときが過ごせる 「佐久島 円空かいひん荘」
佐久島についてお話したところで、滞在した施設をご紹介します。今回はより臨場感が味わえるよう、実況中継のような形でお届けします。
下船する場所は西港。人気スポットのおひるねハウスに近い港です。
西港から徒歩3分の場所に滞在したお宿「佐久島 円空かいひん荘」はあります。
オーナーの磯崎さんにご挨拶したところで、早速、中に入ってみましょう。
室内は、外観からは想像できないような、おしゃれな空間となっていました。
眺望も良かったので、ワーケーションに適した施設だと感じました。
リビングの隣はダイニングスペースとなっており、こちらでは調理をすることができます。
島内にはスーパーやコンビニがないため、調理をされる予定の方は材料を調達してから乗船されることをおすすめします。私のように料理が得意ではない方や、せっかくなのでおいしい海鮮を食べたいという方は、出前をとることも可能です。
おいしい食事の時間は、至福のひととき。明日への活力になりました。
寝室は洋室と和室があり、今回はこちらの部屋に滞在しました。
私が滞在したときには、なぜかドライヤーが行方不明となっていましたが(笑)、生活に必要なものは、備えられていました。短期でも長期でも、その用途に合わせて滞在できる場所だと思いました。
佐久島でワーケーションしてみたら
今回は初となる地元でのワーケーションでしたが、「愛知県って、こんな素敵なところもあったね」と再認識する機会を持つことができました。
今回滞在した「佐久島 円空かいひん荘」は、古民家をリノベーションして作られた宿泊施設で、所々に当時の面影が感じられる造りとなっていました。単身でのワーケーションはもちろん、一棟貸しも可能なので、ご家族やグループでの活用にも良いと感じました。 実は、円空かいひん荘の真向かいには、もう一つの古民家があります。
将来的にはこの古民家も拠点の一つとして作り上げ、島の活性化に繋げることができたら……とおっしゃっていました。地域が抱えている問題を知り、訪れた方々が自分のできることでその地域に貢献していくといった過ごし方ができるといった点も、こちらでのワーケーションの醍醐味の一つだと感じました。
海を眺めながら開放的な場所で仕事をしたい方はもちろん、地方創生や島おこしに興味があるという方にもおすすめの場所です。愛知県の離島、佐久島を是非訪れてみてください。
南谷有美(なんや・ゆみ)
カメラマン/ライター
2018年4月に認可外保育園の園長を退いてから、各地を巡る旅人に。リモートで仕事をしながら、好きな場所で好きなことをして生活しています。