早めの夏休みの旅先は務安(ムアン)。そう言うとほぼ全員が口をそろえた。「務安ってどこ?」。務安は、韓国南西部に位置する全羅南道(チョルラナムド)の玄関口。何と日本からも直行便が飛ぶ、れっきとした国際空港だ。大阪(関西)と務安をチェジュ航空が結んでいる。飛行時間はわずか1時間40分と、実は意外に近いのだ。
クルーは「FUNサービスチーム」でもある
チェジュ航空は、2005年に設立された韓国生まれのLCC。ソウルの金浦(キンポ)空港と仁川(インチョン)空港を拠点に、韓国国内のほか日本や台湾、中国、タイ、フィリピン、ベトナム、オセアニア(グアム、サイパン)へ国際線を飛ばしている。
日本では札幌(新千歳)、東京(成田)、名古屋(中部)、大阪(関西)、松山、福岡、沖縄(那覇)の7都市に就航しており、イメージキャラクターに東方神起を起用したことで、一気に知名度を上げた。7月21日には大阪(関西)=グアム線を新規就航するなど、次々と路線を拡大している。
大阪(関西)=務安線の運航スケジュールは、月・水・木・金・日の週5便。往きの7C1311便が12:30大阪(関西)発/14:10務安着、帰りの7C1312便が10:00務安発/11:40大阪(関西)着。使用機材はボーイングB737-800型機が投入されている。
ユニークなのは、独自の機内サービスだ。チェジュ航空では「EVERYDAY FUNDAY」をコンセプトに、楽しい空の旅を演出する「FUNサービスチーム」が全てのフライトに搭乗している。じゃんけんやマルバツクイズ、ビンゴなど様々なゲームで乗客を盛り上げる「ゲームチーム」や、カードマジックやライトマジックで乗客を引きつける「マジックチーム」など、フライトごとに異なる演出で、何度乗っても楽しめそうだ。
筆者が利用した7C1311便のクルーは「風船の達人チーム」で、花や動物をかたどったバルーンアートを希望者に手渡し、受け取った子どもたちは大はしゃぎしていた。
ビビンバの食べ方にもコツがある!?
機内食は有料で、路線によっては事前予約できる。大阪(関西)=務安線は近距離のため、事前予約メニューには対応せず、ミールメニュー「Air CAFE」からその場で選んで注文する。ホットミールはビビンバ(7,000ウォン=約700円)またはカレーライス(ライトミールとしてふりかけご飯も)と選択肢は少ないが、辛ラーメンをはじめ、カップ麺が充実しているのが韓国らしい。
筆者はビビンバと、済州(チェジュ)のきれいな水で醸造する済州生まれのクラフトビール「JEJU WIT ALE」(5,000ウォン=約500円)を注文した。昨夏にローンチしたばかりの新しいブランドで、ソウルなどではまだあまり見かけないめずらしい銘柄だ。
さて、まだ日本ではほとんど知られていない務安だが、今後は日本人にも人気の旅先になるかもしれない。なぜなら全羅南道が、もっと日本と日韓相互交流をしたいと、このたび広報大使を任命したのだ。
全羅南道は韓国を代表する食の都。ということで、初代の全羅南道名誉広報大使に任命されたのは、薬膳料理研究家の新開ミヤ子氏。新開氏によると、機内食のビビンバは筆者がやったようにご飯に具材を載せるだけでなく、別添えのごま油とコチュジャンをたっぷりかけ、ご飯と具材、調味料が渾然一体となるまでよく混ぜるとおいしさがアップするとか。ぜひチェジュ航空の機内でお試しを。
※日本円換算は1ウォン=約0.1円で計算
※記事中の機内食は、2018年7月の大阪(関西)=務安線で購入したもの